名古屋の経営コンサルタント レイマック

豊田礼人ブログ「シンプルなことの繰り返し」

2012/01/25

日本一の職人からのメッセージ。

愛される会社を増やすため、愛される会社プロジェクト

を運営中。

その会報誌、レイマックプレス

の第41号(2012年1月号)をリリースしています。

会員様には既にお手元に届いていることと思います。

さて、今回の経営者インタビューは、3年待ちのふとん屋さん「丹羽ふとん店」の5代目、丹羽拓也氏に独占インタビューしています。

全国技能グランプリで日本一の職人になった丹羽親子。その確かな腕が評判となり、お店は大繁盛店に。

しかし、グランプリは2年に一回開催されており、ということは日本一の職人は他に何人もいるはず。しかし、その職人たちのお店が同様に繁盛店になっているわけではない。

その違いは?

という質問を丹羽さんにぶつけたところ・・・・。

その答えはレイマックプレスで(笑)。

ところで、丹羽さんが繰り返し言っていたことは、

自分の仕事に対し「常に、これで本当にいいのか?精一杯やったか?」と自問自答することが大切だ、ということ。

背筋がピッと伸びるような、言葉です。

死ぬときに、that’s right! (これで良かった!)と言える人生を送りたい。(by 僕の昔の友人N.Mさん)

悔いの無い人生を送るため、毎日のひとつひとつの仕事に納得いくまで取り組むことの大切さ。

日本一の職人に教えられました。そして友人の言葉を思い出しました。

頑張ります。

是非、あなたも。

応援しています!

2012/01/24

お金をサッと取れ。

CCCといえば、TSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブを思い浮かべますが、

今日は財務指標のCCCについて。

これは、キャッシュ・コンバージョン・サイクルと呼ばれるもので、企業が資金を回収するスピードを示すものだそうです。計算方法は、売掛金と在庫の回転日数の合計から買掛金の回転日数を引いて産出します。

そもそも企業経営をややこしくするのは、在庫、売掛金、買掛金というものがあるから。これらは、モノがお金に変わるまでのタイムラグを生むものです。

つまり、仕入れたのに売れない!(在庫が増える)、売ったのにお金が入ってこない!(売掛金の未回収)という事態です。それらが、「資金繰りが苦しい」という状態を引き起こします。

資金繰りが苦しいことほど、経営者にとって苦しいことはない。つまりCCCが長い企業ほど経営者は苦しい、ということになります。

このCCCが驚くほど短いのがアップル。パナソニックやソニーが20日前後であるのに対して、アップルはマイナス20日。つまり、製品を作る前からお金が入ってきているのです!(日本経済新聞2012年1月17日 より)

CCCが短いほどフリーキャッシュフローが潤沢になり、研究開発や販売促進への投資が機動的に行なえます。アップルはCCCを縮め、資金を潤沢にし、競争力を飛躍的に高めていったのです。それが現在の快進撃につながっていると言えそうです。

さて、僕も仕事を通して、たびたびこの「資金繰りが苦しい」会社に出くわします。

その中で気になるのは、小売店や飲食店で資金繰りが苦しい企業。

これらの企業は「売った瞬間に現金収入があり、仕入れの支払いは掛け、いわば「先にお金が入ってくるビジネス」をやっているはずです。

にもかかわらず資金繰りが厳しいということは、ビジネスモデルに問題ありと疑ってみる必要がありそうです。

わざわざ僕が言うまでもありませんが、環境変化は激しい。

その中では、変化を見越して機動的にお金を使っていくことが、競争力を維持するためには重要です。

人によって、お客からお金をもらうことがやましいことだとか、遠慮する人がいますね。商売人をバカにしている。そういう人は伸びません。それは経営というものを理解していないのです。お客がふところからお札を出そうとしたら、サッと取るとか。ほんとはそれくらいやってもいいのです。(by 竹田陽一)

豊田礼人の正しく愛される経営術

お金をもらうことを遠慮してはいけない。お客さんがお金を出そうとしたらサッと取る(笑)。

成長するためにはお金は不可欠。その多寡、使い方で結果も違ってくる。

心に刻みたいと思います。

2012/01/18

僕たちは「負けたくない」と思っている。

僕たちは「負けたくない」と思っている。強迫観念のように勝とう勝とうと思っている。

負けたくないことを口に出すわけではありません。しかし無意識のうちに頭の中に刷り込まれ、気付かないまま行動に出てしまうのです。

ゴルフで「卵を産む」という行為があります。

あなたが打ったボールがグインと横に曲がり、林に入ってしまったとします。斜面を降り、林の中にボールを探しにいきます。しかしボールは見つからない。

OBです。OBを認めれば、スコアは悪くなる。

しかし負けたくない。あなたはポケットから新しいボールを出し、足元に落とす。そしてこう叫ぶ。

「ボール、ありましたーっ!」

これが「卵を産む」という行為です。もちろん禁止行為。

こんなことやってはいけないのは当たり前。しかし、「負けたくない」と強く思っていると、しばしばこういう不正行為をしてしまう人が出ます。本人はバレていないと思っていても、実はバレている。当然信頼を失い、友達も失う。支払う代償はとてつもなく大きい。

また、こういう話を噂で聞きました。

ある部長が会社の部下や関係者とゴルフをしていました。部長は第2打を打ち、ボールはグリーン方向に飛んでいった。ナイスショットだったが、やや強めに打ちすぎたかな?とも思った。

グリーンに上がってみるとボールはない。やはり強すぎたのだと思い、グリーン奥のラフを探してみる。しかし見当たらない。

OBか?

