2009/05/01
第211号【能力を使い切れ!】
花粉症に耐え切れず、とうとう医者にいきました。処方された薬を
飲んだら快方に向かったのですが、今度は眠くて眠くて・・。どっ
ちにしても、生産性は下がります笑。
ということで、本日のメルマガをどうぞ
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■使われない能力
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A工場では、3つの工程を経て製品を完成させています。この工
場では生産性を上げるため、最新鋭のロボットを導入することにし
ました。
そのロボットは第3工程に設置され、1日に100個の製品を処理
することができます。今までの1.5倍の生産能力になったので、
工場長は満足げな表情です。
一方で、第1工程と第2工程ではそれぞれ70個ずつしか処理でき
ないままの状態です。さて、この工場では1日に何個の製品を完成
させることができるでしょうか?
答えは簡単。70個です。いくら最新鋭のロボットを導入しようと
も、その前の工程の処理スピードが変わらなければ、工場としての
生産性は変化しません。最新鋭のロボットは30個の処理能力を持
てあましたまま、そこに立ちすくむのです。
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■鉄のかたまり
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会社としての生産性を上げるためには、持っている資源を最大限に
使い切ることが重要です。高価で最新式のロボットも、動いていな
ければただの鉄のかたまりです。人間で言えば、いくら優秀な脳み
そを持った社員がいても、脳みそが止まっている時間が多ければ、宝
の持ち腐れとなってしまいます。
優良企業の例としてたびたび取上げられる米サウスウェスト航空。
この航空会社は、地方空港から地方空港へと短距離を高頻度で飛び、
以前は飛行機に乗ることのなかった普通の人の日常の足として支持
されているそうです。
これに対し他の大手航空会社は、ハブ空港からハブ空港という長距
離のドル箱路線で、一度に大勢のビジネスマンや観光客を運ぶこと
で効率的に儲けるモデルを敷いています。ハブ空港から地方空港に
いくには当然乗換えが必要で、客に不便を強いているわけですね。
サウスウェストはこの小回りできめ細かい路線戦略で他社との差別化
に成功したのですが、この戦略を成功させるためには、「バス並みの
運行頻度と運賃」が鍵となります。そのために、飛行機が「遊んで
いる」時間を限りなく少なくする必要がありました。
飛行機は、空を飛んでいる時間しか、顧客サービスに貢献しません
し、稼ぎもしません。つまり、飛行機が地上にいる時間をいかに短
くするかが、会社全体の生産性を左右する重要課題となるわけです。
(参考:経営戦略を問いなおす 三品和弘 著)
地上にいる飛行機は、ただの大きな鉄のかたまりです。
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■営業マンなのか、ただの乗客なのか
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効率的な販売活動を行いたいと思う時、販売を担当する社員が、「販
売していない時間」をいかに短くするか、が重要です。
法人営業をする会社であれば、営業マンが営業していない時間をい
かに短くするか。営業していない時間の最たるものは、移動時間です。
営業マンは何故か遠くの顧客に営業したがる傾向がありますが、そ
の移動時間は会社に何も貢献していない時間です。
いくら優秀な営業スキルを持っていても、電車に揺られている間は、
ただの乗客にすぎません。ですから、いかに拠点から近いエリアの
顧客を開拓するかが、営業部隊の生産性を上げるためには欠かせな
い視点となります。
小売店でいえば、客待ちの時間をいかに短くするかが勝負。客がい
ないのであれば、その時間を使って客を呼ぶ方策を考え、実行する。
例えば、顧客に手紙を書く。メールをする。チラシの文面を考える。
つまり明日の客待ち時間を1分でも短くするために、今日出来ること
をやる。よく暇そうにしている販売員を街で見かけますが、販売して
いない販売員は、会社にとっては何の価値も生み出さない、無用の
存在になってしまいます。
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■自分レベルの視点で
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今、自分が行なっている仕事が、顧客のために価値を生み出す仕事
になっているか?本当に生産的な仕事なのか、どうか。
経営者である自分が、モノを横から横へ移動させるような単純な仕
事に多くの時間をさいていないか?
給料の高い幹部社員が、他の一般社員でも出来るような付加価値の
低い作業に時間を使っていないか?
1人で行けば良い客先に、わざわざ大勢で出向いていないか?
あえて言うまでもありませんが、コストの高い人ほど、顧客にとっ
て付加価値の高い仕事をしなければ、会社の業績は悪化します。俺
じゃなきゃ出来ない、と抱えこむことが多い人は、それが自分のコ
ストに見合う仕事なのかを一度計算してみることをオススメします。
自分の能力が最大限発揮できる仕事により多くの時間を費やすこと。
裏返せば、自分の能力が「使われていない」時間をいかに少なくす
るか、ということです。
まだまだ、使われていない能力があると思います。是非、この連休
に自分の仕事時間の棚卸しをしてみてください。いろんなことが見
えてくると思います。
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◆今週の一冊『ビジネスマンの数字力養成講座』 小宮一慶 著
★★★☆☆(星3つ)
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経営コンサルタントである著者が、世の中に溢れている数字の読み方
を分かりやすく教えてくれます。例えば日本のGDPはいくら?とか
景気動向指数とは?とか、普段聞きなれているけど改めて質問される
と即答できないことがしっかりと理解できます。ボクもこの本をきっか
けに毎週月曜日の日経朝刊の「景気指標」を毎週チェックするように
なりました。今まではすっ飛ばしていた欄です。単純に、「日本のGD
Pは500兆円」と知っているだけで、ちょっと経済が分かった気に
なるから不思議です。是非お試しを。
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【注】評価基準
★★★★★ 赤線率50%以上 睡眠時間削っても今すぐ読むべし!
★★★★☆ 赤線率30%以上 今読んでる本が終わるやいなや即!
★★★☆☆ 赤線率10%以上 読んでおけば尚可か
★★☆☆☆ 赤線率5%以下 暇なとき話題づくりにはなるかも
★☆☆☆☆ 赤線率ほぼゼロ 立ち読みで可
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■編集後記
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ゴールデンウィークですが、仕事です。というか、1人で仕事をして
いると、休みも何も関係無くなってきますね。さて、今年も3分の
1が終わりました。目標達成に向け、進捗状況を確認しましょうね。
計画して、実行したら、振り返ることが大切です。僕は勉強会を開催
できたので、目標1個クリアです。笑。では、良い休日を。
(第211号終わり)
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