2009/10/02
第233号【すごい人に見せかける力9】
10月22日に愛Pの勉強会を名古屋で開催します。今回のテーマは
ビジネスモデルとマーケティングです。ビジネスモデルとは、お客
さんを喜ばす仕組みです。その重要性について考えてみたいと思い
ます。その他マーケティングなど経営について重要な要素をピック
アップしてお話します。経営を考える時の切り口について整理した
い方はとても参考になる内容だと思います。
こちらから→ https://raymac.jp/ip0910.pdf
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■ 特別編の第9回目です。前号までのあらすじ
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技術レベルやサービスレベルが上がり、モノやサービスそのもので
差別化することが困難な時代になってきた。こういう時代において
は、そのモノやサービスの良さや特長などをきちんと伝える文章力
がとても重要になってくる。文章力アップのコツを探ってみよう
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■PREP(プレップ)
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文章の第一の目的は、情報を相手に正確に伝えることです。特にビ
ジネスの場で使う文章は美しく感動的である必要はありません。相
手が必要とする情報を漏れなくダブりなく簡潔に伝えることが優先
されます。
よく言われるのがPREPという方法です。これは、最初に「結論
(Point)」を述べ、その根拠となる「理由(Reason)」を
説明し、「例(Example)」を紹介することで具体化し、最後に
もう一度「結論(Point)」を繰り返して終わるというものです。
これに「方法(Method)」を加えることで行動に移しやすくする
文章表現もあります。結論を先に述べることは、スピードが重視され
るビジネスシーンでは特に重要なことです。
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■図解(要素分解)する
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PREPのように基本的な文章技術の他にも色々なノウハウがあり
ます。しかしここでは紙面の関係から専門書に譲るとして、僕なり
の分かりやすい文章の書き方について紹介したいと思います。
文章を読んで分かりづらい文章だと感じる大きな理由は、文章と文
章がつながっていないことにあります。論理が飛躍してしまってい
るのです。これはPREPとか起承転結とかそういう問題ではなく、
書くべきことの全体像が不明確であったり、書かれる構成要素間の
つながりを本人が理解しないまま書いていることが問題になります。
例えば、小売店の売上アップに関しての文章を書く場合を考えてみ
ましょう。
「小売店の売上をアップさせるためには、お客さんにたくさん来て
もらう必要があります。お客さんがたくさん来ればたくさん商品が
売れる可能性が高まります。お客さんが来なければいくら良い商品
が置いてあっても売上は上がりません。だから来店客を増やすこと
が小売店にとってはとても重要です。そして、来たお客さんにたく
さん買ってもらうために、陳列を工夫したり気持ちよい接客を行
なうことも求められます。」
さーっと読むとそれなりに読んでしまいますが、何か足りない気も
します。こういう場合、まず書きたい対象についての構造をしっか
り押さえることが必要です。例えば以下のように図解した上で書き
始めると、論理の飛躍を抑え漏れなくダブり無い文章が書けます。
(メルマガのため図解できないので、文字で表します)
要素1 売上高 = 来店客数 × 客単価
要素2 来店客数 = 新規客 + 既存客
要素3 客単価 = 商品単価 × 買上個数
「小売店の売上をアップさせるためには、いかに来店客数を増やすか、
あるいはいかに客単価を上げるかの2つについて考える必要がありま
す。(要素1)
まず来店客数を増やすために新規客を増やす方法を検討します。しかし
競争が激しい環境下では新規客を増やすことは簡単ではありません。
そこで既存客をリピーターに育て、何度でも買ってもらうように促す
努力が必要です。既存客のリピート率を上げることで来店客数を増や
すのです。(要素2)
次に客単価を上げる方法についてみてみます。客単価を上げるために
は商品単価を上げるか、買上個数を上げるかのどちらかが必要です。
商品単価を上げることは「値上げ」ですのでお客さんが離れる恐れが
あります。よって、現実的にはお客1人当たりの買上個数を上げるこ
とを検討します。商品のコーディネートやパッケージ化を提案して商
品を組み合わせて販売していくことが重要な方策となります。(要素3)」
いかがでしょうか。少々堅い感じの文章になったことは否めませんが、
具体的にどのような視点を持って考え行動すれば良いかが明確になっ
ています。
このように全体の構造を図などで明確にしておくことで、論理の飛躍の
無い納得性の高い文章を書くことが出来ます。ここをしっかり押さえた
上で、後は文章を読む対象者に合わせて表現をやわらかくしたり、書き
手の感情を織り交ぜたりしながら書いていけばよいのです。全体の構造
を把握せずにその場の勢いだけで書いてしまうと、多くの場合は支離滅
裂な内容に終わってしまいます。
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■有名作家も言っている
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分かりやすく簡潔な文章を書くことで相手に「すごい!」と思わせ
ることができれば言うことありません。しかしそのためにはやはり
訓練が必要だと思います。僕もまだまだ人を唸らせる文章を書くこ
とはできません。
しかし常日頃から文章を書くことを自分に課してきたことで、時々
人から褒めて頂くレベルには上がってきたと感じます。週一回のメ
