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豊田礼人の基本的な考え方を
書いているメルマガです

2010/07/16

第274号 【下請は思考を奪う】

今年はたくさん雨が降る梅雨でしたね。振りすぎて大変なところも
あるようです。心配ですね。

(連続274週間、無休で発行しています。3連休はどうします?)

★特別編集の無料レポート「愛される会社への道」(A4版14頁)
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■儲かってはいるのですが・・・。
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先日、ある住関連サービス会社へコンサルティングに入りました。
社長さんから、決算書を見せてもらうと、これが驚くほど儲けてい
らっしゃいます。

すごいですねといいながら興味津々でお話を聞くと、ある時期から
大手企業との取引が始まり、それ以来安定的に仕事がもらえるよう
になったことが分かりました。

しかし、売上の9割5分をその大手企業に依存している状況で、
長期的には非常に危ない。それは社長本人も認識しているものの、
目の前の仕事がとんでもなく忙しく、新規顧客の開拓している時
間がない!と言うのです。

大手企業からの下請業務が決まってから業績が飛躍的に伸びてきた
きたのは事実。それでしっかり儲けている。これはOK。しかし
その業務に忙殺されて顧客分散化への取り組みが遅れると、将来的
なリスクは高まります。

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■下請けが長いと、社員が工夫しなくなる
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社員2600名を率いる森松工業の松久社長は、著書『出社は月に3
日でいい』の中で、

「下請は絶対にしない」

と言ってはばかりません。

創業期でノドから手が出るほど仕事が欲しかった時でも下請仕事は
断固として拒否。中国進出時も大手商社経由の取引きではなく、あ
くまでもユーザー企業との直接取引にこだわったそうです。

直接取引をすることは高い利益率を確保できるというメリットがある
反面、営業力を強化しなければ契約獲得もままなりません。

それでも松久社長が直接取引にこだわったのは、下請け取引に依存
すると、社員が「考えない社員」になってしまうのではないか、と
恐れたからだそうです。

直接取引を勝ち取るためには、商品に、サービスに、営業方法に、
全てに渡って創意工夫が求められます。このプロセスを経て社員は
成長し、会社は強くなるのです。

このプロセスを省略してしまう下請取引は会社をダメにしてしまう
と松久社長は思ったのだそうです。

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■目の前のことと将来のためのこと
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2割の顧客で8割の売上をカバーするという、パレートの法則と
呼ばれるものがあります。

しかしこれ、逆に言えば、その2割の顧客を失えば、8割の売上も
失う、ということです。顧客数が多い企業であれば別ですが、顧客
数が数社しかない会社では、この構成はとっても危険です。

なるべく顧客は分散させて、一部の会社との取引が急激に減ったと
しても、経営が揺らがないようにしておくことが重要です。

経験で言えば、どんなに大きな売上を依存している顧客でも、全体
の20%以下にしておくことが理想的だと思います。

そのためには、目の前の仕事をやりながらも、将来の顧客を開拓する
ための地道な種まきを、日頃から継続的に行なっていくことが重要で
す。

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■自分レベルの視点で
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自分レベルではどうでしょうか?

私自身も、以前ある中堅企業に売上の40%超を依存している時期が
ありました。

しかしリーマンショックでその企業の業績が急激に落ち込み、僕と
の契約も急遽打ち切られることになりました。

3年ほど継続的に契約し、コンサルの成果も出ていたので非常に残
念だったのですが、それ以上に売上が40%減るという事態が僕に
重くのしかかりました。

ピンチはある日突然やってくる、ということを思い知った苦い経験
ですね。

それ以後は、なるべく顧客を分散し、1社に偏りすぎない売上構成
を心がけています。

加えて、今日の仕事だけでなく、3年後に向けた種まきもしっかり
やることを心がけています。

このメルマガもその活動の一部を担っているのです。

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■編集後記
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レイマックプレスの7月号が出来上がり、順次発送に移っています。
月315円で購読できるサービスも新たに始まっていますので、興味
のある方は是非資料請求してくださいね。(レイマックプレスを購読
するためには愛される会社プロジェクトに入会する必要があります)
こちらから→ https://raymac.jp/aip

(第274号終わり)

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