2019/06/18
名前を変えたら、バッキバキに売れた
愛知県名古屋市で中小企業の売上アップを支援する経営コンサルティング事務所、レイマックの豊田礼人です。
シャトレーゼ(甲府市)のアイス「チョコバッキー」の売れ行きが好調。(日経MJ2019/6/12)
2018年3月の発売以来、1年間で2200万本を販売したそうです。同社のアイスの中でも1年間で1000万本を超える商品はほとんどないので、空前のヒット商品なんだとか。
この商品の特長の一つは、バニラなどのアイスの中に不ぞろいのアイスがごろごろ混ざっていること。食べ進めるとチョコの塊がゴロッと出てきたり、パリッとした薄いチョコが楽しめたりと様々な食感が味わえるのだそうです。
面白いのはこの食感は「失敗」から生まれた偶然の産物だということです。開発当初はもっと均等にチョコが混ざり合ったアイスを想定していたのですが、失敗続きでゴロッとしたチョコが残ってしまう。しかしこれを「おもしろいから」という理由で売り出したのだそうです。
もう一つ面白いのは、名前を変えたら売れた、ということ。発売当初は「パリッと巻きチョコバー」でしたが、なかなかパッとせず。10年以上経過した後、商品の内容はそのままに名前を「チョコバッキー」に変更したそうです。チョコがバッキバキだから「チョコバッキ―」。SNSを意識した名称変更です。さらに6本売りだけでなく1本売り(64~75円)も始めたそうです。
するとSNSで「バキバキ感がおいしい」「コスパがいい」と好意的な書き込みが相次ぎ、爆発的なヒットにつながったのだそうです。
この事例から僕たちが学べることは、「名前の重要さ」です。商品は同じでも、名前を変えると売上が激増する可能性がある、ということ。過去の事例で有名なのは、「モイスチャーティッシュ」を「鼻セレブ」に変えたら、商品はそのままなのに大ヒットしたティッシュ。芸能人でも、名前を変えたら売れ出した人、結構いますよね。
名前をつけるときに大切なことは、名前を聞いただけで商品の内容が連想できること。だからできれば皆が知っている言葉をつかうことです。カッコイイとかオシャレだからという理由で英語やカタカナを使うと、なんとなくいい感じはしますが、売れません。
また、語感や語呂も大切です。思わず口に出して言ってみたくなるような名前は、クチコミされやすいです。あと短くすることも大事。マジックナンバー7という戒めの言葉があって、つまり、人間が覚えられるのは7文字まで、ということ。チョコバッキーって、ちょっと言ってみたくなる魅力があるし、短くて覚えやすいですよね。
あなたの商品や会社名は、SNSで拡散されやすい名前になっているか。売りたいのなら、これは重要なテーマです。
もう一つの学びは、「偶然の産物」を見逃さない、ということです。狙っていたものを違うものが出来た時、あるいはそういうものに偶然遭遇した時、「おもしろい」と切り替えることができるか。頑固にならず、頭を柔らかくして楽しむ余裕があるか。こういうところにも、ビジネスのヒントがありますね。
チョコバッキー、食べてみたいです。(了)
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