しかし、負けたくない。ここでスコアを崩したくない。仲間はまだ遠くを歩いている。

部長は、卵を産んだ。

グリーン奥のラフにボールをそっと落とし、それを第3打として確実にグリーンに乗せた。仲間たちもグリーンにボールを乗せ、一人がピンフラッグを抜くためにカップに近づいた。すると何ということか。

ボールがカップの中に入っていた。それは紛れもない、部長のボールだった。

強すぎてOBかと思った部長の2打目が、実は直接カップインしていたのだ。つまり、イーグルショットだったわけです。

この世にあってはいけないボールがそこにあった。グリーン上で全員が凍り付いてしまった・・・・。

****

負けたくないと思うあまり、不正行為をしてしまう。

オリンパスの問題も、同じ。

自分たちの失敗を知られたくない。負けを認めたくない。だから不正に処理してしまった。

悪いことだとは分かっていても、いざ自分がその局面に立つと、「負けたくない」が優先してしまう。こんなこと、多かれ少なかれみんなやっている。バレなければいいんだよ、と。

人間の弱さだと思います。

負けたくない気持ち、勝ちたい気持ちは誰しも持っています。

しかし、不正をしてまで勝つ必要はない。(それは勝ちではない)

もし勝とうとする欲望が成功のDNA(成功の一番大きな理由)の重要な部分を占めるのであれば、勝とうとしすぎるのは成功を制限してしまう遺伝子の誤った突然変異といえよう。(by マーシャル・ゴールドスミス エグゼクティブ・コーチの第一人者)

豊田礼人の正しく愛される経営術

負けたくない、勝ちたいと思うことは悪いことではありません。

しかし、必死になる価値のないことのために勝とうとするのは避けなければならない、ということです。

自分を常にコントロールし、勝とうとしすぎないこと。

インチキをしないこと。

肝に銘じます。

2012/01/09

お前の嫁さんなら、その商品を買うか?

売っている本人が良いと思っていないものを、よそ様に売るというのは不誠実極まりない。

マザーセールステスというものがあって、これは、「この商品を自分の母親に売れるか?それほど良いと確信しているか?」ということを自問自答せよ、という考え方です。

「身内には売れないよ。だって、売り込んだりしたら、なんか申し訳ないじゃん。」

こういう声は、わりと周りから聞こえてきますよね。

でも、ある人が言っていましたが、

「じゃあ医者が、申し訳ないからって身内を診ないのか?っていうことになる。だって自分はヤブ医者だと宣言していることになるでしょ?」

まさにその通り。

自分が売っている商品にどれだけ自信が持てているかということは、自分自身を肯定できるかどうかということです。

(手前味噌ですが、僕は友人・知人・親戚など身内にクライアントが多いです。)

お前の嫁さんなら、その商品を買うか?(by 大山健太郎 アイリスオーヤマ社長)

豊田礼人の正しく愛される経営術

嫁さんなら、ワイフセールステスト、となるのでしょうか。

大山社長も、身内に売りたいと思うほど、つきつめて商品開発せよ、と言っています。

買う側の立場から考えてみても、その商品を愛している人から買いたいですよね。そして一緒にその商品の良さを共有したい。そして喜びたい。

自分が売っている商品について真剣に考え、そして愛せ。

そうすれば、お客様も買いたくなる(はず)。

僕も頑張ります。

あなたも、ぜひ。

応援しています!

2011/12/29

偉大な人は、盗む。

先日インタビューした3年待ちのふとん屋さん、丹羽ふとん店

の5代目・丹羽拓也さんから聞いた話。

拓也さんは2年間サラリーマンとして一般企業に勤めた後、ふとん職人として内閣総理大臣賞を受賞した父であり師匠の4代目・正行さんに弟子入りしました。

豊田礼人の正しく愛される経営術

職人の世界では、「技術は見て盗め」と言われますが、師匠の正行さんは、とても丁寧に細かく教えてくれたそうです。

細かく教えてもらえれば、上達は早い。

教えてもらったことを何度も練習することで腕を磨いた拓也さんは今年、ふとん職人日本一を決める『全国技能グランプリ』で優勝しました。

父・正行さんも過去に優勝しており、前人未到の『親子で優勝』を成し遂げました。

僕は、仕事のやりかたやノウハウを、なるべく言語化・文章化(マニュアル化)して、後進に伝えるということは非常に重要だと思います。

そうした方が、正確に、かつ迅速に技術やノウハウを伝承できるから。

日本の労働生産性は先進7カ国で最下位

という悲しいニュースが2011年12月16日の日経MJに掲載されていますが、僕は日本人の『技術は見て盗め』の弊害ではないかとさえ思います。

知り合いの特許事務所では、『職人的で後輩にノウハウを教えない弁理士業界の文化』に疑問を持っていた所長が、細かいところまで言語化・文章化して、合理的にノウハウを伝承する取り組みをしています。

この取り組みの話を聞いたときは、本当に衝撃を受けました。

暗黙知を形式知にする――。

これは、コンサルという職業柄、ものすごく興味を惹かれるのです。

ただし。

丹羽さんも言っていたのですが、オペレーションに関する部分はマニュアルで教えてもらうことはできるけども、仕事に対する姿勢や考え方は、やはり師匠の一挙手一投足を注視し、盗みとるしかないと言っています。

実は繁盛店である最大の秘密も、その『姿勢』にあるのではないかと僕は思います。その姿勢は、教えて教えられるものではない、感じ取り、盗み取るものなのです。


優れた芸術家は真似る。偉大な芸術家は盗む。(by ピカソ)

豊田礼人の正しく愛される経営術


日本の大命題は「生産性」を上げること。これは間違いない。

そのために、ノウハウの言語化・文章化・マニュアル化は非常に重要。

かつ、ピカソが言うように、偉大になるために「何か」を盗むことも重要。

2012年、あなたは何を盗むか。

盗んだモン勝ちですよ。

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