2018/10/30
客が普通に求めている基準を超えているか
愛知県名古屋市で中小企業の売上アップ、やる気アップを支援する経営コンサルティング事務所、レイマックの豊田礼人です。
今回のテーマは客が普通に求めている「基準」についてです。
■ショップオーナーの嘆き
先日、あるショップのオーナーが相談に来ました。
そのオーナーは相当困っているらしく、現状の経営の苦しさ、そしてその原因を苦り切った表情で延々と語ります。
消費者のライフスタイルや好みの変化、立地の悪さ、家賃の高さ、地球温暖化、仕入れ先からの厳しい要求、雑用に時間が取られて経営の仕事が後回しになっていること・・・などなど。
色んな事情が重なって、商品が以前のように売れない、と困っている。苦しさがこちらにもビンビン伝わってきます。
さて、どうしたものか・・・。
■売れる雰囲気がない
僕はそのオーナーの店を直接見ていなかったので、オーナーの話を聴きながら、想像力を働かせました。
様々なことをやってきて、万策が尽き果て、相談に来たのだな、と。それくらい、今の状況は悪いのだな、と。本当にその業界は厳しいのだな、と。
しかし。
先日の休みの日に家族で出かけた時、たまたまそのお店の前を通りがかったのです。
そして、事実が見えた──。
その店の第一印象。
「あ、これは売れないな」
正直言って、売れる雰囲気が全く無い。入りたくなる感じもしない。
いや、入りたくない・・・。
■やるべきことをやっているか
つまり、その店は努力を重ね工夫を凝らし、万策尽き果てて、「それでも売れない気の毒な店」なのではなく、
「やるべきことをやっていないために売れなくて当然の店」だったのです。
まず看板に店名しか書いていないので、何の店か分からない。その看板も、一方向からは看板が見えるが、逆方向からは見えない。逆方向からの方が人通りが多いはずなのに。
外から店を覗いた時、店内が暗い。さらに陳列に工夫がなく、商品が素敵に見えない。
ひと言でまとめると、客が求めるお店としての「一定のレベル」に達していない。これでは苦しい。
そのオーナーさんも、客観的に自分の店を眺めることが出来れば気づくはずです。でもそれがなかなかできないのかもしれません。
しかし逆に言えば、やるべきことがたくさんあるということは、まだまだ伸びしろがあるということ。
コツコツ改善活動を積み重ねれば、経営は好転するはずです。
■自分レベルの視点で
自分レベルではいかがでしょうか?
あなたの商品、あなたのお店、または会社、そしてあなた自身。
それらを客観的に見た時、顧客が当たり前に求めている一定のレベルに達しているでしょうか?
他社との違いがアピールできているかとか、あなたの会社ならではの強みとか、ターゲットが明確になっているかとか、
もちろんこういうことも大事なのですが、大前提として、当たり前にあるべき「一定の基準」を満たしているか、がまずは重要になります。
そこに行きたいか、行きたくないか、人間はまず、動物的に反応する。理性的に考えるのはその後。
客観的に自らを振り返ってみる必要があります。
やるべきことが、まだまだ見つかるかも。
応援しています。
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2018/10/21
ある女性社長のあたたかさ
愛知県名古屋市で中小企業の売上アップ、やる気アップを支援する経営コンサルティング事務所、レイマックの豊田礼人です。
今回のテーマはある女性社長から見えた「あたたかさ」についてです。
■宿題をやってこない
先日、ある女性社長と打ち合わせました。
この方、ご主人が急逝したのを機に会社の代表に就くことに。しかし業績は悪化。なんとか立て直すための戦略について、いろいろとアイデアを出し合っています。
現状をヒアリングしながら、やるべきことを洗い出し、実行してもらうように宿題を出します。
とても明るくまじめな方なので、出された宿題には真正面から取り組み、改善に向けて少しずつ前に進んでいました。
しかし、先日会ったときは、宿題が何も進んでいません。どうしたのでしょうか?
