2011/03/25
第310号【頑張ってとは言えない】
広告宣伝、イベント、お祭りなどが軒並み中止&延期されています。
寂しいですが、被災地の方々のことを思うと、とてもそんな気持ち
になれないというのも分かります。一日も早くみんなが元気になれ
るよう祈ってやみません。
※ブログは平日ほぼ毎日書いています。↓
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(連続310週間、無休で発行しています。)
◎今週のメルマガ 【頑張ってとは言えない】
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■茫然→連帯→不満→再建
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被災者の心理的経過は4つのフェーズに分けられるそうです。
(東京都立中部総合精神保健福祉センター『災害時の「こころのケア」
手引きより)
まず災害直後の茫然自失期。この時期には無感覚、感情の欠如とい
う状態になるそうです。
その後、ハネムーン期に移行します。この時期には被災体験を共有す
ることで被災者同士に強い連帯感が生まれるそうです。
次におとずれるのが幻滅期。この時期には支援の遅れや行政の失策
への不満が噴出し、けんかなどのトラブルが起き、地域の連帯感が
薄れる場合もあるそうです。
そして最後に再建期。復旧が進み生活のめどが立ち始めるこの時期
になってようやく、人々は自信を取り戻すことができるそうです。
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■まだ、茫然自失状態
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災害から2週間がすぎ、少しずつ被災者同士の連帯感が生まれ始め、
復興への動きが出てくることが期待される時期です。
しかし、原発の危機が去っていない今回の地震の場合、いまだに
茫然自失期を脱していません。
事態は余談を許さず、農作物や原乳、さらには水まで放射線被害が
出てきており、人々の不安は高まるばかり。
僕自身、原発事故が終息しない現在、今ひとつ集中力に欠ける日々
を送っています。茫然自失状態をまだまだ引きずっている気分です。
名古屋に住む僕でもそんな状態なので、東北や関東に住む人たちの
不安は相当大きいものだろうと思います。
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■何と声をかけるか
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そういう状態の中、被災者の人たちにどう接するべきか?という
記事が昨日(2011年3月24日)の日経新聞の夕刊に載っていまし
た。
茫然自失期にいる人たちに、何と声をかければよいのか、というの
は難しい問題です。
例えば「頑張って」という言葉。
力を出し尽くして疲れ切った人たちに「頑張って」という激励の言
葉はかえって負担になるそうです。もう十分頑張ってます!という
話ですね。
だから、巷で叫ばれている「頑張れニッポン!」的な掛け声には、
大きな違和感を感じてしまいます。今はまだ茫然として、感情が失
われている時期。前向きな気持ちを強要することは、かえって迷惑
になる可能性があります。
原発の問題が片付き、ハネムーン期に移行したとしても、被災者同
士が「頑張ろう」と声を掛け合うのはよいのでしょうが、非被災者
である人たちが無節操に「頑張ろう」と声をかけるのは、よほど慎重
になる必要があると思います。
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■自分レベルの視点で
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自分レベルではどうでしょう?
今、母親が脳内出血から立ち治るべく、必死にリハビリを続けてい
ます。
早く退院して自宅での生活に戻りたい。そのために介助を受けずに
歩けるようになりたい。そういう思いで毎日、懸命に自分の体と
戦っています。
そういう母をみて、「頑張って」とは言えません。もう精一杯頑張っ
ているはずだから。頑張って疲れ切っているのに追い打ちをかける
ことになるかもしれないから、です。
じゃあ、周りの人間はどうすれば良いのか。
何も言う必要はないんじゃないかな、と僕は考えます。ただ何か力
になりたいという気持ちを持って、しっかりと見つめ、耳を傾けて
いれば良いのではないか、と思います。
僕の母が抱えている問題と、被災された人たちが抱えている問題と
を比べることも出来ないし、同じレベルで議論することも不謹慎か
もしれません。
ただ、困難に直面している人の力になりたいという気持ちは同じです。
被災地の人たちが一刻も早く再建期に移り、幸せな日常が取り戻せ
るようになることを願ってやみません。
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■編集後記
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僕のクライアントからも原材料が届かない、仕入が出来ない、とい
う事態が報告されています。大変ですが、今自分が出来ることに集中
して取り組むしかありません。来週はいいニュースが聞けるように
期待しています。
愛される会社プロジェクト→ https://raymac.jp/aip
(第310号終わり)
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