2020/08/05
歩き回って経営しよう
愛知県名古屋市で中小企業の業績アップを親身に支援する経営コンサルティング事務所、レイマックの豊田です。
今回のテーマは【歩き回って経営しよう】です。
◆数合わせの経営計画書
先日、飲食店を開業したいという相談者が来ました。創業計画書を書いたので見てほしい、と。
綺麗に作られた計画書。金融機関の様式に整然と並べられた数字を眺める。それなりにまとまっていますが、やはり気になるのが売上の数値。
売上以外の部分はコストの積み上げだから、ある程度正確な数字が出ます。
しかし、売上に関しては根拠がない。コストを賄うような値を、無理やり数字合わせで入れているとしか思えません。
◆足で稼ぐ
「この売上数値は、どうやって出したんですか?」と聞くとムニャムニャと明確な返事はありません。つまり、あてずっぽうに決めている。
そこで、こうお願いしました。
「出店予定地の周辺の同業種のお店を最低3店舗調査してください。できれば5店舗。客として店に行って飲食すれば、客単価、客数を推測できるはず。そこから自店の売上を予測してほしい」
「それから契約した物件を管理する不動産屋さんに、以前入居していた飲食店の業態と客層、売上規模を分かる範囲で聞いてみてください。そこから売上を推測できるかもしれません」
「食材を卸す業者さんに、周辺地域の同業飲食店の売上を聞いてほしい。卸している食材やお酒の量で、売上が推測できるかもしれない。そこから何かヒントが得られるはずです」
相談者は、こういうことを一切せず、起業という大きな賭けをしようとしています。これはとても危険。自分の足でどれだけ情報を集められるか。悲観的に見てもこれくらいの売上は見込める、という根拠をそろえたうえで、なお採算が合う計画ならば、賭けに勝つ確率は高まります。
◆経営者の重要な仕事
自分の商品を磨くことはすごく重要です。
飲食店であれば、美味しいメニューを用意することは、もっとも重要なことのひとつです。
しかし問題は、それを求めている人がいるか?ということです。しかも、自社の採算が合うに足るマーケットのボリュームがあるか?
こういう情報って、ネット検索しても出てこないし、人口動態のデータを見ていても分からない。
分からないから調べないのではなく、自分で仮説を立てて、自分の足で情報を収集し、納得のいく計画を立てることこそ、起業家・経営者の仕事です。
◆自分レベルの視点で
自分レベルではいかがでしょうか。
僕たちは、自分で調べられることを、自分の足を使って調べているでしょうか?
ネットでなんでもわかる時代ですが、本当に必要な情報は、自分で取りに行かなければいけません。
自分の目で確かめる。仮説を立てて検証する。知っていそうな人に聞いてみる。
僕の妻はマンションを買うとき、周辺住民(たとえば八百屋さんとか)に、この地域についていろいろと聞き込み調査をし、「この地は間違いない」という結論を出し、買うことにしました(笑)。
こういうことって、超アナログですが、すごく大事だと思います。
大切な資金を投資して始める事業ならば、なおさら。
足で稼ぐ情報をおろそかにしてはいけない。そしてその情報を自分なりに消化し、決断する力を養おう。
MBWA(マネジメント・バイ・ウォーキング・アラウンド)という言葉があります。「歩き回って経営せよ」ということ。
歩き回れば何かが分かる。
応援しています。
(無料メルマガ『愛される会社の法則』第704号2018/10/12より)※メルマガの登録はこちらから。(無料)
★売るため7(ウルタメセブン)冊子版(123頁)発売中!
ご購入はこちらから。
※無料のダウンロード版もあります。ダウンロード版はこちらからどうぞ。
最近のブログentries
コンサルプランconsulting plan
情報発信information