■修学旅行に行きたくない
聞くと、息子の息子(小学6年生、本人からすると孫)と同居し、母親のように日常の世話をしている。(なぜそうしているかはいろいろ事情があるそうです)
その孫の友達であるA君が、最近登校拒否になってしまったそうです。ちょうど修学旅行の時期。A君は「行かない」と言っているそうです。
孫から相談を受けたその女性社長は、自分の幅広い人脈を駆使して、心理カウンセラーを紹介しました。その効果で、A君はすこし気持ちが前向きになったそうです。これなら修学旅行も行けるかな、と。
では今度は予行演習をしようということで、修学旅行に行く前に自宅に泊まりに来てもらったそうです。そのときもとてもいい感じで、A君は「修学旅行に行く」ということで約束したそうです。
しかし、修学旅行の当日、A君は「やっぱり行きたくない」と言い出したそうです。やはり心の問題はそんなに簡単ではないのか・・・。
■心が動かされた
そのとき孫がA君に電話し、こう言ったそうです。
「オレ、今から迎えに行くわ」
孫は、他の友達2人を引き連れてA君を迎えに行った。女性社長は自らハンドルを握り、車でA君宅と学校を回ったそうです
結局、A君は友達に励まされ、無事、修学旅行に行ったそうです。
この「孫のサポート」で忙殺され、女性社長は、僕が出した宿題がやれなかった、というわけです。
単なる言い訳。会社の業績は「待ったなし」の状態ですから。
でも、心は強烈に動かされました。この社長、宿題はやってこなかったけど、登校困難なA君を助けたんだな、と。世の中のために頑張ったんだな、と。
あたたかい人だな、と思いました。
こういう善行をしている人こそ、ビジネスでも成功してほしいと願います。いや、絶対に成功すると思います。
■自分レベルの視点で
自分レベルではいかがでしょうか?
僕たちは、世の中に対して良いことをしているでしょうか。
仕事で世の中に貢献するのは当たり前。
それ以外で、損得抜きで、他人のために、世の中のために良いことを行っているでしょうか
この世の中はバランスしています。
良いことをすれば、良いことが返ってくる。悪いことをすれば、悪いことが返ってくる。
そう信じて生きていたいですね。
自分のことだけ考えて行動している人の何と醜いことか。
肝に銘じます。
応援しています。
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2018/10/14
李さんの唐揚げ、商工会セミナー、大仏お参り、起業家インタビュー、な日々。
愛知県名古屋市で中小企業の売上アップ、やる気アップを支援する経営コンサルティング事務所、レイマックの豊田礼人です。
一週間の振り返り。
先週の日曜日は、高校の同級生たちとゴルフ。暑いくらいの陽気で、気持ちよくできました。
夜は週末チャレンジで唐揚げを作りました。名古屋の大須商店街に「李さんの唐揚げ」という人気店があって、そこの唐揚げが美味しいので、真似て作ってみました。ネットで調査すると「五香粉」というスパイスが味の決め手らしい。さっそく試したらかなり近い線で出来上がりました。
子供たちにも好評!ただ、揚げるときの小麦粉をつけるタイミングが早すぎて、やや油っぽくなってしまいました。次回カイゼンします!
さてさて、月曜日は祝日で日中はオフ。買い物に出かけた後、夜はお客様と飲みながらミーティング。もんじゃ焼き「RIKYU」に行きました。飲みながら食べながら、色々情報交換できて有意義でした。もんじゃアートで、11月の50回目のセミナーの前祝(笑)。上手にできました。
火曜日は守山商工会でセミナー講師。テーマは経営計画作成。A4一枚に経営計画をまとめる内容で、考えながら書き込みながら、2時間で完成させるというもの。参加者は真剣な方たちばかりで、充実した時間を過ごせました。こちらの商工会では11月まであと3回続きます。
水曜日、木曜日の日中は公的仕事。
木曜日夜はクライアント様で営業ミーティング。マーケティングについてお話しながら次への取り組みを決めました。業績好調で恐いくらい。気を引き締めて、サポートしていきます。
金曜日は、WEB戦略の達人であり会社社長であり、尊敬する先輩でもある方とランチミーティング。いつもめちゃくちゃ刺激になるお話を聞かせて頂き、本当に貴重な時間です。単にWEBに詳しいだけじゃなく、事業と結び付け、組織を動かし、きっちりと成果を出しているから、話の深みが半端ありません。背筋が伸びます。
そこで頂いた生ハムのペペロンチーノがめちゃ美味しくてまた感動。ごちそうさまでした。
その後名駅に移動して、美容系で成功されている女性経営者とカフェミーティング。シーナリーで2時間くらいお話聞いたり情報提供しました。
この日はシーナリーでダブルヘッダー。2時間後に別のIT系経営者とミーティング。スタートアップ間もない企業で、業界について、いろいろとお話ししました。
しかし、シーナリーはいつも混んでますね。もう少し静かだといいな~といつも思います。混み過ぎて、ガヤガヤ度がまあまあすごくて、お客様の話し声が聞きにくかったりします。
土曜日はレイマックプレスの起業家インタビューで、エグセファームの牧田社長にお話を聞きました。新卒で入った住宅会社を辞めた後、友人の会社に入ってそこを急成長させるも方向性の違いから袂を分かち、自分で現在の会社を起業されました。変わった地形や狭い土地など、希少地と呼ばれる「家が建てにくい土地」に独自のアイデアと発想で家を建てる「希少地工法」で躍進していらっしゃいます。
とても気さくに、楽しくも学び多き起業家人生をたっぷり語って頂きました。レイマックプレスの122号に掲載予定です。
昼からは美容院に髪を切りに。ひょんなことからどら焼きをお土産に持って行ったんです。
そうしたらスタッフさんたちが予想外に大喜びしてくれて、「これで今日一日がんばれます~!」と。ああこんなことで元気出してもらえるんだなーと、なんか嬉しく、逆にこちらが感謝の気持ちになりました。
その後、八事の興正寺の五重の塔を見に行き、50回目のセミナーの成功を祈願してきました。大仏さまが五重塔の前にデーンと座っていました。参道で縁日をやっていて、少しの間、ほっこりできました。
(まえからこんなのあったかな?↓)。
大仏様、今後もがんばりますので、お見守りください!!
