2011/01/10
ガストの高級路線は“あり”か?
ガストが従来より単価が高い商品の販売を始めるそうです。その名もプレミアムシリーズ。
ガストと言えば、メニューの標準化やオペレーションの簡略化で低コストを実現、割安なメニューを武器にチェーン展開してきました。そのガストが、高単価商品の投入を決したというのは、大きな決断だったと思います。
ガストは「安くてそこそこおいしい」というコンセプトが受けて成長したはずで、「安くないけど、とてもおいしい」ことを求める消費者をどれだけ引きつけられるかは、正直、未知数です。
しかし、客数の減少に歯止めがかからないのでしょうか。もともとのコンセプトとは異なるプレミアム商品を投入することで他のファミリーレストランとの差別化を目指すようです。
小売の輪の理論というものがあります。
これは、低コスト、低マージンによる革新的小売業態が、その成熟とともに差別化のために高級化を図るようになり、その結果、次の革新的小売業態の参入の余地を生む、というものです。マクネアという人の理論です。
ユニクロは、まさに低価格を武器とする革新的小売業態でしたが、市場が成熟するとともに、デザイン性を取り入れた少し高めの商品も扱うようになりました。ユニクロの場合は、自ら作った参入余地を埋めるために、ジーユーという低価格商品を扱う新業態を生み出しました。
自分で空けて、自分で埋めたわけです。さすが、柳井さんという感じでした。
ガストはこのままへ高級へシフトしていくのか?シフトして空いた余地は、誰が埋めるのか?
それとも一時の迷いなのか?
企業は、顧客の生活向上を目指さなければならない。顧客のニーズを理解し、顧客の期待を超えなければならない。(by フィリップ・コトラー)
ガストの顧客は、プレミアム商品を求めているのか、その商品は顧客の期待を超えるものか?
注目したいと思います。
2011/01/06
市場規模が3分の1になった業界
2010年のCDの生産額は、2000億円程度になる見込みだそうです。(日本レコード協会)
これは、1998年の3分の1の規模です。10年あまりで、驚くほど縮小してしまったことになります。
この背景には、音楽配信の普及に加え、ネット上で無料で楽曲が流出してしまっている事実があります。コンテンツがデジタル化して、ネット上を飛び交うようになり、CDという「モノ」がいらなくなったんですね。
しかし3分の1って、業界の人は青ざめているでしょうね。
一方で、コンサートの売上額は過去最高の約1255億円(2009年)に達したそうです。(全国コンサートツアー事業社会調べ)
アーティストにとっても、消費者にとっても、コンサートというリアルな場の価値が相対的に上がってきた、ということです。この動きにいち早く反応して話題になったのがマドンナで、CDの販売よりもライブツアーで稼ぐモデルにチェンジしていることは有名です。所属会社もレコード会社からイベント運営会社に替えるなど、その徹底ぶりはさすがです。(マドンナの記事)
デジタルが重要になればなるほど、アナログも重要になっていく。
(by 松井道夫 松井証券社長)
例えば、メールの一斉配信で年賀の挨拶をする人が増えれば増えるほど、紙の年賀状に手書きでメッセージを入れてくれる人の温かさや存在感が際立ちます。
デジタル化が急速に進む昨今ですが、同時にアナログの良さを改めて感じる機会も増えていく。
2011年、デジタルもアナログも、どちらも大切にしていきたい、と思います。
2011/01/05
他人が決めたことには興味ありません。
あけまして、おめでとうございます。
今年も、どうぞ、よろしくお願い致します。
さて、今年一発目のブログ。
今日、5歳の息子が母親といっしょにハンバーグを作りました。自分でミンチをこねて。ほとんど粘土遊び気分です笑。
すると、いつもより倍の量のハンバーグをペロリとたいらげました。珍しい!妻と顔を見合わせて笑ってしまいました。
やはり、自分で作ったものは、美味しく感じるのでしょうね。あるいは、自分が関わったものに対して、強い関心を持った、ということなのかもしれません。
これと似た話。
親戚の叔母さんは、スーパーでパート勤務をしています。ある食品カテゴリーの担当をしていて、担当商品の売れ行きや消費期限をみて割引シールを貼ったり、仕入れの手配をしたりするそうです。
自分のやり方で、そのカテゴリーの売れ行きが左右されるわけです。パート社員にそこまでやらせるのかとビックリしますが、当の本人は使命感を感じ、ものすごく一生懸命働いています。
