2019/06/20
不合格万歳!
愛知県名古屋市で中小企業の売上アップを支援する経営コンサルティング事務所、レイマックの豊田礼人です。
先日、契約しているクライアントさんと一緒に、補助金申請のための事業計画書を作ったんです。
それまでにかなりの数の補助金申請の事業計画書のアドバイスをこなして、良い事業計画書の書き方のコツはつかんでいたので、自分としては相当良い感じに仕上がり、もう自信満々だったんです。(手前みそですが、各方面の関係者に絶賛されたのです)
しかし、結果は落選。とほほ・・・。
でも、クライアントさんは意外とケロッとしていて、「計画書作りを豊田さんと一緒にやって、その行為自体が事業を見直す良いきっかけになった」と喜んでくれました。
落ちてよかった、とは言いませんが、落ちたからこそ、「くそー。そんなもの(補助金)に頼らず、自力でやってやる!」というパワーが湧いてくることもあるんですね。
時代小説作家として人気の山本一力さんは、「試験なんて不合格の方が良い」と言っています。
普通、僕たちは試験や審査などに落ちると「ツイていない」と思います。でも山本さんは、「ツキがあるがゆえに落っこちるということがいっぱいあるんだよ」と言っています。
一夜漬けして、楽して受かっちゃうと、たいていの人はそこから何もせず力がつかない。つまり成長が止まる。
山本さんは「落っこちるツキ」というものがある、と説きます。落っこちるというのは、本当はツイているのだ、と。なぜなら「そこでもう一回見直しをしろ」と言われていることなんだから。つまり成長のチャンスに出会えたということ。
運の悪い人は、うっかり一夜漬けで受かってしまい、そこから怠け、沈んでいく。
山本さんは、事業の失敗から46歳で2億円の借金を背負い、それを返すために作家を志した人。
最初に応募した新人賞で最終選考まで残ったものの受からず、「なんて俺はツイていないんだ」と嘆いたそうですが、結局そこで受からなかったことで自分を見直す機会を得たそうです。その数年後に別の新人賞に応募し、合格。さらにその後、ついに直木賞を受賞する作家にまで成長されました。
(※ちなみに新人賞を獲った「蒼龍」という作品は、新人賞に何度応募してもダメだった山本さん自身の追い込まれた状況を、江戸時代にタイムシフトさせて書かれたものです。とても良い小説なので、機会があれば読んでみてください。)
不合格という事実に直面すると、最初は落ち込むものの、「何がダメだったのだろう?」と色々と自分を振り返ります。頭を働かせ、合格者には見えないものが見えたり、出会えない人に出会えたりします。そういう体験こそが貴重なのだ、ということなのだと思います。つまり、それ、「ツイてるだろ」と。
トントン拍子で成功してしまうと、自分を省みる機会が少なくなり、そのこと自体が自分の弱みになる。人の気持ちが分からなかったり、痛みが理解できない人間になってしまう、というリスクを背負うことにもなる。
僕がこの「不合格の方が良い」という山本さんの言葉に強く反応するのは、僕自身が資格試験のチャレンジで何度も「不合格」という事実を突きつけられたからです。
不合格はつらいですが、しかしそこからいろんなことを学ぶという貴重な体験が得られるのも事実。
そのときはツライけど、そのツライ中でもがくことで、自分が強くなります。
そして何より重要なのは、そのツライ体験が、次に続く人の励ましになったり、大きな勇気を与えたりすることです。
人々の共感を得ることができるのです。
「共感」というのはこれからのビジネスにおいて欠かせないものだし、ビジネスを抜きにしても、人から共感を得られる人物になるということは、人としてとても素晴らしいことなんじゃないかな、と思います。
今思うと、本当に不合格で良かった!と思います。もしスンナリ受かっていたらと思うとゾッとします。
チャレンジすることは怖いけれども、だからこそ、チャレンジは尊い。結果が上手くいけば万々歳だし、上手くいかなくても得るものは実はたくさんあります。
だから、どっちに転んでも、OK。
そう思えば、チャレンジしてみてもいいか、と思えたりして。
山本さんも、きっとそういうことが言いたかったんじゃないかな。
不合格したほうがいい、と思えれば、不合格は怖くない。
応援しています。
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