2017/10/07
みんな、常に足りない。
今週もコンサルティング&コンサルティングの毎日でした。
その中で、3人の印象的な人に出会いました。
まず1人目は、外資系投資会社のアナリスト。彼が調べたいと思っていることと、私が知っている情報とが一致し、1時間の電話でのコンサルティングをしました。
さすがにエリートビジネスマンらしく、とても聡明な印象。テキパキと整理された質問を矢継ぎ早にしてきます。頭のいい人と話していると、自分も頭が良くなった錯覚に陥ります(笑)。
話している中でいいな、と思ったのは、単に「知っていることを教えてくれ」というのではなく、「○○の件について、ブレスト(ブレインストーミング)したいのですが」と一緒に考えることを提案してくることです。
一言で答えにくい難しい質問でも、一緒にあれこれ意見を出し合いながら考えていくと、アイデアやヒラメキが生まれます。一方通行のコンサルティングではなく、双方向の意見交換による「脳みそシャッフル」で、想像以上に大きな気付きが得られるのだな、と気づかされました。
ただ、外資系の人だからなのか、会話の中に「ブレスト」とか、カタカナ英語が頻繁に出て来て、多少戸惑いました。「当該業界に属する企業のオポチューニティについて意見を伺いたいのですが・・・」と言われた時、「オポチューニティって何??」と思いましたが、かろうじて「あ、機会か」と訳せて、事なきを得ました(笑)。
2人目は、中古車販売事業で成長している経営者。広い敷地に、すごくキレイなショウルーム、整備工場、車撮影用の写真スタジオ、展示スペースを備えています。「コツコツ頑張っていることはありますか?」と質問したところ、「社員の育成にはコツコツと取り組んでいる」とおっしゃっていました。
1人でゼロから自動車販売事業を始め、現在は20名の社員を抱えるまでに会社を成長させた社長。当然、その過程では大変なこともたくさんあり、それを乗り越えるために社員さんたちに厳しく接することもあったそうです。必死に経営しているわけだから、当然そういう場面もあるでしょう。
しかし、厳しく接し過ぎると社員さんは離れていく。定着率が下がる。
そこで、現在は、社長の考えを、1つずつ、丁寧に、分かるように、社員さんに話すそうです。一度言っても分からないから、何度でも、毎日でも、コツコツとやり続けているそうです。その結果、現在はとても良い雰囲気になっているそうです。目標は、2店舗目、3店舗目を任せられる人材を育てることだそうです。
3人目は、いつも飲みに行くIT企業のK社長。その夜も、2人で5時間以上飲み続けました。
話の中で出てきたのは、「経営資源は常に不足している」ということ。これは、森岡毅さんという元USJのマーケティング責任者の方が書いた「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方」という本の中に出てきたテーマです。私もこの本には刺激を受けていて、K社長も同じ本を読んでいて、「おお!」となったのです。
経営資源とは、いわゆる、人、モノ、金のことです。(これに、時間、情報、ブランドを加えて考える時もあります9
起業時の小さな規模の時も、ある程度成長した中小企業も、上場している大企業でも、どんなステージのどんな規模の企業でも、「経営資源はいつも不足」しているのだ、ということです。起業時は売上が少なくて支払が大変だし、売上が増えてくると在庫や人件費も増えて資金繰りがタイトになる。第二の成長を目指すときは新しい分野への情報や人材が足りなくなる・・・。
結局、十分に足りている状態など、永遠にこない。(あのソフトバンクだって常に足りないはず)だからこそ、不足している中で、いかに有効に資源を使うのか、それを決める「戦略」の役割が重要なのだ、という考え方です。
K社長も経営する会社が成長の踊り場にさしかかり、不足する経営資源の中でいかに次の成長曲線を描くか、つまりどんな戦略を描くのかについて頭をフル回転させています。
私との(グダグダな)飲み会で、何かヒントをつかんでくれてたらいいな、と思います。
そんな1週間でした。
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