2024/06/21
第1000号 商品の絞り込みとキャッチーな看板商品がもたらす効果とは?
================= ■ケーキ屋さんとミーティング ================= 先日、 ケーキ屋さんのオーナーシェフとその奥さまとミーティングしました。 その経営者さん、 県下に2店舗経営し、 コロナ禍に比べればだいぶ回復してきたものの、 まだまだ売上が足りないとのこと。 あれこれ集客の手は打つものの、 目標に届かない。 SNSもやっているし、 看板も工夫しているし、 紙のチラシも撒いている。 でも売上につながらないのだ、と。 そんなこんなでモヤモヤしている中、 取引している銀行に紹介され、 僕に会いに来てくれたのです。 ================= ■誰もしらない看板メニュー ================= 一通りヒアリングした後、 「ところで貴店の看板商品って何ですか?」 と聞いてみました。 するとオーナーは得意気にあるフランス菓子の名前を言うのですが、 僕は知らなかった。 「それ、世の中の人って知っているんですかね?」 「・・・・」。 それで提案してみた。 まず、ケーキのラインナップが広すぎるからこれを絞ること。 ほとんどの経営者は商品点数を増やしてしまうのですが、 限りある経営資源が分散してしまってパワーが出ない。 絞って、エネルギーを集中させること。 そして皆が知っているキャッチ―なケーキを看板商品にすること。 そう伝えた後、 あれこれ3人でディスカッションし、 最近、テスト導入した「フルーツタルト」が人気だと分かりました。 じゃ、フルーツタルトを看板メニューにしてみよう、 という方向性を決め、 具体的な行動計画を立ててもらいました。 ================= ■マニアックなこだわりは一旦横に ================= 自分の腕に自信がある職人さんほど、 「すべての商品を売りたい」と思ってしまう。 このケーキ屋さんも、 パティシエとしての自信が、 ラインナップをどんどん増やし、 かつ、 誰も知らないマニアックな商品をメインにしようとしてしまっていました・・・。 しかし経営的には、 商品をある程度絞り、 皆が大好きでキャッチ―な商品を看板にした方が集客はしやすいし、 製造のオペレーションも軽くなります。 人手不足の今、 経営が効率化する商品ラインナップの構築は必須です。 職人としてのマニアックなこだわりは、一旦横に置いてください。 そして、 まずは分かりやすいメニューに特化して、 損益分岐点を超えましょう。 こだわりのマニアックな一品については、 もうちょっと後から考えましょう。 そう決めるとお二人の表情は随分明るくなりました。 やるべきことが明確になったようで、 TODOリストをメモにしたため、 「まずこれ、やってみます!」と言って帰っていきました。 ================= ■自分レベルの視点で ================= 自分レベルではいかがでしょうか? 僕たちは全部を完璧にやろうとしていないだろうか? すべての客を喜ばそうとしていないだろうか? それは理想だけど、たぶん無理だ。 自分の時間は有限だから、 全てのことを完璧にやることはできない。 小さな会社はフルラインナップで勝負しても勝ち目はない。 自分の得意なことを選び、 それを必要とするお客様を限定し、 そこに時間と資源を集中していくことで、 自分が豊かに生きる道が開けてくるのではないかと思います。 やるべきことが限定されると、 とてもスッキリします。 そして事業をやるからには、 自分のこだわりも大事だけど、 まずは利益を出すことを考えなければいけません。 利益を出して、 隣で心配顔で座っている奥さんをまずは笑顔にしないと。 その人を励ましながら、 自分にも言い聞かせていました。 選択と集中。 使い古された言葉ですが、 やはり大事です。 応援しています。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■編集後記 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ このメルマガ、今回で1000号です。 週1回配信で1000なので、 19年、ということですね。 創刊から毎週金曜日の朝8時に配信、 一度も休まなかったことは、 誇りに思います。 頑丈な自分の身体にも感謝、です。 そして毎週読んで頂いているみなさん、 時々感想を頂くみなさん、 本当にありがとうございます。 これからも粛々と続けていきます。 今後ともよろしくお願いいたします。
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