2006/03/17
第48号 あなたは捨てられるか?
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■損切り
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ライブドアの上場廃止が決まり、フジテレビは保有していたライブド
ア株をUSENに売却しました。いわば「損切り」をして、これ以上
損失が拡大しないように手を打ったのです。
ライブドアのように幹部が刑事告発され、上場廃止という事態にな
れば、株主は「損切り」の判断もしやすいと言えます。当面株価が上
昇するという期待は持てないので、「もしかしたら上がるかも」と
いう余計な迷いが無くなるからです。
普通の銘柄の株主は、保有している株の株価が取得価格より下落した
としても、売却すれば損が確定してしまうので、「せっかくここまで待
ったのだから、もう少しまとう。そしたらまた上昇するかもしれない」
と期待を持ってしまいます。なかなか潔く「損切り」することはでき
ません。
しかし、この「せっかくここまで待ったのだから」が曲者です。パチン
コ台にお金をつぎ込めばつぎ込むほど、この気持ちがどんどん膨らん
でしまう経験をされた方も多いのではないでしょうか?
どのタイミングで損切りするか。いわば「撤退戦略」をいかに上手に
実行するか。これが損失を最小限に止めるためにはとても重要なのです。
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■撤退戦略を実行せよ!
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企業の事業戦略でも同じことがおこります。コニカミノルタは今年の
1月に、創業事業である「カメラと写真フィルム事業」から全面撤退
することを発表しました。
全面撤退について、社内取締役はかなり躊躇したようです。創業以来
同社を支えてきた事業ですから、当然の反応です。しかし、社外取締
役の面々は「早く決断しないと手遅れになる」と判断し、今回の発表
に至ったそうです。
吉野家もこのジレンマの中でもがいている企業の一つです。米国産牛肉
が再び輸入禁止になり、牛丼販売を再開するめどがたちません。
「米国産にこだわって、せっかくここまで待ったのだから、もう少し
待とう!」と言っているうちに、会社がおかしくならなければ良いの
ですが・・(祈!吉野家復活!!)
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■あなたは何を捨てるか?
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さあ、私たちはどうでしょう?
「長くやってきたことだから」とか「親・上司に言われたことだから」
という理由で、ダラダラと続けてしまっていることはないでしょうか。
「継続は力なり」という格言がありますが、
「継続は破滅への道なり」という言葉もあります。つまり、成果が出
ていないにもかかわらず、同じやり方で物事を続けると、損失が膨らみ、
ついには破滅に至る、という意味です。
「上場廃止」というような分かりやすい判断材料がいつもあるとは
限りません。判断しづらい状況の中でいかに決断するかが大切です。
アンテナをしっかり立てて、撤退のタイミングをしっかりと見極める
ことも、成長するためには重要です。
時にはクールに自分の(自分の会社の)撤退戦略を考えてみてはいかが
でしょう?
そして「本当にやるべきこと(やりたいこと)」に集中することができ
れば、そんな素晴らしいことはありませんね。
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■編集後記
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WBCのアメリカ戦での不可解な判定には本当に驚きました。あんな
ことが認められるなんて、同じ人間として恥ずかしいですよ、ホント。
でも皮肉なことに、国内で今ひとつ注目度が低かったこの大会がこの
事件で俄然注目されはじめました。やはりマイナスの出来事が起こると
その反動でプラスの出来事が起こるのでしょうか。世の中上手く出来て
います。
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