2006/12/29
第89号【朱に交わる?】
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■ヒゲをそれ
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彼はトレードマークだったヒゲをきれいにそり落としました。
日本ハムファイターズから読売巨人軍に移籍した小笠原選手のことで
す。
規律としてヒゲを禁止していた巨人軍に入団するに当たって、小笠原
選手がどういう対応をとるか注目されていましたが、「大人の対応」を
とった形になりました。
ファンとしては、バット一本で勝負しているプロの野球人が、オー
ナーの意向になびいてしまうことに少し寂しい気がします。しかし外
野の声をシャットアウトして、野球に集中できる環境を作った小笠原選
手の対応もまた、プロの判断と言えるでしょう。
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■髪を切れ
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阪神タイガースからニューヨークヤンキースに移籍する井川選手は、
禁止されている「長髪」姿で報道陣の前に登場したことで、ちょっと
した騒ぎになりました。
本人に深い意図はないようなので、そのうち切るのかもしれませんが、
この騒動にちょっと意外な感じを受けたのは私だけでしょうか。
自由の国アメリカで、長髪禁止・ヒゲ禁止という規律がヤンキース
にはあるのだそうです。とっても意外でした。アメリカでは、そうい
う個人の「スタイル」には、寛容であると勝手に思っていた私の勉強
不足、認識不足ですが、陽気で自由なアメリカでも、いろいろと外見
に関してはウルサイ人がいるのですね。
日本では、高校生でも平気で茶髪にピアスが普通に行われている惨状
ですが、ヤンキースのオーナーが選手に強いるような「規律」をもう
一度見直してみる必要あるのかもしれません。
「オレが嫌だからやめろといったらやめろ。」と言い切る大人が少なく
なっている今の日本です。
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■ネクタイをしめる時
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Tシャツ姿で仕事をし、マスコミにもその姿で登場するホリエモンに対
しては、各方面から賛否両論が沸き起こりました。
仕事は中身で評価すべきであって、髪形や服装で判断すべきでない、
という若者を中心とした意見と、いやいや目上の人と交渉する際には
ネクタイをするのが礼儀だとする年配者からの意見が飛び交いました。
その論議のなかで必ず引き合いに出されるのが楽天の三木谷社長で、
彼は普段はノーネクタイですが、目上に人に会うときや、フォーマルな
場所ではネクタイを締めており、そのあたりがホリエモンにはないし
たたかさだ、というのがマスコミの論調でした。
確かにそのとおりかもしれませんが、なんだかずる賢い印象が三木谷
さんにはあって、それよりも一貫してTシャツ姿のホリエモンの方が
わかりやすいし、一貫性があるな~と個人的には感じていました。
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■媚びたのか?
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ところが、逮捕後に裁判所に出廷する際のホリエモンは常にネクタイ
をしめており、「自分はしらなかった」作戦で難局を切り抜けようと
しています。
「相手やシチュエーションによって自分のスタイルを変えない」という
一貫性のあるスタンスを捨て、ある意味「媚びた」感じを受ける彼のネ
クタイ姿には一抹の寂しさを感じます。
結局、ポリシーも理念もない人なのかな、という気がしてしまうので
すね。
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■自分レベルの視点で
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ブランドには一貫性が無いとだめなことは百も承知です。
お客さんに約束すべきことを明確にし、それを維持していくために、
あらゆる企業活動を統制し、一貫性のあるイメージを演出していかなけ
れば、ブランドとして認めてもらえません。
しかし、企業活動を続けていくと、色々なしがらみや圧力によって、
自社やブランドのポリシーを曲げなくてならない局面に出くわします。
そのとき、その圧力に屈してポリシーを曲げるのか、あるいは突っぱ
ねるのかの判断が、ブランドが強くなるのか否かの分岐点になります。
自分の決めたスタイルを貫くのか、それとも「朱に交われば赤くなれ」
の精神で従ってしまうのか。
ヒゲがイヤだというオーナーのもとではヒゲを剃ってみせるのもプロ
の判断であるし、
長髪はダメだといわれても。「仕事の品質に関係ない」と突っぱねるの
もまた、プロとして理解できます。
要は、「自分は何を大事にしてこの仕事をしていくのか」を明確にし
ておくことが問われるのです。
他人に言われたから受動的に動くのではなく、自分の意思で能動的に
行動できるかどうかが勝負です。
ホリエモンには最後までTシャツで戦って欲しかったです。
今更裁判官に媚びてもかっこ悪くないですか?
そして、井川選手には、髪をなびかせて大リーガーたちをバッタバッタ
と三振に討ち取る活躍を期待したいものです。
自分を貫いたときに、ブランドは本当のブランドになるのですから。
今後の井川選手に注目です。
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■編集後記
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今年最後のメルマガです。52週間一度も休むことなく続けることが
できました。これも読者の皆様の励ましと、丈夫な体に生んでくれた
両親のおかげだと思っています。今年は色々と変化の年で、めちゃく
ちゃ楽しい一年でした。来年はもっと楽しい一年になるように頑張って
いこうと思っています。皆さんはどんな一年にしたいですか?是非飛
躍の年にしましょうよ!応援していますから!それでは、また来年も
よろしくお願いします。良いお年をお迎えください。
(第88号終わり)
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