名古屋の経営コンサルタント レイマック

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豊田礼人の基本的な考え方を
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2007/02/23

第97号【専門家として見られてる?】

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■肩透かし
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「十中八九あなたにお願いします」

と、電話口でその社長はおっしゃいました。
しかし、その後、待てど暮らせど、その社長から連絡が来ることは無
かったのです・・・。

これは以前僕がおかした失敗例のひとコマです。
当時仕事がまだまだ少なかった僕は、電話をかけてきて色々と質問し
てくるその社長さんに対して、

「はいっ。大丈夫です。できますよ!」とか、

「はいっ。いつでも訪問しますよ。何なら明日にでも!」

といった風に、「仕事ほしいオーラ」を猛烈に出しながら電話に食い
ついていました。

しかし、電話口での感触は良かったはずなのに、冒頭のとおり、
悲しい結果に終わったのでした・・。

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■お願いすると、逃げられる
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何がいけなかったのでしょうか?

その社長さんは、僕の文章を読んでいる人から紹介を受け、ホームペ
ージを見て、良いと思い、電話をかけてきたと言っていました。
既にある程度の信頼感を持ったうえで、電話をしてくれたのです。

それなのに・・・何故なんだ!?

と、当時の僕は大いに悩んだのです。

しかし、今振り返れば答えは明白です。

それは、お客様を下から見上げて「お願い」してしまったからに他な
りません。

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■専門家が求められている
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僕は「先生」として、上からものを言い放つことに終始するコンサル
タントにはなりたくない、と常々思っています。同じ船の乗組員とし
ていっしょに課題に取り組むことを大事にしたいという思いで、
「クルー」と名乗っています。

しかし、仕事を依頼してくださる方の多くは、「教えてほしい」という
スタンスで接触されてきます。その時点では、僕がどう思うかは別と
して、依頼者は「専門家の先生」を求めているのだと思います。

その先生が「すぐ行きます!」とか「何でもやります!」といった風な
軽い調子で対応すると、お客様は「おや?」と不審に思うのです。

僕は今でも自分のことを先生だなんて思っていませんし、クルーであ
りたいと思っていますが、依頼する側からしたら、「すぐ来る?この先
生ヒマなのかな?ホントに大丈夫?」と思ってしまったのだと思います。

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■ブランドの2つの姿勢
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ブランドには、ブランドの姿勢がある、と阪本啓一氏は著書「ブランド
の授業」の中でおっしゃっています。

ブランドの姿勢には、

・顧客がブランドを見上げる
・ブランドが顧客を見上げる

という2つの姿勢があるそうです。ルイ・ヴィトンなどの高級ブラン
ドは、顧客がブランドを見上げる戦略です。高級車レクサスなども同
じです。一方で、消費財、つまり石鹸や洗剤などの生活必需品は基本
的にブランドが顧客を見上げる戦略になります。

前者は、高価格での販売が可能になります。後者は、多くの場合、価
格競争に巻き込まれます。

士業は基本的に前者の戦略をとらないと上手くいきません。例えば。
チラシで広告しまくる弁護士なんて、ちょっと信用できませんよね?
(法規制の問題もありますが)
「あなたのトラブル、即解決します!」とか。何か裏があるのでは、
と疑ってしまいます。

最近弁護士の先生がバラエティに良く出てらっしゃいます。敷居を低く
する、という意味では良いのかも知れませんが、弁護士という職業の
特性からみて、「正しい戦略なのかな?」と疑問に思ってしまいます。

自分のブランドがお客様にどう見られているか。このことを意識して
おくことはブランド戦略上非常に重要です。

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■自分レベルの視点で
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押せ押せの売り込みセールスマンからは、お客様は逃げようとします。
一方で、詳しい情報を持っている「専門家」には「教えてください」
と近寄ってきてくれます。

押せ押せセールスマンは、仮に契約までこぎつけても、その後に値引
きを求められたりします。一方で専門家は結果を厳しく問われますが、
値引きとは無縁です。

どうすれば、「押せ押せ」から「専門家」に変身できるのでしょうか?

それは、あなたからお客様への情報量を増やすことです。

お願いする代わりに情報を提供する。情報を提供するためには、情報
を蓄積し、整理しておく。情報を蓄積し、整理していく過程で、専門
家は育つのです。

あなたが何を売っているにしろ、どんな仕事をしているにしろ、その
モノ・サービス・仕事を通じて色々な情報を日々蓄積しているはずです。
その情報を整理していくことで、その分野での専門家になることができ
るのです。

あなたは既にたくさんの情報を持った、専門家なのではないですか?

あとは、その情報を整理して、発信するだけでいいんですよ。

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■編集後記
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今日は確定申告にいってきました。大型ショッピングセンターの駐車場
に設置された申告の特設会場は、多くの人でごった返していました。
係員の親切なおじさんの指導のもと、案外早く済ますことができました。
そして、ショッピングセンターの思惑どおりフラフラ~と店に吸い込ま
れ、予定外のお金を使ってしまいました。あの特設会場の場所代って、
きっと無料なんでしょうね。集客効果は絶大で、多くの人はついでに買
い物していくでしょうから。逆にお金もらっていたりして?
それは無いか・・?

(第97号終わり)

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