ルマガ、週1~2回のブログ、月に一度の会報誌の執筆。これらを
地道に続けてきたことが少しずつですが実を結びつつあるのです。
文章は書き続けていれば上達する。これは僕が言ったのではなく、
多数の著作を世に送り出している人気作家の夢枕獏氏が言っていた
ことです。テレビ番組の特集で取材された氏は「10年書き続けれ
ば、誰でも文章でメシが食える」と断言していました。
本人は天才だからそう言っているのだという見方もできます。しか
し大学の講師として学生を指導している肩書きも持つ同氏がその経
験から言っているのだとしたら、我々にとっても勇気づけられる言
葉です。作家にはなれなくとも、自分達が発信すべき情報を正確に
読みやすい文章で表現するスキルを身につけることは、これからの
世の中において非常に重要なことになってきます。
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■伝わる文章を書くコツ
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1. 日常的に文章を書く
僕たちが文章を書くことを苦手に感じるのは、日常的に行なってい
ないことが大きな原因です。文才がある、無いを判断する前に、ま
ず文章を書くことに慣れることが必要です。これはトレーニングで
すので、やるかやらないかだけの問題です。
書き続ければ、上達するのだと作家の大先生も言っているわけです
ので、これを間に受けて取り組んでみるのです。人間は毎日訓練す
れば、大抵のことが上手くできるようになります。スキーのモーグ
ルという競技がありますが、あんな超人的なスポーツでも、毎日雪山
で3年間練習すれば、かなり上達するでしょう。
僕たちはやったことが無いからできないと思っているだけなのだと
思います。トレーニングですから間隔を空けずに日常的に取り組む
ことが大切です。最近はブログが隆盛ですので、日記をブログで公
開することも良いと思います。誰かに読んでもらいコメントをもら
うだけで書くことに対するモチベーションを維持することができます。
2.構成やつながりにこだわらず、とにかく書いてみる
文章を書く時、書こうとすることが上手く表現できなかったり、文
と文とのつながりや展開させていく方向などで行き詰ることがあり
ます。この局面では「やっぱり自分には才能が無いんだ」と嘆きた
くなります。
しかし、最初からスラスラと楽しくまとまりのある文章が書ける人
は天才です。我々凡人は、まとまりなどはあまり考えず、とにかく
書くことが大切です。書くことだけを重視して出来上がった文章は、
自分で読むと稚拙で恥ずかしくなるシロモノかもしれません。しか
し、ここからが勝負なのです。
僕たちは自分の文章は下手だと判断する力はあります。あるいは、
作家の書いた文章は上手いと判断する力があります。下手な文章と
上手い文章を読み分ける力があるのだとしたら、自分の文章を良い
文章へとブラッシュアップさせることは可能なはずです。だって下
手だということが理解できるんですから!
一発で上手な文章を書くことが出来なくても、客観的視点を持って
読み直すことで、どこがマズいのかが分かるようになります。この作
業を重視することで、下手な文章がグンと良くなるのです。僕も文章
を書く時は、書いている時間よりも、読み直して修正している時間の
方が圧倒的に長いです。文章は、一度書き上げてからが勝負なのです。
2. たくさんの量を書く
伝わる文章を書くためには、ポイントを整理して、伝えたいことを前
に出したり強調することが大切です。相手の感情に訴えるような自分
なりの体験や熱い思いを織り交ぜることも時には有効です。当然です
が、うそや誇張をすることはご論外ですし、誠実な態度で書くことは
最も基本的で大切なことです。
これらをおさえた上で、文章の「量」で相手を納得させることも可能
です。量で圧倒すると言っても良いかもしれません。人間は量が多い
ことで相手をすごいと思うときがあるのです。
例えば、あるビジネス書の著者が、何十冊も本を出版しているだけで、
読んだことはなくてもすごいと思うことは無いでしょうか。あるいは
営業マンが持ってきた提案書が分厚いだけで、すごいと思ってしまう
ことがありませんか。またブログの記事内容が毎日すごい量を書いて
いるだけですごいと思うことが僕たちにはあるのです。
これらについて「内容」や「品質」が良くなくてはダメだということ
は当然です。それは当然のことと分かっていても、「量」で攻められる
と圧倒されてしまうことは事実としてあると思います。ですから、質
に自信が持てない段階でも量でカバーすることは十分に可能なのです。
僕も100ページの小冊子を書いて配っていた時、その量だけを見て
「これ全部書いたんですか?すごいですね」とよく言われました。内
容を読む前にそういう評価を頂いちゃうわけです。内心、読んでから
言ってくれよと思いながら、まんざら悪い気もしません。僕はホームペ
ージも同じく、「量」を重視して作っています。ホームページに訪れる
人は、その内容はもちろんのこと情報量の豊富さを見て信頼を感じて
くれるのだと思います。
(次号に続く)
どうでしたか?面白いと思った方は下記のURLをお友達などに
転送して、メルマガ登録をして頂けるようにお薦めくださると、
大変嬉しく思います。厚かましいお願いですみません(豊田)
http://www.mag2.com/m/0000155430.html
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■編集後記
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愛Pの勉強会も4回目となりました。前回から懇親会も開催してま
す。今年も残り3ヶ月を切りましたが、来年スタートダッシュを決
めるためにも是非勉強会で経営やビジネスモデルについて考えてみ
てください。お待ちしています。 → https://raymac.jp/ip0910.pdf
(第233号終わり)
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