2016/12/01
捨てることは、本気を見せること
■どこに絞るのか?
ひとつの分野に絞って、そこに経営資源(ヒト・モノ・カネ)を注ぎ込み、徹底的に磨き上げていくことで競争力が増し、業績は上向く。
言うのは簡単ですが、実際にやろうとすると二の足を踏んでしまう。
今コンサルティングで関わっている会社もそうでした。色々と幅広く事業を行ってきて、成長してきたのですが、業界の流れが変わり、業績が一気に下降してしまいました。
「何でも屋」では生き残れないのは頭では分かっている。しかし、どこに絞り、何の専門家になればいのか決断できない。
絞ることは、他を捨てることですから、この決断は相当に勇気がいることです。
■経営者の重要責務
決断ができないのは、決断をする経験が少ないことも原因としてあります。これは2代目3代目の経営者に多く見られる現象。
業界が好調で、普通にやっていれば売上が伸びていった環境では、ヒリヒリするような、身を削るような決断は必要ありません。だから、決断することに慣れていない。
しかし環境が変われば、方向性を変える決断が必要になる。「慣れていないから」では済まされず、放置しておけば業績は下がるばかりです。
会社をどの方向に進めるのかという決断。これをやらずして、経営者の仕事を全うしていることにはなりません。
逆に言えば、これさえできれば、あとは何もしなくてもいいくらい。それくらい、経営者にとって重要な仕事だと思います。
■本気がファンを生む
どこかに絞って、ひたすらその道に進むこと。それにかける思いが本物であれば、多くの社員、そして顧客をも惹きつけ、ファンを作り出します。
すべてのメニューを一律280円でそろえる焼き鳥店の「鳥貴族」。全国に500店を展開し、業績も好調。さらに1000店の新規出店も視野に入れているそうです。(日本経済新聞2016年4月25日)
外食チェーンの多くが新たな業態に手を広げる中で、鳥貴族は焼き鳥ひと筋をあえて貫いています。
社長の大倉氏は、このことについて、「そのほうが焼き鳥にかける思いを社員に訴えやすいから」と言っています。
絞るということは、経営者の「本気」を見せること。
それが、社員を動かすのだ、ということです。そして、顧客をも惹きつけます。
■自分レベルの視点で
自分レベルではいかがでしょうか?
どこかに絞るということは、何かを捨てることだから、正直すごく恐いこと。
だから、捨てずに増やし続け、気がついたら何屋なのか分からなくってしまっている・・・。
そうなると、顧客から見ても魅力がないし、社員やスタッフさんの求心力も低下します。
しかもすべてが中途半端になりがちだから、自分自身のストレスもたまる。
自分は何が得意で、何をしている時が充実感を感じるのか?
そして、世の中は(顧客は)どう動いているのか?
この2つ。
そこに答えがあるはず。
応援しています。
(メルマガ「愛される会社の法則」第585号より)
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