名古屋の経営コンサルタント レイマック

豊田礼人ブログ「シンプルなことの繰り返し」

2025/07/24

僕のコンサル独立日記(3)~初めてのコンサル現場で捨て身の行動

コンサル独立日記(2)から続く。

 

 

さて、半分独立、半分サラリーマンの仕事スタイルでスタートした僕。サラリーマンの方は今まで通りの週5日分の仕事を、2.5日でこなすことになりました。ただ、もともとそんなに忙しい職場でもなかったし、やるべきことは慣れていたので、問題なく回すことができました。もちろん、職場の仲間には迷惑をかけないように、気を配りながら、上手にやっていました。こんな働き方を許してくれた社長には本当に感謝しかありません。

 

 

一方、コンサルティングの方は、初めてのことばかりだったので、顧客満足を勝ち取るため、とにかく必死でした。ヒアリングして、アイデアを出すのですが、それを実行し、成果に結びつけるところまで持っていくのは簡単ではありません。資格を持っているだけでコンサル経験ゼロの自分にとって、かなりハードルの高い任務です。

 

 

コンサル先の企業は食品関連企業で、鉄道構内の売店に商品を卸している企業です。売店からはどの商品が何個売れたかという商品販売データは取れるのですが、当時はほぼすべての客が現金で商品を買うため、「どんな人が何時に買っているのか」というデータはありませんでした。

 

 

ある商品カテゴリーでライバル社にシェアを奪われているという問題が発生していたため、そのライバル社の主力商品をどんな人が買っているのか、なぜそんなに売れているのかを把握する必要があると僕は考えました。これを把握するために、その店に前で「観察調査」をし、どんな人がいつ、どんな目的で買っているかを明らかにしてやろう、と思い立ったのです。

 

 

そこで僕は、朝から晩まで、休日と平日、あらゆる曜日・時間帯別に、当該商品をどんな人がどんな目的で買っているかを、店頭に立ってメモを取りながら観察する、ということをやりました。それは性別、年齢、仕事か旅行か、自分で食べるのかお土産用か、購入検討時間が長いか短いか、などを目視で観察し、データ化していったのです。これをのべ79時間やりました。ずーっと売店の前に立っているので、はたから見れば変な人です。でも僕は必死。不審に思われないようにと、体力のことを考慮して、1~2時間の観察時間を細切れで実施し、のべ79時間、という感じです。

 

 

今ならカードやスマホ決済から購入者の属性を集計できるでしょうが、当時はそんなことはできません。見て観察するので、年齢や目的などは主観が入ってしまいます。しかし、買う時のしぐさや視線の置き方や、他商品との比較する行動など、その場で観察しているからこそ分かる情報がたくさん得られるというメリットがありました。売れる商品と売れない商品の違いがまざまざと見えてくるのです。

 

 

この文字通り足で稼いだデータをもとに報告書をまとめ、ライバル商品が売れている理由とそれに対抗する新商品の方向性を経営陣に提示したところ、これがかなり大きなインパクトを与えることに成功しました。これでやっと、僕の存在や価値が認められ、チームの一員になれた感触がありました。

 

 

僕が提示した方向性を軸にして新商品が開発され、それを市場投入することで、ライバル商品の勢いを削ぎ、落ちていたシェアを大きく奪い返すことに成功しました。

 

 

この捨て身の行動が功を奏し、僕はコンサルタントとして初めて、達成感と充実感を得ることができたのです。続く。

 

 

コンサル独立日記(3)終わり。(1)から読む。

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