2015/10/09
第547号【歩き回れ】
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■事務作業する経営者
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先日会った女性経営者の話。
ある工事会社を経営する父が引退し、
昨年からその会社を継いだ娘さんです。
職人気質の社員が中心の会社で、
本人はその分野のシロウト。
やれることと言えば、
書類を作ったりなどの事務仕事のみ。
営業もできないからノータッチで社員に任せきり。
だから、社長が社員に「お願いします」と言って、
仕事をやってもらっている状況です。
今のところ業績は堅調なのですが、
社員のマネジメントがまったく出来ておらず、
本人としてもこのままではマズイと感じて、
相談に来たのです。
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■現場を見て来て
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頼りない社長を助けるため、
社員さんたちは引き続き頑張っている。
しかし。
社長が社員さんにお願いしないと会社が回らないというのは
健全ではありません。
事実、
営業のミーティングを開きたくとも、
「忙しい」と社員さんは集まってくれないのだそうです。
営業の責任者も高齢化しており、
数年先も勤務してくれているかは不透明。
少しでも業績が下がり始めると、
組織が一気に空中分解する恐れがあります。
僕はその社長に、
まず、営業マン、そして職人さんのそれぞれの現場に行き、
彼らがどんな風に仕事をしているのか、
どんな顔して仕事をしているのか、
お客様と何を話しているのか、
を見てきてください、
とお願いしました。
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■歩き回れ
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MBWAという言葉があります。
マネジメント・バイ・ウォーキング・アラウンドの略です。
つまり、
社長は歩き回って経営をせよ、
ということです。
現場に行き、
社員と話し、状況を見て、感じ、
お客様の顔を見て、表情を観察し、
空気を感じてくること。
これが、経営をするためには重要なんだと。
この工事会社の女性社長が今、まずやるべきことはこれ。
事務所に閉じこもって書類を作っているだけではマネジメントはできません。
外に出て、社員とお客様と触れ合うことが重要です。
知人に聞いた話ですが
ある介護施設は非常に社員さんがイキイキと働いているそうです。
その施設では、
経営者がオフィスの入り口付近に自分の席を置いているため、
社員はその経営者の前を通らないと自分の席に行けない造りになっているのだそうです。
だから経営者の前を通るたびに、声を掛けられる(笑)。
経営者はその声掛けの時に社員の表情を見て、
現状を知り、社員の心の状態を読み取るのだそうです。
これが、組織を活性化する一因になっているのです。
これもMBWAですね。(座っていますが)
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■自分レベルの視点で
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自分レベルではいかがでしょうか?
僕も企業をコンサルティングする中で、
MBWAの重要性は常に感じます。
会議室の中で社長と経営のことをアレコレ議論していても、
はっきり言って限界があります。
会議室を出て、
社員さんと直接話してみると、
会社のことがより深く理解できます。
新たな発見もあります。
考えるのは大事だけれどほどほどにして、
外に出て、
歩き回って情報を集めることの大切さ。
これを日々ヒシヒシと感じています。
あなたは、
最近歩き回っていますか?
自分の席に、
あるいは自分の殻の中に、
閉じこもっていませんか?
答えは現場にある。
応援しています。
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■編集後記
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シルバーウィークが終わってやれやれと思っていたら、
また3連休ですね。
今度は何して遊ぼうか(笑)。
でも仕事も溜まっているので、やんなきゃ、です。
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