2009/06/19
第218号【埋没費用は無視しろ】
6月23日(火)に愛される会社プロジェクト(愛P)の第2回勉強
会を行ないます。今回のテーマは『戦略』です。今あれこれ資料を
集めながら構成を練っています。是非お楽しみに。愛P会員様は無
料です。
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■埋没費用は無視する
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ゴルフの男子ツアーでプロ2年目の池田勇太選手が優勝しました。
23歳でのメジャー大会優勝はメジャー史上4番目の年少優勝記録
なんだとか。
若くして結果を出す選手がいる一方で、プロデビューして20年が
経っても優勝どころかシード権もとれない選手もいます。結果が
出ないなら引退を検討しますが、今まで費やしてきた時間やお金を
考えると簡単には辞められません。
この今まで払ってきた費用は埋没費用(サンクコスト)といいます。
これは、企業などが事業に注ぎ込んだ資金のうち、事業を撤退した
としても回収できない費用を指す経営用語です。
経営の世界では何かを決断する時、この埋没費用は無視して考えな
ければいけないという鉄則があります。
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■つまらない映画を見たときの対処法
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ある映画のチケットが1800円だとします。しかし映画があまり
にもつまらない時、そのまま映画を見るべきか、映画館を出てその時
間を有効に使うべきかを迷う時があります。
映画を見るのを止めた場合、1800円は失うが上映時間を有効活用
できる。
映画を見続けた場合、1800円を失い、約2時間(上映時間)も失う。
この場合の1800円を埋没費用と言います。どちらの選択肢を選んだ
にしろこの1800円は回収できない。だったら、つまらない映画を
見続けるよりは、映画館を出てその時間を有効活用したほうが合理的
だと判断するのです。(Wikipediaより)
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■コマツとキャタピラー
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コマツは、主たる事業である建設機械事業の他にも、電子事業や合
成樹脂事業などの非建機事業にも進出してきた過去があります。こ
れは建機事業に依存しない企業体質に脱皮するためのものでしたが、
逆に一貫性がなくバラバラに進んだ事業はシナジーを生み出す効果
も少なく、コマツを迷走させる原因にもなったそうです。
しかし、「今まで蓄積してきた技術を捨てるわけにはいかない」と
いう理由で、これらの非建機事業をなかなか切り捨てられなかった
のです。埋没費用を無視できなかったのです。
一方米キャタピラー社は、埋没費用は無視すべしという経営の鉄則
を守り、農機から建機に転進したり、工場を大胆に閉鎖したりと
過去にこだわるそぶりを見せない企業なんだとか。
過去にこだわるコマツと、過去にこだわらず目標に向かって突き進
むキャタピラーとは、利益率・利益額で大きな差がついてしまって
います。もちろんキャタピラー優位なのです。
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■自分レベルの視点で
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自分レベルではどうでしょう?
僕が埋没費用を強く感じたのは、資格試験に挑戦している時です。
何回も試験に落ちていると、精神的に落ちてきて「もう止めようか
な」と思うこともありました。
しかし今まで専門学校に払ってきた費用を考えると、もったいなく
て止められない。こういうことを何度もグルグルと考えていました。
しかし先の鉄則によると、この費用は埋没費用だから無視して考え
なければいけません。
その資格を本当に自分が取りたいかどうか。取ったあとにどんな目標
を設定しているのか。その目標を本当に達成したいと思っているのか。
このことにフォーカスして意思決定すべきなのです。
幸い僕はそのように考え、幸運にも資格をとり、現在コンサルの仕事を
しています。埋没費用を無視して考えても、やはりこの道に進みたいと
思ったのです。
シード権をとれないゴルファーをはじめ埋没費用にこだわる人は多い
と思います。しかしそれを無視して、本当に自分はどうすべきかをゼロ
から考えて判断することが鉄則なのです。
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■編集後記
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最近このメルマガが長すぎるのでは?という意見を頂きました。確
かに今週も長い・・・。忙しい仕事の合間に読んで頂くにはやっぱ
り少々長いんでしょうね。でも短くするのもなかなか難しい。検討
課題として取り組んでみます。
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(第218号終わり)
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