また来週一週間、がんばります。
【11月の定例セミナー】
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第50回レイマッククラブセミナー
【テーマ】「共感の時代のコツコツ流仕事術」
【日時】2018年11月27日(火) 19時~20時45分(18時半受付開始)
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【料金】5000円(税込み)レイマッククラブ会員は2000円
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2018/10/05
【近い人に伝えよう】
愛知県名古屋市で中小企業の売上アップ、やる気アップを支援する経営コンサルティング事務所、レイマックの豊田礼人です。
今回のテーマは「近い人に伝えよう」です。
■客を呼ぶポスター
売上を増やしていくためには、まず自分に「近い人」にきちんとメッセージを伝え、存在に気づいてもらうことがとても重要です。
存在に気づかない会社や店からは買えません。
今関わっているジェラートアイス屋さんは、店の表側の壁面に、アイスの写真入りポスターを貼ったところ、売上げがグンと伸びました。
この店、今までは、シャッターが閉まっていると、何屋かが非常に分かりにくい店でした。でもシャッターが閉まっている早朝や夜間でも、店の前を人は通ります。そこで、ポスターを貼ることでジェラート屋であることをきちんと伝えたところ、お客様が増えたのです。
単純な話ですが、重要な話です。
■近いと買いやすい
「近い」ということは、お客様にとって大きなメリットです。
まず、移動する時間とコストがかからない。そして近いというだけで親近感がわく。「地元」であることは強みになりうるのです。
ネット社会で何でもネットで買える時代ですが、今、目の前にあるものが一番買いやすいことに疑いはない。
ですから、まず会社(店)の近隣の人に、自分がやっていることについて、売っているものについて、特長について、きちんと伝えることが大切です。
■既存客から売り始める
売上げを増やしたいとき、新しいお客様を獲得しなければならないということで、営業マンを飛び込み営業に走らせたり、ネットや紙で広告を打つことがよくあります。
しかし、新規顧客を獲得するには時間もコストもかかります。
ですから、まず取り組んで欲しいことは、「近い人」にアプローチすることです。「近い人」とは、すでに買っていただいているお客様のことでもあります。つまり既存のお客様です。
既存のお客様は、あなたの会社や店のことをすでに知っています。かつ、ある程度の信頼を持って頂いている可能性が高い。
こういうお客様に、新商品やまだ買って頂いてない他商品を紹介するのです。知っている会社や店であるということは大きなアドバンテージなのです。知らないところで買うよりも心理的な抵抗が少ないですから。まずこれを徹底的に実施することです。
■自分レベルの視点で
自分レベルではいかがでしょうか?
あなたは、あなたの「近い人」に対し、あなたの存在そのものを知らせているでしょうか?
