2012/01/18
僕たちは「負けたくない」と思っている。
僕たちは「負けたくない」と思っている。強迫観念のように勝とう勝とうと思っている。
負けたくないことを口に出すわけではありません。しかし無意識のうちに頭の中に刷り込まれ、気付かないまま行動に出てしまうのです。
ゴルフで「卵を産む」という行為があります。
あなたが打ったボールがグインと横に曲がり、林に入ってしまったとします。斜面を降り、林の中にボールを探しにいきます。しかしボールは見つからない。
OBです。OBを認めれば、スコアは悪くなる。
しかし負けたくない。あなたはポケットから新しいボールを出し、足元に落とす。そしてこう叫ぶ。
「ボール、ありましたーっ!」
これが「卵を産む」という行為です。もちろん禁止行為。
こんなことやってはいけないのは当たり前。しかし、「負けたくない」と強く思っていると、しばしばこういう不正行為をしてしまう人が出ます。本人はバレていないと思っていても、実はバレている。当然信頼を失い、友達も失う。支払う代償はとてつもなく大きい。
また、こういう話を噂で聞きました。
ある部長が会社の部下や関係者とゴルフをしていました。部長は第2打を打ち、ボールはグリーン方向に飛んでいった。ナイスショットだったが、やや強めに打ちすぎたかな?とも思った。
グリーンに上がってみるとボールはない。やはり強すぎたのだと思い、グリーン奥のラフを探してみる。しかし見当たらない。
OBか?
しかし、負けたくない。ここでスコアを崩したくない。仲間はまだ遠くを歩いている。
部長は、卵を産んだ。
グリーン奥のラフにボールをそっと落とし、それを第3打として確実にグリーンに乗せた。仲間たちもグリーンにボールを乗せ、一人がピンフラッグを抜くためにカップに近づいた。すると何ということか。
ボールがカップの中に入っていた。それは紛れもない、部長のボールだった。
強すぎてOBかと思った部長の2打目が、実は直接カップインしていたのだ。つまり、イーグルショットだったわけです。
この世にあってはいけないボールがそこにあった。グリーン上で全員が凍り付いてしまった・・・・。
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負けたくないと思うあまり、不正行為をしてしまう。
オリンパスの問題も、同じ。
自分たちの失敗を知られたくない。負けを認めたくない。だから不正に処理してしまった。
悪いことだとは分かっていても、いざ自分がその局面に立つと、「負けたくない」が優先してしまう。こんなこと、多かれ少なかれみんなやっている。バレなければいいんだよ、と。
人間の弱さだと思います。
負けたくない気持ち、勝ちたい気持ちは誰しも持っています。
しかし、不正をしてまで勝つ必要はない。(それは勝ちではない)
もし勝とうとする欲望が成功のDNA(成功の一番大きな理由)の重要な部分を占めるのであれば、勝とうとしすぎるのは成功を制限してしまう遺伝子の誤った突然変異といえよう。(by マーシャル・ゴールドスミス エグゼクティブ・コーチの第一人者)
負けたくない、勝ちたいと思うことは悪いことではありません。
しかし、必死になる価値のないことのために勝とうとするのは避けなければならない、ということです。
自分を常にコントロールし、勝とうとしすぎないこと。
インチキをしないこと。
肝に銘じます。
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