2017/05/02
僕とカミンスキーの旅
求めているものを捨てろ。
というセリフが印象に残った、「僕とカミンスキーの旅」という映画を見た。
カミンスキーという著名な盲目の画家と、彼の伝記を書いてひと儲けしようと目論む美術ライターが繰り広げるロードムービー&ヒューマンドラマです。
老人(カミンスキー)と若者(美術ライター)は、ある目的から一緒に旅をすることになり、その道中で彼らは次第に惹かれあい、心を通わせていく。
若者は金儲けが目的なのですが、実は仕事も恋愛も上手くいかず、人生に迷っている。老人は画家として成功したが、若い時に最愛の恋人に逃げられ、心に傷を持ったまま老後を生きている。
若者はこの先の人生をどうしていけばいいのか確信できない。そんな若者に対し、老人は「求めているものを捨てろ」という話をそれとなくする。
求めれば求めるほど、人生というのは上手くいかないのだ、という意味か。あるいは何かもっと違う意味なのか。映画の中で、この問いに対する答えは明確には得られない。また、このことがこの映画の主題なのかどうかも分からない。ただ、僕の心に引っかかった。
人生は、思い描いたとおりにはいかない。求めたところで、それが本当に自分にとって重要なことなのかどうかも分からない。
現実は平凡で、退屈。劇的なドラマみたいなことは起こらない。いつか自分の人生にクライマックスが訪れるはずだと考えている人は多いけれど、そんなものは起こらない。仮にそれが起こったとしても、自分が思い描いていたほど素晴らしいものではないのかもしれない。
だから、求めているものを捨てて、今目の前にある現実に向き合い、もっとシンプルに楽しめよ、ということなのでしょうか。
やっぱり、この映画が言いたいことは何なのかは分かりません。
分からないけど、温かい感情が湧き出てくる、とてもいい映画でした。
若者が老人(賢人)に学び、成長の階段を登る「英雄の旅物語」という黄金パターンでもあるこの映画は、多くの人を惹きつける要素を備えていると思います。(ロードムービーとして単純にすごく面白い)
ハリウッド映画のような痛快さはないけど、ヨーロッパ(ドイツ)の映画らしく、ジワジワくる感じがいい。
興味のある人は観てみてください。そして「求めているものを捨てろ」(確かこういう表現だったと思います)の意味について、話しましょう。
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