あなたの特長・強み・こだわりをメッセージとして伝えているでしょうか。
伝わっているはず、と思い込んでいないでしょうか。
何年も前からあるにもかかわらず、「近所にこんな店があったんだ!」と今さら気づくことがあります。こんなに近いのだから、みんな知っているだろうと思うのは、売り手のエゴにすぎません。
近くても、ちゃんと伝えないと、伝わりません。伝わらないと、売れません。
思い込みを捨てて、近い人にしっかり伝えること。
そこに売上げが眠っています。
応援しています。
(無料メルマガ『愛される会社の法則』第598号(2016年9月30日発行)より)
※メルマガの登録はこちらから。(無料)
【11月の定例セミナー】
50回目の節目の回となるレイマック・セミナーを開催します。
今回のテーマは、
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結局成果を上げている人は、コツコツと日々の改善を積み上げた人。
でも続けることって意外と難しい。
メルマガ700週間連続、会報誌発行121ケ月連続、自主開催セミナー50回のレイマック豊田が、
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【日時】2018年11月27日(火) 19時~20時45分(18時半受付開始)
【場所】ウインクあいち 1207 名古屋市中村区名駅4-4-38
【料金】5000円(税込み)レイマッククラブ会員は2000円
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2018/09/27
ああ、事業承継問題。
日本の中小企業の「事業承継」が社会問題化しています。
経営を引き継ぐ後継者が見つからず、廃業を余儀なくされるケースも増えているそうです。
廃業が増えて企業の数が減ると国力が下がりますし、国民の働き口が減ると失業者が増え、社会が不安定になるというリスクもあります。また企業が減ると税収が減り、政府の借金問題がさらに深刻化する恐れもあるし、企業が持っている技術が伝承されず、日本の産業競争力が低下するという問題もあります。
だから、国をあげて「事業承継問題を何とかしよう!」と叫んでいるわけです。
国や自治体が出している事業承継問題対策を要約すると、
1.早めに準備せよ。
2.経営状況・課題を「見える化」せよ。
3.後継者が継ぎたくなるような会社に磨きあげよ。
4.事業承継計画を立てて、計画的に実施せよ。
ということです。
これに、株式の譲渡や資産等の譲渡・相続に絡む資金や税金の話が加わって、より複雑化していくわけです。さらに家族・親族関係の私利私欲に関わる問題が上乗せされると、事態は混迷します。
誰が会社を引き継ぐのかという「承継者」については、まず親族への承継を第一に考え、できなければ従業員への承継、あるいは第3者への会社の売却(M&A)、という選択肢が示されます。
税金のことや、M&Aのことは複雑ですが、これは必要な時に専門家に聞けば済む話です。いずれも法律に則って行われるわけですから、自社のケースを整理したうえで、しかるべき人(あるいは会社・機関)に尋ねれば、適切な解答が得られるはずです。
(但し、承継問題に絡んでひと儲けしようというコンサルタントが多数いるので、そこは注意)
私もいろいろな会社の事業承継問題に出くわして、その複雑さから様々な考え方や対処の仕方があるということは理解しました。そこから得られた結論は、
「継ぎたくなるくらい魅力的な会社か?」
ということ。
これが事業承継問題のすべてではなかろうか、と。
当たり前ですが、魅力的であれば、息子や娘などの親族、あるいは従業員も継ぎたいと思うだろうし、売却するにしても買いたいと申し出る企業も多いでしょう。一方で魅力的でない会社は、誰も継ぎたくありません。
突き詰めると事業承継問題で悩む企業の問題とは、「後継者がいない」ということではなく「継ぎたいほど魅力的じゃない」という問題なのではないでしょうか。
だから株式の譲渡や資産の承継や税金のことがどれだけクリアになろうとも、魅力的じゃない企業など誰も継ぎたきゃあない、ということです。逆に儲かっていて魅力的な会社は、事業に関わっていない親族が無理やりねじ込んでくる、という醜い問題がでてくることがあります。
借入金が多すぎるなど財務体質が悪かったり、単純に儲かっていなかったりする企業。また事業内容から、将来的な繁栄が期待できない会社。つまり、承継というリスクを負ってまでやるほど魅力的ではない、ということ。
正直、今まで相談を受けた会社で、「僕が継ぎたいくらいですよ!この会社」と思うほど魅力的な会社は少ない。結局、事業承継問題の根本的な問題はコレ、ですよね。誰が見ても継ぎたくなるほど魅力的な企業、チャレンジしてみたくなる事業、イキイキ働く社員さん、あるいは今よりさらに経済的に豊かになれる報酬・・・。
つまるところ、事業承継問題は、会社の魅力不足問題なのでは?と。
そして考える。
そもそもこのことは、事業承継時だけの問題ではなく、商売をするうえで大前提の話で、経営者が常に意識して取り組んでいかねばならない問題なのではないか、と。
なぜなら、お客様にとって魅力的であらねば商売は下降していくだろうし、人材の募集や、社員の定着・モチベーションにも大きく影響する問題です。
経営者の私利私欲だけで経営してきた会社が、顧客・社員・関係者にとって魅力的であろうはずがない。裏返せば、だからこそ、業績が伸び悩み、財務体質が悪化し、「継ぎたい人がいない」という問題にぶち当たっているのではないでしょうか。
お客様にとってはもちろん、関係者にとって魅力的な会社にするべく、今から努力しなければなりません。そういう会社は、社会においても必要とされ、永続できるのだと感じるのですが、いかがでしょうか。
とはいえ、現実として困っている会社はたくさんあります。少しでも良い形で解決することを祈ります。
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