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豊田礼人の基本的な考え方を
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2007/04/27

第106号【コトを売れ!】

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■モノからコトへ
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モノを売る時代から、コトを売る時代に変わりつつあります。
成熟した市場では、モノを売るという視点だけでは利益が得られず、
以前のような業績が出せない企業が増えています。

モノあまりの時代には、モノは「安い」か、あるいは何か「特別な差
別化ポイント」がないと売れません。また、そのモノを求める「市場」
自体が縮小している可能性も見逃せません。

こういう中で、資金力のない中小企業が安売り競争をやっても勝てま
せん。消耗戦に陥って、体力のある大手企業が最終的に勝つことにな
るのです。

そこで、中小企業では、「コト」を売る視点が必要になってくるのです。

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■コトを売るとは?
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では、コトを売るとはどういこうことでしょうか。

コトを売るとは、その商品を使うことによって得られる便益(ベネフ
ィット)を売るということです。例えば、ソファーを買う人は、ただ
その布(革)が張られた長方形の物体が欲しいのではなく、「くつろい
で過ごせる時間」「家族との団欒」や「素敵なインテリアと家具に囲ま
れて快適に過ごせる空間」といったコトが欲しいのです。

つまり、楽しいコト、癒されるコト、気持ちいいコトを求めているの
です。

この視点を入れるとソファーの売り方も変わってきます。売り場にき
れいに並べておくだけでは売れません。そのソファーがあることによ
って「どんなコト」が生まれるのかを提案しなければなりません。

それも、単に、例えば家族団らんの「シーン」を演出するだけではなく、
売っている人間が実体験している「コト」を言葉で表現することが大
切です。リアルな言葉が必要なのです。

DMの作り方にしても、写真と価格を入れるだけでは、お客様は動き
ません。「コト」をイメージできるような提案内容にする必要があるの
です。

そこでは、言葉の力もとても重要です。イメージ先行のキレイなだけ
のチラシでは、わがままなお客様には効かなくなってきているのです。

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■コトが賛同される企業へ
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お客様が手に入れたい「コト」を売る方向性の他に、売る側が行って
いる「コト」を売る方向性もあります。

例えば、このメルマガでさんざん紹介しているアウトドア衣料のパタ
ゴニア。この会社はペットボトルからフリースを作ったり、オーガニ
ックコットンを全面的に採用したり、売上の1%(利益の1%じゃな
いですよ!)を環境支援団体に寄付するなど、環境問題に超積極的に
取組んでいることで有名な会社です。

彼らが環境問題に取組む「コト」は、消費者にとって大きなインパク
トを与えます。そのインパクトが、フリースを買うなら、環境にやさし
いパタゴニアで」という購買活動につながります。

つまり、お客様は、フリースという物体にプラスして、パタゴニアが
環境問題に取組む「コト」を、あわせて購入しているのです。

パタゴニアの商品は他社製に比べれば高価ですが、環境への取組みに
賛同するお客様に売れており、高収益体質を実現しています。

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■コトがブランドを強くする
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この売る側が行う「コト」がその会社の、あるいはその商品のブラン
ドの一部を形成します。パタゴニアというブランドには、「環境問題に
積極的に取組んでいます」という「コト」が上乗せされており、ブラ
ンドを強くしています。

絶好調なトヨタ自動車が絶好調なのは、「プリウス」の存在なしには
語れないでしょう。

このハイブリッドカーを通して、「環境問題にいち早く取組む企業」と
いうイメージ付けに成功しています。

トヨタなりの方法論で環境問題に取組む「コト」が、大きな売上とお
金に代えられない大きなブランド力の形成に寄与しているのだと感じ
ます。

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■自分レベルの視点で
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売る側がする「コト」は、環境問題だけではありません。もっと小さ
な、日常で出来る範囲のことがいろいろあります。

たとえば、毎朝店の前の道路を掃除したり、道路わきの植え込みに花
を植えたりするちょっとした「コト」が、お客様の心を捉えることも
できるでしょう。

プロゴルファーの上田桃子選手は、その明るく奔放なキャラクターで
人気ですが、福祉へのボランティア活動を積極的に行っているそうで
す。

そういった上田選手の姿勢や取り組みを見ると、今まで以上に応援し
たくなります。

僕が奥さんとよく言った小さなラーメン屋の大将は、近くの小学校で
「餃子教室」を定期的に開いていました。その様子が店内に貼ってあ
るのを見て、「あの親父、無愛想だけどいいとこあるじゃん!」と思
ったものです。

客として感じるこういう気持ちが、この店のブランドをジワっと強く
するんですよね。

またあの餃子が食べたくなりました(笑)。

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■編集後記
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今週は飲み会の連続で忙しい一週間でした。一昨日も仕事関係の人た
ちと夜中の3時まで飲んでいました。皆同年代から少し下の年代の人
たちですが、すごく元気で(夜だけ?)、たくさんパワーをもらいました。
お酒を飲みながら、深夜に色々話していると、本音がたくさん出てきて
いろいろな考え方や価値観が分かるし、自分の考え方も整理できます。
これも参謀効果だよな、と感じました。でも翌日フラフラになるので、
「たまに」でいいですね。では、ゴールデンウィーク、楽しんでください。

(第106号終わり)

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