2009/10/03
15万円の商品を890円で売る方法
最近テレビでよく見るのがゼロ戦模型のCMです。いわゆるパートワークという商品で日本語で言うと分冊百科。
この商品はアシェット・コレクションズ・ジャパン(hachette Collections Japan)というフランスに親会社を持つ会社が出しています。
パートワークで有名なのはディアゴスティーニですね。こちらはイタリアが発祥。マルコポーロの「東方見聞録」のイタリア語訳版をパートワークとして発売した会社だそうです。
パートワークは、特定のテーマを扱った雑誌を「週刊ホニャララ」のタイトルで週刊または隔週刊として発行、創刊号から最終号までを全て揃えるとひとつの専門書が完成するというものですが、歴史は古いんですね。
創 刊号は790円とか格安にして、2回目からは定価販売する方法が主流です。ディ社の「ハーレーダビッドソン」シリーズは、創刊号890円、2号~89号 (最終号)は1790円で、トータルで158,410円です。毎週プラモデルのパーツと解説書が送られてきて、89週間で完成するそうです。根気が要りますね~。
ハーレー好きな友人がCMに惹かれて申し込んだところ、創刊号はタイヤと燃料タンクがコロリと送られてきたそうです(笑)。トータル金額を計算して一気にテンションが下がった友人はすぐに解約したそうです。
支払い方法は、月々クレジットカードからの引き落としか、銀行引き落としのいずれかです。
一括払いはダメで、月々の分割払いが原則になっているようです。
パートワーク会社としては、
①大量のCMと創刊号の価格を劇的に安くすることで購入のきっかけを作り、
(客の気持ち:興味ある内容だし、安いから試しにちょっと買ってみよう)
②月々の分割払いで経済的負担を軽減させ、
(客の気持ち:毎月の小遣いで賄えるな。飽きたら途中解約すればいいし)
③解約手続をすることの心理的煩雑さを利用して継続を維持する
(客の気持ち:飽きてきたけど、解約手続するのも面倒くさいな。もう少し様子をみよう)
という感じで、お客さんを獲得し、継続させているのだと思います。
今、 これだけパートワーク商品が溢れているのは、消費者が持つ知的好奇心の高まりと、少しずつ作り上げていくことによって得られる達成感に飢えているからで しょうか?また定年を迎えて時間とお金に余裕のある団塊世代向けの商品として支持されている面もあると思います。商品ラインナップを見てもそこを狙ってい ますよね。
このパートワークのビジネスモデル、我々のビジネスへのヒントもたくさんありそうです。
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