名古屋の経営コンサルタント レイマック

豊田礼人ブログ「シンプルなことの繰り返し」

2017/07/14

成果を出せるコンサルタントが必ずしていることとは?

こんにちは。愛知県名古屋市で中小企業のマーケティングを支援する経営コンサルティング事務所、レイマックの豊田礼人です。

 

 

今読んでいる「謙虚なコンサルティング」という本の中に、コンサルタント(支援する人)とクライアントとの関係性の深さをレベル1~3に分ける考え方が紹介されていて、とても興味深いです。

 

 

ここでいうレベル1とは、「取引上の、お役所的な、ほどほどの距離を保った関係」です。この関係においては、個人的なことには踏み込まず、感情をあまり差し挟まない。そして互いに「こうであるはずだ」と思っていることをもとに、持ちつ持たれつのやり取りを型どおりに行う。こちらが何かを与えれば、相手は礼を言う。何かを尋ねられたら、答えなければと思う、といった具合。いわばビジネスライクな関係です。

 

 

レベル2は、仕事のことだけじゃなく、プライベートのことも含め、少し踏み込んだことも話し合える関係。いわば「個人的な関係」。リラックスしながら、お互いの間に心地よい信頼関係がある状態。一緒に食事をしたりお酒を飲んだりすると、レベル2に到達しやすくなります。

 

 

レベル2のような個人的な関係を築くと、「解決の糸口につながりそうな」問題点を突き止めるチャンスが増え、無駄あるいは有害な診断プロセスや介入を始めてしまうエラーを防げます。

 

 

そしてレベル3は、レベル2を超えた「親密な」あるいは「近しい」関係のこと。レベル3の関係はなれ合いや身内びいき、えこひいきを生み出す恐れがあり、ビジネスの場ではふさわしくないものです。

 

 

この本の著者のエドガー・H・シャインさんは、自身がコンサルティングを行うときに、クライアントとの間にレベル2の関係が築けると、良い結果が得られる、と述べています。

 

 

レベル1のままだと、コミュニケーションの密度が薄くなり、必要な情報が得られなかったり、思い違いや行き違いが発生しやすく、コンサルティングが機能しない場合がある。

クライアントの本当の意図を見抜けず、ズレた企画を提案してしまうこともあります。

 

 

僕も自分とクライアントとのことを思い返せば、長期間に渡って契約が続き、良い結果に結びついているのは、レベル2の関係を結べているクライアントさんばかりです。

 

 

これらのクライアントの経営者とは、ビジネスだけでなく、それ以外のこともリラックスした雰囲気で話し合える関係です。そこから得た情報も加味した上でコンサルティングができるので、的確に正しく作用します。だから長続きする。

 

 

また、こういうクライアントさんとは、経営者だけでなくその社員さんとも仲良くなっていることも多いです。結局会社というのは、戦略は経営層が決めたとしても、実行は社員なので、その実行部隊の人たちともレベル2の関係が築けていると、成果が出やすくなります。

 

 

一方で、短期間で契約が終了してしまうクライアントもいます。そのクライアントとは、レベル1の関係にとどまっていたと認めざるを得ません。お互い一生懸命に仕事に取り組んでいるものの、どこかクールで、一歩踏み込めていない関係。公的機関の仕事や、金融機関などの代理店経由の仕事も、どうしてもレベル1になりがちです。

 

 

いつも、クライアントとはなるべく早い段階でレベル2の関係を結びたいと思っています。しかし、すぐにそうなれるケースばかりではありません。これは相性だったり、クライアントさんの社風に関係することだったりします。仕事上の相手とは常に一線を引く、というスタンスを貫くタイプのクライアントもいます。

 

 

サービスの特性として、提供する側と提供される側が協力し合うことで成り立つ、ということがあります。

 

 

コンサルタントがコンサルティングサービスを提供しても、提供されたクライアント側が実際の行動に移さないと、永遠に成果は生まれません。

 

 

コンサルティングサービスはクライアントが行動するという「協力」があって初めて機能します。ですからコンサルタントは正しいことを言うだけじゃなく、協力が得られるようにクライアントに働きかける必要がありますここがとても重要です。ここを理解せずにコンサルティングをすると必ず失敗します。

 

 

協力を導き出すには、レベル2の関係構築が大きく貢献します。

 

 

レベル2の関係構築のためには、自分のことをさらけ出すことも必要です。自分の幼少のころの話や、失敗談を話すのも有効です。逆に、クライアントの幼少のことを聞いたり、失敗談を聞かせてもらうことで、ぐっと関係が近くなることもあります。しかし、常に「課題指向」であることを忘れてはいけません。

 

 

レベル1を脱し、レベル2に到達すること。しかしレベル3にまで行き過ぎないこと。こんな意識が必要だと思います。

 

(お知らせ)

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【テーマ】
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