2015/01/16
第509号【教科書は読むな】
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■欲しがるだけで行動しない人
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経営者や起業家と話していると、
大きく2つのタイプに分かれると感じます。
ひとつは、
僕との打ち合わせで脳みそをフル回転し、
得た情報やアイデアを自分の中で消化し、
自ら解答を導き出す人。
やるべきことがバーッと箇条書きでプリントアウトされるがごとく整理され、
それをどんどん実行していくタイプ。
実行するから、成功するにせよ失敗するにせよ、
そこから学び、前に進んでいける。
もうひとつのタイプは、
教えられるのを待っているタイプ。
このタイプの人は、
「何かいいアイデア出してくださいよ」と要求ばかりしてきます。
もちろん僕もプロとして、
できるだけ良いアイデアや実行できそうなアイデアを出すべく
努力するのですが、
果たして本当に実行する気があるのかな?
と疑問を持ってしまうこともあります。
情報ばかりを欲しがり、なかなか実行しない。
しっかり準備をしてから実行したいという気持ちも分かりますが、
実行しなければ何も始まらない。前に進まない。
そしてあっという間に1年が経ってしまうのです。
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■行動したほうが早い
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先日テレビで、
MITメディアラボ所長の伊藤穰一さんとノーベル賞の山中教授の対談を見ました。
その中で伊藤さんは、
今を生きろ、
と起業家に呼びかけていました。
現在は何かを始めようとしたとき、
昔に比べてかなり低コストで始められます。
ソフトもハードも情報も、
一昔前では考えられないくらい安く手軽に手に入れることができます。
インターネットの普及、情報端末の低価格化、3Dプリンタの登場、物流網の発達・・
モノを売るにしろ、作るにしろ、運ぶにしろ、
驚くほど低コストでコトが済む。
膨大なコストがかかるならしっかり準備をしないと失敗リスクが高まりますが、
低コストでできるなら、
準備したり勉強したりする前に始めてしまった方が早いよ、
と伊藤さんは言うのです。
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■教科書は読むな
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ノーベル賞を受賞した山中教授も同様に、
「今を生きろ」と言います。
山中教授は、専門分野の分厚い教科書は読まなくていい、と言います。
真面目な?学生は1ぺージ目から読み始めるのですが、
それを全部読もうとしたら、
何年かかるか分からない。
読み終わったころにはおじちゃんになっちゃってるかもしれない。
それよりも、行動が大事だと。
行動して、分からないことにぶち当たり、
調べる必要があったとき、初めてその教科書をめくり、
該当する部分だけを読めばいい。
そしてまた行動する。
分からなければ調べ、理解し、さらに行動する。
不確実な時代においては、
準備や勉強に時間をかけるよりも、
まず行動してみた方が正解に近づきやすい。
それが低コストでできるのであればなおさら行動してしまった方がいい。
まず走り出し、
走りながら考えるというのが、
今の時代を生き抜く基本的なスタンスになっている、
と2人の賢者は教えてくれます。
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■自分レベルの視点で
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自分レベルではどうでしょうか?
やるつもりだったのに、
いまだに始めていないことってありませんか?
もう少しきちんと準備してから始めよう。
もう少し時間ができてから始めよう。
しっかり勉強してから始めよう。
そう思って、
気がつくと数年が経ってしまったことって、
ありませんか?
僕は中小企業診断士の資格を取り、
コンサルタントとして起業したとき、
本当にうまくいくのかどうかは、
はっきり言って分かりませんでした。
うまくいくかもしれないし、
相当困難なことなのかもしれない。
いくら考えても、
準備しても、
大丈夫だといく確信は持てませんでした。
そうこうしているうちに時間だけが過ぎていきます。
だから、実験してみようと思いました。
本当にうまくいくのか、
それともダメなのか、
自ら実験してみよう、と。
そう思って、とにかくやり始めたのです。
今のところ、
実験の成果は良好です。
やってみないと分からないことが、
いろいろと分かってくるのです。
なにも安易に起業せよと言っているのではありません。
ただ、世の中1歩踏み出さないと分からないことだらけ、
というのは確かです。
そろそろ準備期間は終わりにしよう。
もう勉強も十分。
教科書を閉じて、あとは前に進む勇気。
今日もがんばりましょう。
応援しています。
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