なんと、休日や非番の時間帯に、売り場を確認に行ったりするのだとか!!笑。
こうなると、時給が高いとか低いとか、そういう問題ではないんですね。
任されていることが、働く意欲を高めているのです。
話は変わって、セブンイレブンの話。
セブンイレブンの強さは、店舗の担当者の仕事へ意気込み度合が高いことにある、と言われています。同社は、店舗担当者が、地域のイベント(運動会、お祭りなど)と商品の売行きデータをつき合わせ、自ら発注品目と量を決めるそうです。
こうすることで、店舗の担当者は商品需要に関心を持ち、「考える店員」に育つのだそうです。
自ら考えて動く店員がいるコンビニと、本部の指示されるまま動くだけの店員しかいないコンビニと、どちらが強いかは明らかです。
人間は、自分で決めたことには、積極的に関与しようと思う生き物である。(by 豊田礼人)
逆に言えば、人が決めたことはやりたくない、人が決めた目標になんか、興味ない、ということです。
いかに自分で決めるか、自分で決めさせるか、そして任せられるか。
ここに、組織活性化のヒントがありそうですね。
2010/12/30
出来ない人ほど、立派になる。
今年もあと1日で終わり。
今年の初めに立てた目標をを見返すと、達成できていないことだらけの事実に、少し愕然とします笑。
かなり頑張ったはずなのに、出来ないこともある。計画の立て方が悪いのか、能力の問題か・・。
できない自分を思うとき、「自分も○○さんのように能力が高かったらな~」とか、「△△さんのように器用に生きられたらな~」などと、グチの一つでも言いたくなる人、多いのではないでしょうか?
僕とて、例外ではありません。
僕たち人間が生きている理由は、「昨日より少しでもマシな人間に成長することだ」と言ったのは、確か京セラの稲盛名誉会長。
出来ないことへ挑戦することに、人間として生きている意味がある・・・。
だから、できない自分を嘆いたり、他人をうらやむのではなく、挑戦し続けている自分を肯定せよ、ということなのでしょうか。
なかなか高尚な考え方です。でも、きっと真実なのでしょうね。
手工芸の職人というものは総じて手先の不器用な人間のほうがのちのち立派になる。不器用な人間ほど一生懸命になって、地道に努力するからだ。《by 手工芸の有名な人 (誰かは忘れました。すみません)》
出来ないからこそ、必死になって努力する。
それが、自分を「出来る人」よりも成長させてくれる。
勇気づけられる言葉です。
来年も頑張りましょう!!
2010/12/28
繁盛ラーメン屋から学ぶこと
昨日、あるクライアント企業で営業会議をしていました。
僕が、「自分のお気に入りの飲食店を思い浮かべ、なぜ自分がその店を気に入っているかを考えてみてください」とお題を出しました。
客の立場に立って考えることを鍛えるエクササイズです。
すると、ある年配の社員さんがこう言いました。
「近所のラーメン屋によく行きます。結構おいしいんです」
「おいしいこと以外に、何か気に入っていることがありますか?」と僕。
「・・・。そうですね、店に入ると、店員さんがすぐに注文を取りに来てくれるんです。それが気持ちいいですね」
すると、他の2人の社員さんがこう言いました。
「それって、○○っていうラーメン屋じゃないですか?確かに、あそこは注文取りがすごく早いよね」
このラーメン屋はチェーン店ですが、どうやらどこの店舗も「注文取りがすごく早い」らしいのです。
お店に入ってもなかなか注文を取りに来てくれないと、本当にイライラします。件のラーメン屋では、この時点の客のイライラを解消することに力を入れているようです。同じ感想を持つ人が同時に3人もいたわけですから、かなり徹底しているのでしょうね。
「注文で待たされるのは誰でもイヤ。だって無視されているような気がするから。だから、自分たちはとんでもなく早く注文を取りに行こう。自分がされて嬉しいことは、きっとお客さんも嬉しいはずだから。」
おそらくこのラーメン屋の社長はこう考えたのでしょう。
人からされたいと思うことを、自ら人にしなさい。(by スティーブン・R・コヴィ)
こういう差別化の方法もあるんだな、と関心しました。またしてもお客さんから勉強させて頂きました。ありがとうございます!
自分がお客の立場になったとき、色々と見えてくるものがあります。それをどんどん自分の仕事に活かしていきたいですね。
まだまだやれることはたくさんあるはずです。
頑張りましょう。
応援してます!
最近のブログentries
コンサルプランconsulting plan
情報発信information





