2014/12/12
第504号【お客様について語れ】
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■お米をネットで驚異的に売る人
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先日、お米のネット販売で市場を席巻する、
あだちネット美米屋(うまいや)の足立和重さんにお会いしてきました。
足立さんは、愛知県の岡崎市で祖父の時代から営業する
お米屋さんの3代目です。
お米屋を継いだとき、
客数は減少傾向にあり、
かつ、
店には莫大な借金があったそうです。
右も左も分からない中、店に入った足立さんは、
ただ「なんとかしなくては」という思いだけは持ち続け、
色んな取り組みを重ねてこられました。
紆余曲折の中、行き着いたのが、
「お米をネットで売る」というビジネス。
これによって
売上げを急激に伸ばすことに成功しました。
現在、ネット上で最もお米を売るショップの一つとして、
知る人ぞ知る存在になっています。
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■お客様を語れ
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足立さんがネットに踏み出す前、
地元でのお客様を増やすために、
毎月ニューズレターを発行していたそうです。
そのニューズレターに何を書いていたか。
「お客様について書いていた」そうです。
モノ(米)ではなく、お客様について。
このお米は、こんな風に作り、こんな風に美味しいです、
ということではなく(もちろんこれも必要ですが)、
こういうお客様が、
こんな風にうちのお米を買ってくれている、
こんな風に喜んでくれている、
こんな言葉をかけてくれた、
ということを書くのだそうです。
そうすると読んだ人は、
「このお米屋さんで買うと、こんな風にしてくれるんだ」
ということが見え、自分が買った場合のことを頭の中で描きます。
イメージが具体的に頭の中にワッと広がるんですね。
足立さんはこれを実践してお客の心をつかみ、
ネット販売につながる礎を築いていきました。
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■読者が引き付けられる理由
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店舗向けのコンサルティングで有名な、
ワクワク系マーケティングの小阪裕司先生も、
お客様について語ることの大切さを説いていらっしゃいます。
小阪先生が毎週日経MJで連載している人気コラムでは、
主に店舗ビジネスでの成功方法について、
事例を交えて解説してくれます。
その文章に僕を含めて、多くの読者が引き付けられるのは、
いつも小阪先生が店主について書いているからだと思います。
商売の成功法則などを押し付けるのではなく、
店主がどんな人で、
どんなことを、
どんなお客様に実施し、
どんなことを話し、
その結果どうなったか、
について語っているのです。
これを読むと、
店主とその顧客のやり取りが具体的にイメージでき、
自分の商売のヒントとして多くの気づきが得られます。
小阪先生は自分の顧客である店主について語ることで、
多くの読者を引き付け、
同時に自分の将来の顧客をも引き付けているのだと思います。
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■自分レベルの視点で
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自分レベルではいかがでしょうか?
皆さんは、
ホームページ、
SNS、
チラシ、
会社案内、
名刺など、
プロモーションツールを作るとき、あるいは書くとき、
そこに何を書いているでしょうか?
もちろん、
自社商品・自社サービス・自社店舗・工場のことを、
たくさん書いてあることでしょう。
では、お客様のことは?
自社とお客様とのつながりやストーリーは?
お客様が発した言葉は?
これらのことを書くと、
お客様の反応が変わります。
あ、自分に関係あることなんだ、
とイメージを膨らませてくれます。
そして、自分もこのようにされたい、
こういう風にお客と接している会社から買いたい、
と思うようになります。
毎日のお客様とのやりとりを、
うれしかったことを、
喜んでくれたことを、
少しずつ書き留めて、
発信してみてください。
絶対、何かが変わります。
応援しています。
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