2012/07/20
第379号【専門店の弱点】
◎今週のメルマガ【専門店の弱点】
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■ウナギ屋さんが廃業していく
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ウナギが高騰しています。
高騰の理由は養殖に使う稚魚が3季連続で不良だったためだそうで
すが、実はそれだけではないそうです。
ウナギの流通のほとんどは、セリを通さず、養殖業者とウナギ専門
店が直接取引するそうです。その養殖業者は法人化しており、個人
経営が大半をしめるウナギ専門店に対して強い価格交渉力を持って
います。
ゆえに、ウナギ店は養殖業者の言い値で買わざるを得ない。しかも
ウナギ専門店だけに、ウナギ以外のメニューで急場をしのぐことも
できない。だからウナギ専門店は、高くてもウナギを仕入れざるを
得ないのです。
しかし高騰を理由に客は離れており、経営はすこぶる苦しい。最近
は廃業する老舗店も出始めているそうです。
(日経2012年7月14日朝刊より)
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■かつての吉野家も・・
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専門店は、専門店だけに、主たる商品が何らかの理由で販売不振に
陥ると、たちまち苦境に立たされることになります。
これ、かつての吉野家と同じですね。
牛丼専門店であるのに、BSE問題で牛肉を仕入れられない。
それまで超優良企業だった同社がたちまち追い込まれ、業績は急降
下。あの時は本当にビックリしました。吉野家のあの徹底して牛丼
にこだわるスタイルがもう見られないのか、と悲しくもなりました。
その後、メニューの幅を広げるなどして盛り返しつつありますが、
残念ながらかつてほどの勢いはありません。
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■専門家すぎると、危ない?
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「何でもできます」は「何もできない」と同じこと。だから、何かひ
とつをとことん突き詰め、その道のプロになれ、と世の中では言われ
ています。
「専門家」や「専門店」と名乗るだけで、本人たちの実力に関係なく、
「何でも屋」よりも実力があると思われやすいのは確か。
しかし、専門的にある方向へ絞った場合、その分野や商品が何らか
の理由で売れなくなったとき、大打撃を受ける恐れがあります。
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■自分レベルの視点で
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自分レベルではどうでしょうか?
自分レベルでも、「何でも屋」ではなく、「専門家」になろうという
ことは、基本的なビジネスマンのあり方として浸透しています。
なぜなら、何でも屋では、マーケティングが効きにくい。集客もし
づらい。ゆえに、仕事がとれない。
だからといって、ウナギ屋や吉野家のように、「専門バカ」になりす
ぎると、思わぬ窮地に追い込まれる場合がある。
このバランスをどう取るか。それを考えることが長期戦略を立てる
ということです。
ウナギ屋さんの廃業を見るにつけ、「専門家」のリスク分散について
色々と考えなくてはいけない、と感じます。
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■編集後記
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名古屋はとんでもなく暑いです。さすがにエアコン無しでは仕事が
できなくなりました。でも、あまり冷やしすぎず、節電しながら頑張っ
てます^^。
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