2014/11/07
第499号【多能工化が成長のカギ】
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■自分の持ち場以外に関心が無い
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先日、カフェ経営者と打ち合わせをしていたときのこと。
店の中をいろいろと改善してきて、
最近はランチタイムに満席になるなど、
目に見える成果が出てきています。
これはこれで嬉しいのですが、
経営者の胸のうちには新たな不満が芽生えている。
それは、スタッフが自分の持ち場以外のことに
関心が薄いということ。
具体的には厨房担当のスタッフが、
店内のお客様の様子にまったく関心が向いていない。
ホールスタッフがお客さまのサインに気がつかないとき、
厨房スタッフが気づいてさっと対応して欲しい。
その経営者はスタッフがこういう全体視点を持つことを望み、
何度も注意するのだそうですが、
なかなか改善できない、と不満顔なのです。
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■ジョブローテーション
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そこで、ジョブローテーションを提案。
たとえば、厨房スタッフとホールスタッフが、
入れ替わって仕事をしてみる。
これによって店内の見え方が変わり、
自分の持ち場以外の仕事に目が向くようになります。
「他人事」が「自分事」になる
このジョブローテーション、
大手企業では計画的に実施されますが、
中小の会社では後回しになりがちで、
あまり実施されていないことも多い。
ジョブローテーションによって、
自分の持ち場以外の仕事に目を向けられるようになれば、
会社全体(店舗なら店舗全体)が見えるようになります。
これが経営者視点や顧客視点を身につける第一歩になります。
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■多能工化で生産性アップ
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自分の持ち場以外の複数の仕事ができるようになること。
これを多能工化といいます。
もともとは工場などの生産現場で、
ひとつの工程だけではなく、
複数の工程を担当できるようにすることで、
工場全体の効率化を図ろうとしたものです。
これがホワイトカラーや店舗の仕事などにも取り入れられて、
生産性の向上に活用している企業が増えています。
そのカフェの経営者にこの話をしたところ、
かなり大きな気づきがあったようで、
すぐにジョブローテーションを導入することになりました。
さらには、その経営者が運営している別事業についても、
多能工化の必要性を強く感じ、
人材配置や事業の組み立て方を根本的に練り直してみることに
なりました。
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■自分レベルの視点で
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自分レベルではどうでしょうか?
自分は多能工化できているか?
突き詰めるべき専門があるのは当然。
これに加えて他の分野に関しても対応できるようになると、
顧客へのアピール力が強くなる。
ある本によると、
ひとつの分野で1万時間従事すると100分の1の人材になれる。
2つ目の分野でさらに1万時間を費やせば、ここでも
100分の1の人材になれる。
そうすると、
100分の1×100分の1で10000分の1の人材になる。
さらに第3の分野を極めれば、
1,000,000分の1の人材になれる・・・。
自分をどんな方向に多能工化すれば、
価値が最大化するのか。
これを考えることこそ、
まさに戦略ですね。
なんでもかんでも手を広げろということではなく、
戦略的に多能工化すること、が大事
自分の戦略をどう描くか。
応援しています。
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