2008/11/07
第186号【利回りという考え方】
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■会社の利回りとは?
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今回は数字の話を少ししてみたいと思います。
会社の財務面を分析するとき、まずチェックすることは、
「投下した資金に対して、きちんとリターンを得ているか」
ということです。投資の効率性を計るという意味で、難しい言葉でい
えば、総資本対経常利益率を最大化する、ということです。投下した
総資本に対してどれだけ利益があったか、を見る指標です。ひらたく
言えば、「利回り」ということです。
例えば1億円を使ってビジネスを行い、そこから得た利益が100万
円であったとしたら、総資本対経常利益率は1%ということになりま
す。利回り1%です。
総資本とは、他人から借りたお金(借入金など)と自分で用意したお
金(資本金など)を合計したものです。貸借対照表の一番下に表記さ
れている数字です。経常利益とは、本業での儲けを表すものです。
いくら投資して(リスクを背負って)、いくら儲かったか?
リスクに見合ったリターンを得ているか?これをしっかりと見極める
ことが大切です。
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■おばあちゃんの定期預金に負けてる?
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例えば、カフェを開いたとしましょう。そのカフェでは仕入管理をし
っかりして、売上に対する利益はそこそこ稼ぎ、儲かっているお店だ
とします。そういう店の経営者は、うちの店は利益率が高いんだ、と
自慢します。
しかし、いくら売上高に対して利益率が良かったとしても、店舗に巨
額の資金を投入したことにより、総資本が膨らんでいるとしたら、総
資本対経常利益率は悪くなります。投資に見合ったリターンが得られ
ていないということです。利回りが悪い、ということです。
店舗を建てる過程で、よりいいモノ、よりオシャレなモノにしようと
するあまり、当初の予定よりも多くの資金を注ぎ込んでしまうことは
よくあることです。それで満足のいく店舗ができ上がることはいいの
ですが、その追加投下した資金に見合うの利益を稼がなければ、利回り
は悪化します。
おしゃれな店で「結構、お客さん入っているな」と思っても、おしゃれ
な店舗にするためのお金が過剰にかかり過ぎていれば、リスクの割に
儲からないお店になってしまいます。
税理士の岡本吏郎先生が書いていましたが、もし総資本対経常利益率が、
銀行の定期預金の利率よりも悪ければ、それは銀行にお金を預けてある
だけで何もしていないおばあちゃんよりも利回りが悪いということにな
ります。
リスク背負ってビジネスしているのに、その利回りがひなたぼっこし
ているだけのおばあちゃんの定期預金の利率よりも低いなんて、なんだ
か悔しいですよね。
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■資産に「働かせる」ことが大事
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自分で創業して経営者になった場合、この「利回り」という考え方は
わりと意識されている方が多いと思います。会社を始めるときには、
ある程度の初期投資が必要で、その投資をどれくらいで回収できるか、
ということは、実体験として身についていると思います。
しかし、2代目社長やサラリーマン社長さんとなると、利回りという
発想を持っていない方もいらっしゃいます。
ある程度、ビジネスの土台が出来上がったうえで、会社を引き継ぐケ
ースが多いので、会社の資産を「当たり前にあるもの」ととらえてし
まうからだと思います。
しかし会社の建物、車、備品などの資産はすべて投下した資本が形を
変えたものであり、それらがきちんと利益を生み出していないといけ
ません。例えば、効率的に使われず、駐車場に置きっぱなしの社有車
は利益を生み出しません。こういう事態が重なると、利回りは悪化す
るばかり、となってしまいます。。
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■自分レベルの視点で
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さて、個人にとっての「利回り」とは何でしょうか。
それは、自分に投資した額に対する、生み出した成果や収入の割り合い、
ということになるのでしょうか。
例えば、本を買い、読んで、行動に移した結果、収入が増えた、とか。
つまり、費やした本代に対する収入の増加分、ということです。
また、お金を払っていろいろな人が集う交流会に参加し、そこで出会っ
た人に影響され、仕事のレベルが一段上がった、とか。
はたまた、ビジネススクールに通って、ビジネスに関する知識を増や
したことによって、お客様から信頼されるようになった、とか。
自分の利回りを上げるためには、学んだこと、思いついたことを即、
実行していくことが大切です。
本を読んで、「なるほど~」と思っても、行動に移さなかったら、成果
は出ませんので、利回りは悪化してしまいます。
スゴイ人に出会っても、「スゴイな~」と思っているだけでは、何も変わ
りません。自分に取り入れられることを、どんどん取り入れて実行して
行かなければ、投資効率は上がりません。
自分の利回りを上げるために、学んだことをすぐに実行する。そして、
良いと思ったことは、継続する。
おばあちゃんに勝つのは、案外、楽じゃないのです。
コツコツと頑張りましょうね。
(ボクもコツコツ、やります)
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