2017/11/07
ZOZOTOWNとレディオヘッド
ZOZOTOWNが10月1日から、購入者が送料を決定できる「送料自由」の取り組みを試験的に実施しました。
その結果、「送料0円」を選択したのは全体の43%、平均送料は96円だったそうです。利用額や頻度が高いユーザーほど送料を有料にする傾向があったとしています。(ITmedia ビジネスオンラインより)
そしてZOZOは、11月1日から、全て一律で送料200円にする、と発表しました。
この事例のように、消費者が商品の代金を決めて、自由な金額を払う方法を「ペイ・アズ・ユー・ウィッシュ方式」と呼び、「スマート・プライシング」という本に詳しく書かれています。
Pay as you wish.
つまり、あなたの好きなだけ払ってください、ということ。
「スマート・プライシング」には、レディオヘッドというロックバンドが、自分たちの10曲入りアルバムを「ペイ・アズ・ユー・ウィッシュ方式」でダウンロード販売した事例が紹介されています。
それによると、180万人以上の人がこのアルバムをダウンロードし、うち40%の人がいくらかのお金を払い、60%の人が全く支払わなかったそうです。ある調査では平均は2.26ドルだったそうです。それでも、レコード会社を通してCDを発売するよりも多くの利益をバンド側は得たとされています。
そして、このことが大きなニュースとなり、その後に発売したCDの宣伝効果としては十二分の成果を上げた、という後日談もあったそうです。
ロック・バンドの「楽曲ダウンロード代」とアパレルのネット販売における「送料」という、全く異なるものですが、全体の40~60%の人は全く払わない人がいるんですね。しかも平均すると通常価格よりもだいぶ低くなっている・・・。
自分が何かの価値を得る時は、それを提供してくれた人に対価を払うのが当たり前ですけど、そういう風には考えない人が半分くらいいるのだとすると、ちょっと寂しい気もします。
ZOZOを運営するスタートトゥデイの前澤社長も「送料は基本的に有料であり、無料で届くわけがないと社会的に認知してもらいたい。」と言っているとおり、運送会社のドライバーさんが動いているからこそモノが届くわけで、その対価を払って当然です。
田舎の方に行くと、無人の野菜販売所がありますが、あれなんかも払わずに持って行く人が半分くらいはいるのでしょうか。だとしたら残念です。
「スマート・プライシング」では、ロンドンの「ジャスト・アラウンド・コーナー」という高級レストランが20年以上前から「ペイ・アズ・ユー・ウィッシュ方式」で営業していて、成功していると報告しています。このお店のオーナーは「おいしい食事とすばらしいサービスを提供した時、お客はいつもよりチップをはずんでくれる。だから決めたんだ。料理にいくら払うかもお客に任せようってね」と言っているそうです。
このレストランと、ZOZOの送料及びロックバンドの楽曲ダウンロードとの違いは、対面で支払うかネット上で支払うか、の違いがあります。やはり顔が見えないネット上では、払わずに済ましてしまう人の割合が増えるんですかね。
誰にも見られていない時にこそ、人間の本性が現れる。他人は見ていなくとも、神様は見ている。
受け取る価値に対して、誠実に支払いたいと思います。
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【場所】 :ウインクあいち 904 名古屋市中村区名駅4-4-38
【料金】 :5000円(税込み)レイマッククラブ会員は2000円
※友割あり(ペアで参加されますと、各お客様1000円オフ。但し初参加の方のみ
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