2010/05/07
不況下に過去最高の利益を稼ぐハイパー企業
ホギメディカル社の業績が絶好調のようです。
2010年4月13日の日経朝刊によると、2010年3月期連結決算は純利益が前期比37%増の49億円で過去最高になったそうです。
売上高313億円、営業利益が79億円、営業利益率は25% です。
トヨタ自動車が絶好調だった時でも営業利益率は9%前後だったはずなので、この数字の優秀さがお分かり頂けると思います。
このホ社の好調要因は、「オペラマスター」というサービスです。これは、病院向けに、手術に必要な部材を、手術ごとにパッケージ化して届けるサービスです。
自社製部材に加えて、ファイザーのメス、テルモの注射器、ジョンソン&ジョンソンの縫合糸などの他社製品も一括管理し、滅菌して納入するそうです。
病院にとっての何が良いかというと、
①手術部材を揃えるスタッフの業務負担を減らせる。
②手術部材の在庫を持たなくて良い。
③一手術当たりの部材コストを把握でき、一手術ごとの損益管理が可能になる。
これにより、
①手術回数の増加
②在庫ロスの軽減とキャッシュフローの向上
③原価計算にもとづく病院経営
という果実が得られるのです。
手術というのは、病院にとって利益センターです。ゆえにスタッフが部材を揃える時間や部材の間違えを取り替える時間などのタイムロスを減らし、手術時間(回数)を増やせるということは病院経営に強烈なインパクトをもたらすのだとか。
ホ社はこのオペラマスターを武器に、単なる部材サプライヤーから病院経営アドバイザーへと変貌しつつあります。病院の経営データや手術室運営データを分析し、あたらな提案をするというサービスも充実化させています。
こういう「ソリューション型」のビジネスを突き詰めていくと、全ての業種はコンサルタントになっていくんですよね。部分的な提案から入り、最終的には全体的な最適提案をしていくという。
こういう展開をしていくためには、顧客の悩みや置かれている状況を知り、それを解決していく提案が必要なります。
これをやるためには、地道な聞き取り調査や観察が必要になりますが、これが上手くいくと顧客との間に豊かな関係性(リレーションシップ)が築けます。「あなたじゃないとダメ」な会社に昇格するわけです。
このリレーションというものは、一度築くととても強い差別化要因になります。商品やサービスで差別化できなくとも、リレーションで差別化できるということは、中小企業にとっても非常に重要な視点だと思います。
ホ社が実践する、
ソリューション型~リレーションシップの強化
という流れ。
是非参考にしたいですね。
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