2006/11/17
第83号【まさかがブランドを育てる】
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■「面白い話」は面白くない
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すごく面白い話があるんだけどさ。
という前フリがあって聞かされる話は、大抵の場合大して面白くない
と思うのは僕だけでしょうか。
「この話は面白い」と自分でハードルを上げてしまうことによって、
聞き手の期待を必要以上に膨らませてしまい、それを越えられないと
「期待したより面白くない」という評価が下ってしまうのです。
一流の漫才師が漫才の最中に決して笑わないのは、自分で笑ってしま
うと「これは面白い話ですよ」とハードルをあげてしまうことになり、
客の笑いを半減させてしまうことになるからなのでしょう。まじめな
顔をしてボケるからこそ、より一層面白くなるのです。
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■「まさか」をつくれ
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人は自分が想定していることを超えた体験をすると、想定どおりだっ
た場合よりも大きな反応をします。それが嬉しいことだった場合は、
「感動」することになります。感動はブランドを育てます。
元ボストン・コンサルティング・グループ社長の堀紘一氏は、いつも
営業に来ている証券会社の営業マンを高級レストランで「逆接待」し
たことについて、著書の中で書いています。
いつも接待する側の営業マンが、行ったこともないような一流のレス
トランでご馳走されれば、こんな「まさか」はありません。感激して
より高鮮度な投資案件が持ち込まれるという、堀氏ならではの交際術
が紹介されています。(「人と違うことをやれ!」より)
私も印刷会社時代に、取引先の役員から「逆接待」を受けたことがあ
りました。
それほど高い店ではありませんでしたが、私の昇進をお祝してくれた
その気持ちにいたく感動し、その後はより一層仕事に励んだことを思
い出します。
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■予想外サービス
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予想外のサービスをして相手の心理的バランスを崩すと、相手は感動
し、感動がリピートを起こし、そしてクチコミを生みます。
以前運送業者の社長さんを喜ばしたことにより、コンサルティング以
外の販促ツールの受注につながった、という体験をご紹介しました。
その後もリピートは続いているのですが、今度はご兄弟が同業者とい
うことで、新規のコンサルティングの依頼がきました。経営計画書を
作成したことはもちろんですが、今度は最初から販促ツールの作成も
当然のように依頼されました。
「豊田さんは経営計画書だけでなく、チラシもつくってくれるぞ」
とお兄さんが宣伝していてくれたのですね。クチコミの発生です。
これも、相手の予想を超えたサービスをしたことの効果であることは
間違いありません。
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■自分レベルの視点で
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仕事に追われてくると、知らず知らずのうちに相手の要求どおりにこ
なせば良いのだ、と思ってしまいます。
要求は満たしているのですから、クレームが起きる事はありません。
しかし心理的バランスを崩すことはできません。
たとえば、こんなことはいかがでしょう?
・ 納期を1日早くする。
・ 仕上がりにひと手間かける
・ 隣店の店頭もついでに掃除する
・ 書類送付状に手書きで一言添える
・ 支払いを早くしてあげる
・ 社員の悩みの相談にのってあげる
・ 頼まれもしないのに、企画書を出す
など、「まさか」なことをすることで、相手を喜ばすことができる
のではないでしょうか。どれもちょっとの努力でできることばかり
です。
お客様が喜ぶ → また来てくれる
社員が喜ぶ → 生産性があがる
業者さんが喜ぶ → 良い情報をくれる
などなど皆分かっているようで、案外見落としがちなことです。
しかし、とっても効くのです。
予想外なことをするには、「喜ばしてやろう!」という前向きな
気持ちが不可欠です。
この前向きな気持ちが、「まさか」を生み出すのです。
ソフトバンクに負けず、僕たちも「予想外」な工夫をしてみましょう。
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■編集後記
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昨日はクライアント先の社長と銀行にいきました。決算説明が大きな
目的です。2行を訪問したのですが、それぞれカラーが出てて面白かっ
たです。担当者が1人だったり、3人出てきたり、お茶が出たり出なか
ったり。鋭くつっこんできたり何も聞かれなかったり。当社に対する
銀行側の重視度の差かな~と思いつつ、今後の業績改善への努力を社
長と誓い合った一日でした。
(第83号終わり)
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