2009/03/13
第204号【市場はあるか?】
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コンサル先のカフェで、「ハムサンド」を「ハムトーストサンド」に
変えて50円値上げしたら、ガンガン売れ出しました。色んなこと
を変えてみると、不況脱出のヒントが見つかるかも、ですね。
ということで、本日のメルマガをどうぞ
(連続204週間、無休で発行しています!サンドイッチはトースト
が好き)
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■王将が狙うスキマとは?
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「餃子の王将」の王将フードサービスは、2009年度3月期の連
結純利益が前期比19%増の32億円になると発表しました。従来
予想よりも3億円ほど上ブレしたそうです。
景気低迷で外食産業も冷え込んでいる中でのこの業績、すごいです。
その背景には、客単価が功を奏しているのだとか。
餃子の王将の客単価は850円前後。これは、ファミリーレストラ
ンと、牛丼などファストフードとのほぼ中間に位置します。ファス
トフードでは物足りない家族連れや学生などに、その手ごろな価格
が受けているのだとか。
5月にギョーザを値上げしたにも関わらず客足は衰えず、見事増益
を果たした王将。ファミレスとファストフードの間に隠れていた
「一人850円ならいいか」という客層をしっかりと取り込むこと
に成功しています。
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■R25が狙った空白地帯
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関東圏で毎週55万部を発行するフリーマガジン、R25。
このフリーマガジンは2004年の創刊ですが、企画を立てたのは
リクルートに入社して間もない2人の若手社員だったとか。
企画の段階で狙った層はM1層と呼ばれる20歳~34歳の男性。
その後、特に25歳男性を強く意識した内容にシフトしていったそ
うです。
なぜこの層を狙ったのか、についての理由が明確で痛快。
それは、「この層が空いていたから」。
M1層の人たちは活字を読まない層で、ここを狙った雑誌はことご
とく失敗するというのが業界の常識だったとか。だから、ぽっかり
そこが空いていた。だったらその層を納得させられる雑誌を作れば、
「総取りじゃないか!」という発想だったそうです。
空いてるから、そこを狙う。とってもシンプルかつ、ハッとさせら
れるユニークなエピソードですね。
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■小さな会社は、徐々に徐々に。
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だからといって、このR25の戦略を我々中小企業や起業家が安易
に採用すると失敗する可能性があります。
「空いている」ということは、そこには市場が全く無い恐れがあり
ます。そこにあえて参入して新たに市場を作ることは、資金力が無
い会社や個人にとっては非常に困難な作業になります。
もちろん空いているところに入って市場を作り上げれば、総取りで
きる可能があります。これ、ブルーオーシャン戦略と呼ばれます。
でも、資金力と人材が豊富なリクルートのような大企業だからこそ、
成功させられる戦略でもあるのです。
資金が限られる企業が新規事業を始めるときは、まずはニッチでも
良いので既に市場があるところに参入し、そこでキャッシュを得
ながらビジネスモデルを磨き上げ、差別化を図りながら徐々に拡大
していくことが大切です。
ゼロを1にするのは、時間も体力も使います。それが整わない段階
で、一気に総取りを狙う戦略は、あまりオススメできません。
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■自分レベルの視点で
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さて、自分レベルではどうでしょうか?
起業したい、と考えている人のお話を伺うと、「誰もやっていない
新しいサービス」を狙おうとしている人が意外に多い気がします。
誰もやっていないサービスであれば、差別化ができているはずだか
ら、お客さんが寄ってくるだろうと考えるのです。
しかし誰もやっていないサービスとは、実は誰も欲しくないサービ
スである可能性もあります。そこには、全く市場が無いかもしれな
いのです。
ですから、会社で新規事業を始める時や起業を考える時は、そこに
ライバルがいるかどうかを確認することから始めるべきです。ライ
バルがいるとしたら、そこには何らかの市場があるはずなので、あ
とはそのライバルとの差別化方法を考えていけばいいのです。
誰もやっていない画期的な商品、あるいはサービス。
聞こえはいいですが、ボクらが手をつけるには、慎重な態度が必要
なシロモノなのです。
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■編集後記
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愛される会社プロジェクトの公式会報誌レイマックプレスは、自転車
で10分くらいのところにあるプリントセンターで印刷しています。
その会社、いついっても暇そうなので、ある日突然無くならないか、
とちょっと心配しています。無くなると困るから、なんとか頑張って
欲しいです。
(第204号終わり)
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