2012/12/14
第400号【顧客接点は自前主義で】
◎今週のメルマガ 【顧客接点は自前主義で】 ============================== ■ジャパネットのこだわり ============================== テレビ通販のジャパネットたかたの特徴は、社長のあの甲高い声と 「自前主義」だそうです。 商品開発(調達)→販売戦略の立案→通販番組などでの商品紹介 →コールセンターでの注文受付→商品発送→アフターサービス という通販に必要な業務をすべてグループ内で完結しているのだとか。 この自前主義を貫く理由は、 1. 変化に素早く対応するため 2.顧客に誠意を示すため の2つなのだそうです。 前者については、外部にアウトソーシングするよりも、 内製化した方がノウハウが社内に残りやすく、 変化への対応力が増すというのが高田社長の考えです。 また2に関しては、顧客との関係性を重視し、 心のこもったサービスをするためには自前でなければ実現できない。 高田社長は、リッツカールトンホテルの高いサービスが 自前主義から生まれていることを引き合いに出して、 その重要性を強調しています。 これには深く同意します。 ============================== ■スタバの心地よさも「自前主義」から生まれている ============================== ジャパネットやリッツカールトンの他にも、 自前主義で高いサービスを提供している会社はたくさんあります。 例えば、スターバックス。 スターバックスと言えば、落ち着いた店内と、 丁寧できめ細かい接客サービスが思い浮かびます。 あの落ち着きと心地よい接客の実現には、 自前主義であることが深く関係しています。 多くの飲食店は成功モデルが出来上がると、フランチャイズ展開します。 自らが本部(フランチャイザー)となってノウハウを提供し、 他人(フランチャイジー)の資本を活用して設備投資をし、 素早く多店舗展開しようとするのです。 その方が低リスクでスピーディに成長できる、と考えるからなんですね。 しかしスタバは、フランチャイズは活用せず、直営店にこだわっています。 なぜなら、フランチャイズ化すると、 オーナー(フランチャイジー)は早く資金を回収しようとするあまり、 回転率重視の経営をしたがります。 また、客単価を上げるためにフードメニューを強化したがります。 これが、スタバの特長である落ち着いた雰囲気を壊します。 また、隅々まで行き届いた接客を徹底させるためには、 自社で人を採用し、自社で教育した方が望ましいことは容易に想像できます。 他社(フランチャイジー)が採用した社員を、他社の就業規則の下で教育し、 望むレベルの接客スキルとマインドを身に着けさせるのは、かなり困難です。 これが、スタバが自前主義にこだわっている理由です。 ============================== ■顧客との接点は効率化しないこと ============================== 会社の利益を増やすためにはコストをコントロールする必要があります。 そのために「効率化」が重要であることはいうまでもありません。 しかし、顧客と接する部分を効率化すると、顧客満足は下がります。 良い例がコールセンター。 人件費を抑制(効率化)するために 自動応答のシステムを導入している企業は多いですが、 客側がイライラさせられることは少なくありません。 また、実際に会って言うべきこと(せめて電話で言うべきこと)を メールで終わらせようとする人や会社も増えています。 これも本当にガッカリさせられます。 会社やお店のバックヤード(裏方)はどんどん効率化すべきですが、 顧客とのコミュニケーションを効率化してしまうと、 お客様は間違いなく離れていくことを、我々はもっと認識すべきだと思います。 ============================== ■自分レベルの視点で ============================== さて、自分レベルではどうでしょうか? 以前、僕ががっかりした例は、こんな感じです。 ある会社に、あるモノを発注しました。 その会社には知り合いの人がいて、 その人を通じてお仕事をお願いしました。信頼できる人だと思ったからです。 しかし、待てど暮らせど納品の連絡が来ないし、進捗状況も分からない。 仕方がないので、「どんな感じですか?」とメールを打ってみました。 すると、その知り合いからではなく、 仕事を実際行っている(と思われる)人からメールが来て、回答をもらいました。 その知り合いは、その人に、問い合わせ対応を「振った」んですね。 こういう対応って、少し残念に思います。 進捗が確認できたので僕の用は満たされたのですが、 大事にされている印象は受けません。 顧客対応の効率化による弊害だと思います。 絶対に自前主義にしたいこと、それは顧客とのコミュニケーションです。 僕たちは時間や仕事に追われるあまり、 知らないうちに顧客とのコミュニケーションを効率化していないでしょうか? 一度、振り返ってみてくださいね。 何か気づくことがあるかもしれません。 応援しています。 ============================== ■編集後記 ============================== 今回でこのメルマガも400号。約8年間続いております。その間、 一度も休むことなく、延期することなく発行してきました。我なが らよく続けてこれたな、と思います。これもひとえに読んでくださ る皆様のおかげですね。本当に、励みになっています。ありがとう ございます。また感想なんかもお聞かせくださいね。次は500号を 目指します。今後ともよろしくお願いします♪
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