名古屋の経営コンサルタント レイマック

Mail Magazine
無料メールマガジン(バックナンバー)

豊田礼人の基本的な考え方を
書いているメルマガです

2006/05/12

第56号 インテルの謎

===============================
■インテル、入ってる?
===============================

「インテル、入ってる(Intel Inside)」のコピーは日本で生まれた
そうです。91年発売の東芝「ダイナブック」がその1号だとか。これ
に米本社が飛びつき、IBMが自社のパソコンの広告にインテルのロゴ
を配したのをきっかけに、世界へと展開されていきました。

その後、PCメーカーとの相乗り的なCMにとどまらず、最近では独自
のCMを制作し、「インテルの技術で生活が変わる」というイメージ
を訴求しています。

「もしこの犬にインテルが入っていたら・・」というナレーションが
入り、犬が機転を利かして深津絵里さん扮するご主人のピンチを救う、
というCMが最近よく放映されています。下記サイトからも見れますよ。
http://www.intel.co.jp/jp/personal/campaign/

===============================
■AW、入ってる?
===============================

自動車のオートマチック・トランスミッションで有名なアイシンAWは、
辺見えみりさんを擁したCMを以前から流しています。

辺見えみりさんが赤いソファに座って、高速道路を気持ちよさそうに
はしり、「この気持ちよさはアイシンAWのATだから」とナレーション
が入ります。

同社のATは、まるでソファでくつろいでる時のような快適な空間を
演出します、というのがCMの訴求ポイントです。
時間に余裕のある人はこちらもどうぞ。
http://www.aisin-aw.co.jp/09special/01cm/index.html

===============================
■CMの狙いは何?
===============================

この2つの会社の共通点は、部品メーカーであることです。どちらの
会社も消費者が直接目にすることは無いモノを売っています。ほとん
どの人はこれらの会社の製品が最終商品に組み込まれていることを意
識せずに購買しているのではないでしょうか。

「アイシンAWのトランスミッションが使われているから、この車を
買おう!」という人はかなりのマニアな方たちのみでしょう。

「インテルのMPUが入ってるから、このパソコンを買おう」という
人は若干いそうな気もしますが、少なくとも僕も含めたPCオンチな
人たちは全く気にも止めません(^^;)。

であるのに、この2社は大きな広告予算を使い、ブランド力を高めよ
うとしています。その狙いは何なのでしょうか。

===============================
■人を引き付けるブランドになる
===============================

まず顧客企業へのアピールになることが考えられます。CMで知名度
を上げ、ブランド力を強化することで営業面で有利に働くことは想像
できます。ブランド力を武器に無名なメーカーよりも高価格で取引き
することも可能でしょう。でもこの理由のみでは弱い気がします。

もう一つは、従業員の愛社精神を高める効用です。個人的にはこちら
の理由の方が大きいと感じています。自社ブランドが有名であること
は、社内の結束を高めたり、一人一人の自尊心をくすぐる効果があり
ます。

また、採用の面での影響も大きいはずです。学生にとって「皆が知っ
ている会社」に入社することは非常に重要なことであることは間違い
ありません。ブランド企業に入ることは皆に自慢できますから。

言うまでもありませんが企業にとって「人」は最重要課題です。優秀
な人を採用し、高いモチベーションで仕事に取り組んでもらうことは、
企業が永続的に成長していくためには不可欠な要素です。特に最近で
はこのことを重要視する経営者が増えています。前述のCMはそのた
めの重要な役割を担っているのです。

===============================
■自分レベルの視点で
===============================

あなたの会社が最終商品ではなく、部品のみを作っている会社であった
としても、ブランド力を高める努力は必要です。

顧客企業への営業的影響力の面からだけでなく、特に人材確保面におい
て重要です。小さな会社こそ、従業員一人一人が担う役割は大きいので
積極的に検討する必要があります。

インテルやアイシンAWのような大規模なCM戦略はとれませんが、
会社の規模にあった地道なブランド強化戦略を実行していく必要が
あります。

難しいことではありません。まず地域の人たちに自社を知ってもらう
活動から初めてみることをお勧めします。僕の近所のホンダディーラー
では毎朝従業員が全員で店前の掃除をしています。これだけで、「あ、
いい会社だな」と思ってしまいます。

ブランドの芽はこういったところから出てくるのです。優秀な人たち
は、その小さな芽を必ず見つけ出して、そして寄ってきます。
その人たちが、その芽をもっと大きく成長させてくれるのです。

人材確保のためのブランド強化策に、時間と少しだけのお金を使って
みてはいかがでしょうか?

===============================
■編集後記
===============================

今年もゴールデンウィークが終わりました。毎回ニュースで帰省ラッ
シュで渋滞する高速道路や満員の新幹線の様子を見ますが、あれ、な
んで見ちゃうんでしょうかね?「いや~混んでますな~」とか言いな
がら寝っころがってテレビ見ていると、何となく優越感に浸れるから
でしょうか。いわゆる高みの見物的な。ニュースキャスターもちょっと
嬉しそうですもんね。これは「こっちは仕事だぞ。ざまーみろ」的な
気分からでしょうか。とにかく、やっと金曜日ですね。お疲れです。

メールマガジンmail magazine

最近のメルマガentries

コンサルプランconsulting plan

情報発信information

毎月発行
Raymac press 最新号

レイマックプレス第175号はHAPPINESSFLOWER 代表、尾関勇亮さんにインタビューしています。     『お客さんを笑顔にするのが嬉しい』   &nb……

>> Raymac pressバックナンバー