2010/06/11
繁盛しないことが儲けるコツ
子供服スーパーの西松屋の業績が好調です。2010年2月の売上高は1177億円、経常利益は94億円。売上高経常利益率は業界屈指の8%。(日経トップリーダー6月号より)
西松屋は「子供を持つ家庭」の母親をターゲットにしています。この母親たちが求めるのは、「スピード」と「安全」。
子供の世話のために一刻も早く買い物を済ませたい母親にとって、混雑したレジや狭い通路、複雑なレイアウトは迷惑なだけ。子供がぶつかって危ないマネキンやワゴン売場も要りません。
この母親のニーズに答えるため、西松屋の店舗はガランとして広い。通路はまっすぐでベビーカーが3~4台すれ違って余りある。買い物客をあおるためのワゴンセールもなし。
また、レジや駐車場の混雑を緩和させるため、「繁盛店」を作らない方針なんだとか。基準より繁盛してしまった店には、周りに次々と追加出店し、客を分散させているのです。そこまでするか、と言う感じ。
工夫を凝らしたPOP、BGM、細い通路などは、西松屋ではご法度。忙しい母親が、パッと来てサッと買い物し、スッと帰れることを最も重視しているそうです。
これの真逆の戦略をとるのがヴィレッジヴァンガード。「遊べる本屋」というコンセプトのもと、店内は細くうねった通路、個性極まりなく凝ったPOP、ガンガン流れるBGMなどなど・・。
特に有名なのがこの手書きのPOP。
「ヴィレヴァン」のターゲットは10代~20代の若者。時間に余裕のある彼らの主たる来店動機は「暇つぶし」か「何か面白いものないかな」という無目的なもの。
店としては彼らの店内滞在時間を出来るだけ長くし、POPなどでアピールし、ワゴンなどを使った量感陳列で衝動買いやついで買いを誘います。
西松屋とヴィレッジヴァンガード。扱う商品やスタイルは全く違いますが、ターゲットとする顧客を明確にし、その行動の裏側にある心理をとらえ、そこに訴える店作りをしているところが共通点と言えそうです。
ターゲットを決めれば、全てが決まる。
西松屋とヴィレヴァン。
どちらも商売のヒントがたくさん隠れているお店です。
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