2011/11/30
自分にとって得か、どうか。
TPPの問題は難しい。
関税を撤廃して外国製品と自由競争をしなければ、日本製品の競争力がますます落ちる。だからTPPには賛成という意見。
いやいや、関税が撤廃されて安い輸入品が入ってくれば農産物はもちろん、他産業の製品も価格競争に巻き込まれ、デフレになり、景気がますます悪くなる。だからTPPには反対と言う意見。
賛成、反対、色々な意見や情報があって、何を基準に判断してよいのか、正直言って分かりにくい。おそらく、「やってみないと分からない」ことが多いから議論がかみ合わないのだと思います。
だって、経済の行方なんて誰も正確に予想することなんてできないですからね。
先日、あるクライアントで若手社員とSWOT分析をしていて、TPPは自社にとって「機会」だという意見がありました。しかし、そのホワイトボードを見た中堅の社員は、「いやいや、TPPは脅威だ。ますます景気が悪くなる」と正反対のことを言う。
元産業再生機構COOの冨山さんが、人はインセンティブと性格の奴隷である、と言いました。
つまり、ほとんどの人間は、自分にとって得かどうかによってしか動かないし、性格の支配から逃れられないということです。
TPPが自分にとって得かどうか。結局は、その基準で賛否を言っているのだと思います。
しかし、政治家も「自分にとって得かどうか」とか性格に引っ張られて判断してもらっては困ります。
日本全体にとって得かどうか、子供たちが将来に希望を持てる日本でいられるか、ピュアにこの問いに向き合って欲しいと思います。
それができる政治家が、まだ日本に存在することを祈ります。
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