2006/07/07
第64号 ハダカのあなたは?
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■名古屋の六本木ヒルズ
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先日名古屋ローカルのニュース番組で、名古屋のある高級賃貸マンシ
ョンが紹介されているのを偶然見ました。
番組リポーターがそのマンションを紹介するときに叫んでいたキャッチ
コピーが、なんと「名古屋の六本木ヒルズ」なのでした。
確かに高級マンションではあるのですが、東京の本物に比べると明ら
かに無理があり、取材されているマンションの住民も「ちょっと言い
過ぎじゃないの・・?」という表情だったのが印象的でした。
見ている側が思わず赤面してしまうシーンなのでした。
「名古屋の六本木ヒルズ」などという聞こえの良いキャッチフレーズ
よりも、そのマンションのオリジナルな良さを丁寧に紹介すればいい
のにな・・と感じました。ま、それだとニュースとして面白くないの
でしょうが・・
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■和製タイガーってどんなタイガー?
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飛ばし屋の日本人ゴルファーを紹介するときに、「和製タイガーウッズ」
と表現するマスコミに出会いますが、当の本人はどういう気分なんでし
ょうか。
確かにタイガーウッズというブランドを使うと聞こえはいいですが、その
選手の本当の姿が見えにくくなってしまう感があります。オリジナルな
表現で自分の良さを紹介してもらいたいと思っているに違いありません。
そもそも「和製なんとか」って、褒め言葉になっているのでしょうか?
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■誇らしげな営業マン
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自分の会社がいかに素晴らしく、信頼が置けるかを説明するときに、
しきりに大企業との取引き実績を誇張する営業マンによく出会います。
確かに大企業のブランド力を借りて、その取引き実績をもとにアピール
すれば、「あ、そうなんだ。わりとすごいんだ」くらいの感想を相手に
持たせることはできるでしょう。
しかし、その面でアピールされても、なかなか興味をもつところまで
いかない場合が多いと感じます。なぜなら、大手ブランドの名前を借り
ているだけで、その会社そのものの良さや強みをきちんと説明できなけ
れば、相手の心にはなかなか響かないからです。副次的な要素なのです
ね。
小さな企業との取引きでもいいですから、その顧客企業との具体的なやり
取りやエピソードなどをしっかりと説明する方が、大企業ブランドを
並べるよりも、よっぽど説得力があるでしょう。その営業マンの実体験
であれば、なおさら迫力が増しますよね。
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■自分レベルの視点で
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経営コンサルタントの阪本啓一さんが、著書「ブランドの授業」の中
で、「プールサイドの法則」というものを紹介しています。
プールサイドで寝転がっているとき、隣に外国人がやってきて、自己
紹介する場面を想像してみてください。多くの人は自分の会社の説明
から入ると思います。
しかし、海パン一丁の男に必要なのは、どこの会社に勤めているかを
説明することではなく、「自分はどんな人間なのか」を説明することで
す。これをセルフ・ブランディングと阪本氏は呼んでいます。
お互いハダカなのですから、名刺もパンフレットも使えません。自分
自身の旗をキチンと説明しなければなりません。それなくしては、親
密な関係を築くことは難しいでしょう。
あなた自身の生のブランドの方が、無機質な企業ブランドよりも強力な
エネルギーを発散するのです。
そのエネルギーこそが、人の心を動かすのではないでしょうか。
この夏、是非プールサイドで試してみてください。
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■編集後記
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中田ヒデ選手が引退を発表しましたね。またしても意表をつかれた感じ
で、マスコミは大騒ぎです。あらためて、中田選手は自分のブランド価値
を高めるのが上手いな~と感じます。「まだ早いのでは」「もったいない」
と思われている時に身を引くからこそ、これだけの話題になるのでしょう。
彼の今後がますます楽しみですね。チキショー、カッコイイ!!
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