2005/11/04
第29号 何でもやりますは何もできない
豊田です。秋も深まってきました。11月といえば学園祭のシーズン
です。毎年母校に行ってみようかなと思うのですが、なかなか実行で
きません。今年こそ!と思っていたら昨日だったみたいで、気がつい
たら終わっていました。計画しないと物事は達成できないことを改め
て知りました。
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■本日のテーマ:「何でもやります」は「何もできない」
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11月3日の日経新聞によると、日本マクドナルドは高級バーガー「マ
ックグラン」の販売を中止したようです。
既存の自社商品ラインナップ内での位置づけがあいまいになったこと
が打ち切りの大きな要因のようです。
つまり、同一店内に低価格商品と高価格商品が同居していることが、
「マクドナルド」のカラーを「どっちつかず」色にしてしまい、お客
さんへの訴えを弱くしてしまったのです。
その結果、残念ながらマックの売上げは低迷しています。
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■ブランドのココロ:焦点を絞る
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平均的な料理が「何でもあります」で拡大してきたファミリーレスト
ランも業態を見直す時期にきているようです。
例えば、「ロイヤルホスト」が苦戦中のロイヤルホールディングスは、
今月よりビュッフェ業態の出店に乗り出すと発表しました。
その新ビュッフェ店では、コックが対面で調理するオープンキッチン方
式を採用するなどエンターテインメント性を高め、本格的な洋・和・ア
ジア料理を取り揃えるとのことです。
「ガスト」を運営するすかいらーくも、総合ファミリーレストランから、
小商圏対応の「ネバーフッド(近所の)カフェ」へのモデルチェンジを
進めています。各地域に配置した責任者が地域の実情にあった店舗戦略
を練り、「ガスト」の復活に向けての取り組みをしているそうです。
ロイヤルホストもガストも顧客ニーズを取り入れながら、店舗のコン
セプトを絞り始めているのです。
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■私の経験から申しますと
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印刷会社で広告宣伝ツールの営業をしていた時、上司から「お客さんに
は何でもやりますと言え。できませんとは口が裂けても言うなよ!」と
口酸っぱく言われていました。まず受注してから、どう処理するかを考
えろと言うのです。
確かに、なじみのお客さんにはそれで通用することも多々ありました。
「使い勝手の良さ」がお客さんにとってのメリットとなったからです。
この方法でバンバン売上げを上げていたことも事実です。
しかし、新規開拓のケースで「何でもやります」と言っても、結局それは
「何もできない」と言っているのと同じなので、相手にメリットを感じさ
せることは困難です。
何も特徴のない会社とわざわざ取引きを始めようというメデタイ客などど
こにもいないのです。
「何かあったら連絡するよ」と言われるのが関の山で、ついぞ連絡など
来やしません。
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■あなたはどう?
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「自社の強みを言えたのは、75人の経営者中、たった1人。」
と、日経ベンチャー11月号で中小ソフトハウス専門コンサルタント
の長島淳治氏は言っています。
「小さくて平凡な中小企業だから、強みなんてない。」
「ずっと言われるままに仕事をしてきただけで、取り柄なんてない」
とおっしゃる経営者や会社員の方の声を良く聞きます。
しかしそれは間違い!と断言しましょう(かなりキッパリと)。
もし本当にあなたに強みがないとしたら、ここまで来る前のとっくの
昔に淘汰されているはずでしょう?(死んでるとまでは言いませんが)
ここまで辿り着けたキーポイントは何か。それを客観的に洗い出して
みましょう。そのキーポイントこそ「強み」の素になるものです。そ
の強みの素を大事に育てることで、「○○ができる会社」「△△が得意
な人」になることができるはずです。
私は小学生の頃から20年以上マクドナルドの「チーズバーガー」と
「マックフライポテト」を食べ続けています。なぜなら「おいしから」
です。(栄養価はさておき)
これこそが、現在のマクドナルドをつくってきたキーポイントに
他なりません。フードビジネスにおいてこれほどの強みはないでしょう。
マクドナルドの今後に注目です。
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■もう一言
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ジャンボ尾崎の16億円の借金にはびっくりしました。原因はバブル期
の不動産投資の焦げ付きだとか。私も住宅ローン金利の動向がむしょうに
気になって、銀行に相談にいきました。私の素人質問連発にも嫌な顔ひと
つせずに、おばちゃん相談員が対応してくれました。おばちゃんの結論
は、「あと5年は変動金利で行けるわよ!」でした。マジっすか?
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