2017/08/18
君が僕を知っている
スティーブ・ジョブズは、自ら創った会社(アップル)をクビになるという「最悪」の事態を振り返り、「そのときには分からなかったのですが、結局のところ、アップルをクビになったことは、私のこれまでの人生の最良の出来事でした」と言いました。
最悪のはずが最良。
なぜなら、それまでの成功者としての重圧から解放され、気軽な「駆け出し者」に戻れたこと。そして、人生で最もクリエイティブな時期に入り、NeXTという会社とピクサーという会社を立ち上げ、成功に導いた。
そして、何より、
後に妻となる素晴らしい女性と恋に落ちた、と。
僕は、ジョブズのスピーチの中に出て来るこのくだりが好きなんです。最悪の時に、最愛の人に出会う。そしておそらくそれが(その最愛の人が)、後のさらなる活躍を支える。
仕事をしていくうえで、信頼でき、そして自分を応援してくれるパートナーの存在はとても重要だと思います。
例えば、時代小説作家として人気の山本一力さんも、奥さんの励ましによって前に進んできた人です。
山本さんは事業で失敗し、2億円の借金を抱えてしまいます。普通に働いて返せる額ではないので、作家になることを決意します。その時46歳。
コピーライターとして宣伝コピーを書いた経験はありましたが、小説なんて書いたことはない。だから周りの人たちは当然、「何をバカなことを」という反応。そんなこと無理に決まってるだろ、と。借金の債権者たちもあきれ顔。
しかし、奥さんだけは違った。「やろう。あなたならできる」って支持してくれたのだそうです。
そして49歳の時に「蒼龍」で第77回オール讀物新人賞を受賞。その5年後に「あかね空」で直木賞を獲ります。そして、2億円の借金もほぼ返した終わるところまできているそうです。
人生の大変な時に、自分を応援してくれる人がいることは本当に力強い。
元日本代表のサッカー選手、小野伸二選手がオランダのフェイエノールトで活躍した後、日本のレッズに復帰するかどうか悩んでいた時、奥さんの千恵子夫人は「自分の決めた道を進め!」と励まし、小野はレッズに復帰したそうです。
僕が東証一部の上場企業を辞めて、中小企業診断士という資格の取得にチャレンジしていた頃。奥さんは一貫して僕を応援してくれました。
一世一代の決意で会社を辞めたのに、肝心の資格試験になかなか受からないという暗黒の日々。食うために就職した会社での仕事が終わった夜や休日をつぶして勉強する僕は、時にイライラし、それが原因でケンカすることもありました。それでも奥さんの基本スタンスは、「応援」でした。
ケンカして、「もう次の試験で落ちたら、チャレンジはやめる。」と言った僕に、「途中でやめられるくらい、軽い目標だったのか」と彼女は詰め寄った。僕も必死だったけど、彼女も必死だったのだと思う。中小企業診断士としての未来に不安を持った時は、買い物帰りに近所で見つけた「税理士/中小企業診断士 ○○事務所」の看板を頼りにその事務所に飛び込み、「突然すみません!中小企業診断士で食えるんですか?ウチのダンナがチャレンジ中なんですっっ!」と聞きに行ってくれたこともありました。その事務所の人、ビックリしたろうな・・・笑。
その後資格を取って、起業し、現在に至るまで、本当に助けてもらい、色々気づかせてくれて、背中を押してくれています。
コンサルタントとして起業の相談に乗っていると、「きちんと奥さん(あるいはダンナさん)の理解を得て、応援してもらっているのかな?」と心配してしまうことがあります。
まず、事業プランを最初に納得してもらわなければいけないのは、そういうパートナーです。奥さんの応援を得られないのに、お客さまや銀行やその他大勢の人たちの応援を得ることは難しいと思います(独身ならまだしも既婚者で子供もいる人が起業する時は特に)。
あなたを一番よく知る人に納得してもらい、味方になってもらい、そのパワーで困難に立ち向かえば、最悪が最良がなる可能性が高まる。
みなさんの事業が上手くいくように。パートナーや家族が幸せに暮らせるように。
今から神社でお祈りしてきます(笑)。
応援しています。
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