2007/10/05
第129号【コンピレーション】
今年も残り3ヶ月を切り、なんとなく焦る気持ちを抑えながら、「目
の前の仕事に集中しなきゃ!」と自分にハッパをかけている豊田礼人
です。皆さんは今年の目標達成できそうですか?
(実際できるかどうかは、問題じゃない!とにかくやってみよう!)
ではでは、本日のメルマガをどうぞ!
(連続129週間、無休で発行しています!まだまだイケる!)
◎ブログ書いています。↓↓↓
ブログ『サンボー豊田礼人の散歩 a GO!GO!』
http://raymac2.exblog.jp/
◎ホームページへも、是非。↓↓↓
公式サイト
『◎売上増加のキーワードは、整理整頓です
~戦略を立てるのは、その後で~』
https://www.raymac.jp
===============================
■亀山ブランドはブラックボックス
===============================
亀山ブランドで有名なシャープの液晶パネル工場。ここでは、オペレー
ターの服に大きなゼッケンが付けられ、担当部署から不用意に離れて
余計なところにいないか監視カメラがゼッケンの数字をチェックして
いるそうです。(ちょっと恐いです)
このことからも伺い知れますが、シャープの基本的な製造戦略は完全な
ブラックボックス化されているそうです。製造技術やノウハウが競争相
手に渡らないよう外部への情報漏えいを遮断し、オペレータであろうと
納入業者であろうと工場内での人間の不自然な動きに神経をとがらせて
いるそうです。
同社は完全な秘密主義のもと、有力部材メーカーとともに垂直一貫生産
体制をつくり、これが亀山ブランドの液晶テレビの競争力を高めている、
ということなのです。
===============================
■組み合わせて高収益を達成
===============================
このシャープの戦略と対極にあるのが、iPodでブレイクしたアップル
です。同社は、製品の企画やマーケティングは自社で行ないますが、
それ以外の生産はすべて外部の製造専門企業へ委託しているそうです。
部品もほとんど外部から購入し、水平分業を徹底的に利用しています。
アップルは、他社のノウハウを上手く組み合わせ、画期的な商品を企画
し、飛び切りのデザインと広告戦略でiPodを爆発的に売ることに成功
しました。一方のシャープは、完全な自前主義のもと、秘密裏に技術を
磨き、高性能の液晶テレビで業績を伸ばしています。
どちらが良いかは、一概には言えません。しかし特筆すべきことは、ア
ップル製の商品の粗利益率が思いのほかいいということです。外部に委
託することで、自社が生む付加価値が少なくなるのではと言う懸念をよ
そに、アップルの多機能携帯端末iPhoneは粗利益率が55%もあ
るそうです。(2007年9月3日付 の日経新聞より)
これには驚きましたね。これだけあれば、苦労して垂直一貫体制をと
らなくても良いのでは?と思ってしまいます。(そう思うのはボクだけか!?)
===============================
■コンピレーションという発想
===============================
「組み合わせ」がもたらす効果について、もう一つ例を挙げましょう。
エイベックスの創業者である松浦社長は、もともと貸しレコード屋で
アルバイトをしていたそうです。音楽が大好きで、特にダンスミュー
ジックに非常に詳しかったそうです。その知識を活かして海外の良い
レコードを買い付け、日本で販売する事業にシフトしていったそうです。
しかし、それら海外のレコードの問題点は、1枚につき松浦社長がいい曲
だと思う曲は、1曲かせいぜい2曲しかない、という点でした。それだったら
自分がいいと思う曲だけを集めてアルバムを作れば、すごくイイモノが
できるはずだ!と思い、「コンピレーション・アルバム」を制作したそう
です。
これが大ヒットし、会社は大いに業績を伸ばしたそうです。
【compilation】とは、【編集する】という意味です。
松浦社長は、売れるレコードのポイントを明確に分かっていて、かつ本当
にいい曲を聞き分ける「耳」を持っていたため、それらを編集することで
絶対に売れるレコードが作れるという確信を持っていたのです。
その後も、小室哲哉氏というプロデューサーや作曲家、アーティスト
たちを、「売れる」視点で編集し、もとは小さなレコード屋だったエイベッ
クスを上場させるまでの大企業へと育てあげたのです。
松浦氏もまた、アップルと同様に、企画やマーケティングを重視し、
売れるために必要なパーツを上手く組み合わせることで大きな成果を
収めたのだと思います。
===============================
■自分レベルの視点で
===============================
さて、自分レベルではどうでしょう?
ナポレオン・ヒル博士は、
「まだ成功していない人にとっては、想像力を発揮して練りだしたア
イデアよりも、専門知識の方が簡単に身につけることができます。
だから、(専門知識という)他人のアイデアを活用して想像力を働かせ
る人が世間では求められている」
といっています。
つまり、ゼロからウンウン唸って新しいものを発想することはなかな
か難しいので、他人が考え出したアイデアを上手く組み合わせ、そこ
から自分なりのオリジナルなものを生み出していった方が簡単ですよ、
と言っているのです。
他人のアイデアをあなたなりのセンスで編集してみれば?ということ
なのです。
ボクが行なっている仕事のベースとなっているものも、マーケティング
とか、会計とか、組織論とか、過去何十年にも渡って研究されてきた
専門知識です。(しかも教えてる先生がすごく古かったりする!)
それらの枠組みを学んだあとは、自分の経験とか、オリジナルなセンス
でもって味付けしたり、噛み砕いたりして、より分かりやすくして、
クライアントに提供しています。
つまり、編集して、売れるようにしているのです。
さてさてあなたは、シャープのように全て自前で揃え、完璧な体制を
構築して勝負するか、アップルや松浦社長のように、自己のセンスを
もとに「編集して」勝負するか。
どちらがいいかは一概に言えませんが・・・よーく考えてみましょう。
(よーく考えてみたら、もう一回考えてみよう)
ボクも寝る前に、もう一回考えてみます。
===============================
■今週の一冊 『なぜエグゼクティブはゴルフをするのか』
パコ・ムーロ 著
===============================
パコ・ムーロというかわいい名前の著者は、スペインの大手コンサル
ティング会社の会長です。中身は13話の短編に分かれており、タイ
トルの「なぜエグゼクティブは~」はその中の一つのお話です。です
から、特にゴルフに興味の無い方でも十分楽しめる内容です。
「ゴルフも仕事もいかに目的地に上手く運ぶかが肝心である」という
風に、ビジネス上の課題や問題点を、一般社会や童話の世界の話に例え、
面白おかしく、時に切なく解説してくれます。
ボクが一番気になったのは、カバーのイラストで、「どっかで見たこ
とあるタッチだな~」と自分の本棚を探ってみたら、「金持ち父さん」
と同じイラストレーターで、長崎訓子さんという方でした。
こういう発見すると、意味もなく一人で興奮してしまいます。
興味のある方はこちらから↓
https://www.raymac.jp
===============================
■編集後記
===============================
また3連休がやってきますね。といってもボクにはあまり関係ありま
せんが・・。秋めいた涼しい風も吹き始め、気持ちのいい季節になっ
てきました・・と思ったら油断して風邪を引いてしまいましたよ。学
習しない自分に少々がっかりしてます。皆さんも風邪に気をつけて・・
よい連休をお過ごしくださいね。では、また来週~。
(第129号終わり)
メールマガジンmail magazine
最近のメルマガentries
コンサルプランconsulting plan
情報発信information