2011/06/08
ユニクロが訴えた本を読んだ。
『ユニクロ帝国の光と影』を読みました。
ユニクロの幹部社員の突然の更迭、国内店舗や中国工場の労働の過酷さなどを、横田増生さんというジャーナリストが取材をもとに書いています。
カリスマ経営者とも呼ばれる柳井社長の非情さをやや悪意に満ちたニュアンスでレポートしていて、週刊誌の暴露ネタとしての面白さは感じます。
その内容に事実と異なる部分があるとして、出版元の文芸春秋がファーストリテイリングから提訴されるという、今、色んな意味で話題となっている本です。
まあ、あれだけ成長している企業なので、いろいろと暗い部分はあるのだろうな、ここに書かれていることもある程度事実としてあるのだろうな、という感想です。
大学卒業まで特に目立ったところもなかった柳井正という一人の男が、何に突き動かされて行動し、あれだけの企業を作り上げたのか・・・はとても興味深い。
とにかく成長志向で、安定志向に走る社員は許さない。攻撃こそ最大の防御だ、という柳井さんの行動力に改めて驚かされます。その裏にはコンプレックスがあるのだと、当の柳井さん本人が認めていると著者は書いています。
おそらく人間は、満たされないことや劣等感を引き金にして頑張れるし、行動を起こそうと思うのではないだろうか。(by 柳井正)
ユニクロの高収益は、中国での安い労働力に支えられている。その中国の労働賃金も上昇傾向にあるので、他のアジアの国、例えばバングラディシュなどに生産拠点を移す動きもあるようです。
自分たちが儲けるために、安い労働力を求めてアジアで生産する。ユニクロのやり方はむしろ現在の日本企業にとっては当たり前のやり方で、追随者は後を絶ちません。
ただ、同じくファストファッションを扱うスペインのZARAは、国内工場、自社の正社員による生産体制(つまり自前主義)を築き、同じように安価な衣料品で高収益を実現しています。
ユニクロは安くて良い商品を売っているが、日本で作られていたら、もっといいのにね、と正直思う。
ZARAの事例を読み、それに挑戦するユニクロも見てみたいと思いました。
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