2017/04/14
大切なあなたの名前のこと
こんにちは。愛知県名古屋市で中小企業のマーケティングを支援する経営コンサルティング事務所、レイマックの豊田礼人です。
今日は、名前ってすごく重要だ、という話です。
中身は同じでも名前の良し悪しで、なぜか売れたり売れなかったりする、そんな例が世の中にはたくさんあること、みなさんもご存知だと思います。
その中でも有名な話がネピアの『鼻セレブ』。
もともとは1996年に、保湿ティッシュとして開発され、「ネピアモイスチャーティッシュ」として販売されたのが前身。しかしこれがイマイチ売れなかった。
そこで、ネーミングを変え、リ・ブランディングして、2008年に「鼻セレブ」として再び売り出したところ、これが大ヒット。
他社のティッシュがスーパーで5箱250円前後で山積みされている一方、鼻セレブは1箱250円前後をキープするなど、高単価にもかかわらず人気を博しているそうです。
とは言っても2008年の話なので、今でも本当にそうなのかな?と気になった僕は、近所のスギ薬局に行って調べてみることに。
すると、鼻セレブは238円。ちなみに他のティッシュは5箱で250円くらいでした。発売から10年近くたった今も、鼻セレブはしっかり価格を維持しているんですね。すごい。
さらに気になったので鼻セレブのWEBサイトに行ってみると、『大人の鼻セレブ』や「おしりセレブ」などのバリエーション商品が展開されています。
サイトは「鼻LABO」という名前で運営されており、かなり攻めた内容(笑)になっていて素敵です。一度ご覧くださいね。すごく参考になりますよ。鼻LABO→ http://hana-celeb.com/
で、名前の話でした。
最初の名前だった「モイスチャーティッシュ」のモイスチャーって、水分とか湿気、特に、化粧品で、皮膚に潤いを与えるために配合する成分のことだそうです。よく耳にしますよね。
モイスチャーなティッシュだから「モイスチャーティッシュ」にしたのだろうけど、これが売れなかった。もっと分かりやすく、花粉症で鼻水ズルズルで何度も鼻をかまなくちゃいけない人に、しっとりしたティッシュが喜ばれるだろうということで、そのまま「鼻」という言葉を使ったんでしょうね。で、高級感を連想させるセレブという言葉とくっつけて、ミスマッチ的だけど何か分かるし面白い、という世界を作り出したんですね。
まあ、成功した商品を後から理由付けするのはコンサルタントの悪い癖なんですけども。
さて、常日頃、いろんな会社の商品や会社や店舗のネーミングを見ていて僕が感じるのは、みなさんカッコよくて「シュッ」とした名前をつけたがるということ。
「モイスチャー」ってつけたくなるんですよやっぱり。いきなり「鼻」とかつけたくないんですよ、最初は。わかります。自分たちが人生賭けてチャレンジする会社や商品をカッコよく見せたい気持ち。子供や友達や親せきに自慢できるようなオシャレな名前をつけたくなるんですよね。でも、それだと売れにくい。ここに実は成功かイマイチかを分ける見えない壁があるんです。
やはり日本人にとって英語の表記は、伝わりにくいし覚えにくい。覚えにくいと、口コミが起きにくい。できれば、みんなが知っていて短い言葉を使った方が、売上につなげやすい。フランス語のシュッとした名前をつけたい気持ちはわかります。でもそれを抑えて、一発で理解できる名前にしたほうが良い。この選択ができるかどうかが、経営者としての第一歩なんじゃないかな、と僕は思います。
英語やフランス語や難しい漢字で名前をつけちゃった人は、せめてカタカナをふって、読めるようにしてください。読めないと、覚えられないし、伝えられない。
名前は、大事です。
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