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豊田礼人の基本的な考え方を
書いているメルマガです

2007/02/09

第95号【お問い合わせはコストか?】

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■iPodは難しい?
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iPodを手に入れました。
奥さんの実家のお母さんが懸賞で当てたものを頂いたのです。結構
何でも当てるお母さんで、ホント助かっています(ありがとうございます)。

それで、さっそく使おうと思ってセットアップに取り組んだのですが、
これがなかなか上手く機動しないのです。

説明書はかなり荒く説明してあるだけで、「詳しくはネットで」という
感じ。そもそも機械オンチ気味の私は、かなり苦しみました。

もう、明日アップルストアに持ち込もう!と思った矢先です。
単に充電不足だったのか、それともネットからダウンロードしたソフト
が機能したのか、とにかく、その白く薄っぺらいコンピュータはやっ
と立ち上がったのです。

5時間の苦闘の末、念願のiPodライフがはじまったのです。

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■デルは失速、アップルは躍進
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こんな機械オンチの私にとって、例えばデルのような無店舗販売はどう
しても敬遠しがちです。安さは魅力ですが、それ以上に心理的な不安
が大きいのです。上手くセットアップできるのかな、と思ってしまう
のです。

2006年を境にデルの成長は鈍り、01年から守ってきたパソコン
世界シェア首位の座も、06年後半からヒューレット・パッカードに
奪われたようです。(07年2月2日 日経新聞より)

効率化を重視したデルは顧客からの問い合わせを「コスト」とみなし、
担当者は短時間で電話を切るのが望ましいとされたそうです。最近の
PC関連業界は、なるべく問い合わせを受けないように、電話番号を
乗せない傾向があるように感じるのは、僕だけではないはずです。

無店舗で効率化を重視しすぎて失速したデルとは対照的に、アップル
は実店舗でのパソコン販売を強化して業績を伸ばしています。製品に
精通した店員が顧客の相談に乗ることで顧客満足を高めているのです。

アップルのティム・クックCOOは、「パソコンも家電と同じ。(デル
のような)直販では製品の魅力を伝えられなくなった」と述べています。

私のような機械オンチにとっては、とてもうれしい傾向です。

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■僕たちは群れたいのだ
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「ロングテール」の中で著者のクリス・アンダーソンは、オンライン
ショッピング市場が伸びている一方で、リアルな店舗での消費は今後
も根強く残るだろう、と報告しています。

それは、「僕たち人間は群れをつくる種であって、(中略)集団でいる
と安心感があり、他者と同じ体験が親近感を生む」からなのです。

オンラインショップは便利で、なおかつ、検索エンジンを使うことで
欲しいものを確実に探し出すことができます。

それでも僕たちは、人が集まるところに行きたくなるのです。この
習性は、便利だという合理性を超越するものなのだと思います。

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■自分レベルの視点で
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お客様からの問い合わせを「コスト」とみなし、いかに時間をかけず
に「処理」するか、という気持ちで取り組んでいる限り、お客様の
気持ちを動かすことはできないでしょう。

マニュアルやホームページで分かりやく説明しておくことはもちろん
重要です。そこを徹底することにより、効率化できることはたくさん
あることは事実です。

しかし、それでも僕たち人間は、電話で直接話したいと思うし、でき
れば会って顔を見ながら、表情の変化を読み取りながら話たいと思う
のです。

そう思って電話をかけてくださる「人間くさい」お客様をいかに大事
にするか。

お客様の問い合わせは決してコストではありません。その声の向こう
にビジネスのヒントがたくさん隠れているのです。

僕にも問い合わせをくださる読者の方がいらっしゃいます。
これほど嬉しいことはありません。

お客様の声がたくさん集まる会社。それに丁寧に答え、お褒めの
言葉を頂く会社。

そういう会社は、ブランド力がどんどん強くなるのです。

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■今週の一冊  「ロングテール」 クリス・アンダーソン著
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話題の一冊、やっと読破しました。中身が濃く、なかなか読み応えの
ある一冊です。アップルのiTMSやアマゾンなどを例にあげ、「物理
的な在庫スペースが不要」な世界の商売が可能になってきたロングテ
―ル時代について興味深く解説してくれます。我々は今まで誰か(例
えばバイヤー)が選んで店頭に並べた商品を買わされてきました。し
かしネットと検索エンジンを手に入れた僕たちは、ほぼ無限にある商品
リストの中から、自分好みの一品を探し出し、買うことができます。こ
ういう時代のマーケティングの考え方を学ぶのに、とても重要な本だと
思います。興味のある方はこちらから↓
https://www.raymac.jp

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■編集後記
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昨日は春みたいに暖かい日でした。テレビのニュースでは、「春のよう
な暖かさです!」なんて嬉しそうにお天気キャスターがはしゃいでい
ますが、違和感を感じるのは僕だけでしょうか。地球がこれ以上温暖化
しませんように、と祈る毎日です。風邪がなかなか治りませんが、2月
はもっと寒くていいですよ、とiPodを聞きながら自転車をこいでいる
豊田です。では、また来週。

(第95号終わり)

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