2010/01/15
第248号【多能工化の威力とは?】
【多能工の威力とは?】
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■多能工化のメリット
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多能工化とは、工場の作業員などの能力を複数の業務に対応できる
ように訓練し、向上させることです。
例えば、ネジを締めることしかできなかった作業員を、溶接や切削
もできるようにすること、などです。
これによって、新たな人員を雇うことなく仕事量が多い工程に、手が空
いた人員を投入できるようになります。
溶接工程が忙しい時間帯には、手の空いているネジ締め要員を移動
させ、ネジ締め工程が忙しい時には、暇な切削要員を移動させる、
ということが可能になるわけです。
一人で何役もこなすことで、全体の人件費を抑えることが可能とな
るのです。
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■旅館の社員も多能工化できる
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星野リゾートが運営する高級旅館「星のや」でも社員の多能工化に
取り組んでいるそうです。
伝統的な日本旅館では、フロント係や食堂係など職場が固定される
のが一般的で、忙しい時間帯はパートタイマーを入れて対応します。
星野リゾートでは、1人の社員が食堂での接客、フロント業務、車で
の送迎、清掃作業などを時間によって持ち場を変えて行うそうです。
つまり多能工化。
これにより、忙しい場所に人が集中配備され、パートタイマーを雇
わずに運営がスムーズに行われ、人件費の節約を実現しているので
す。
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■ JAL再建のポイント
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単能工であることに固執し、「それは私の仕事ではない」とばかりに
利用者をたらいまわしにする仕事の仕方を「お役所仕事」といいます。
再建問題で揺れるJALですが、再建の過程で懸念されるのは、部
門ごとの縦割り意識が強い「お役所的」な企業文化をどうやって変
えていくか、ということだそうです。
部門を越えて、社員それぞれを多能工化し経営効率を上げていくこ
とが、JAL再建の鍵となる。
まず、頭の中を「多能工化」するだけで大きな意識改革が起こるか
もしれません。つまり、他部門の身になって考え、全体最適を図る
ということです。
それが回りまわって顧客満足につながりますからね。
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■自分レベルの視点で
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さて、自分レベルではどうでしょう?
ある能力を高め、その道のスペシャリストになることは重要です。
しかし、そこに固執しすぎて、他の仕事を全て拒否してしまうと、
全体的な効率が落ちてしまうことがあります。
僕はマーケティング面でのコンサルをメインにしていますが、労務
問題や法律のことについても相談されることがよくあります。
「それは僕の専門外です」と断ることは可能ですが、クライアント
の発展という視点で考えると、僕が調べられることを調べて迅速に
対処した方が効率的に決まっています。それ以上の専門的なことが
必要な場合は、あらためて時間をとって専門家に相談すればよいわ
けですから。
クライアントの効率をあげるためには、自分がある程度多能工化す
ることが必要です。それにより、クライアントの思わぬ悩みや本音を知
る機会に出会えることもありますからね。
星のやも社員の多能工化で顧客との接触回数が増え、コミュニケー
ションが密になり、接客改善につながるという副産物も生まれたそ
うです。
スペシャリストとしてとんがり、多能工として専門周辺のスキルの
幅も広げる。
お客を喜ばすために、重要な視点だと思います。
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