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豊田礼人の基本的な考え方を
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2014/04/11

第469号【Qを高めよ】

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■機会を求める人と能力を高める人

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最近関わっているクライアントのプロジェクトで。

 

 

メンバーの一人は、とにかく売上をあげるために、

外に飛び出しては取引できそうな企業を見つけてアピールし、

事業の機会を追い求め、

早く実績を作ろうと前のめり気味な人。

 

 

もう一人のメンバーは、

新しいプロジェクトであるがゆえに、

まず商品のことや仕事を確実に回すためのオペレーション、

さらにはブランディングのためにウェブサイトのデザインのことなど、

内部の仕組み作りにコツコツと取り組む人。

 

どちらが良いという話ではなく、

新規事業を立ち上げるためにはこの両面が充実していることが望ましい。

 

 

外の機会を追い求める人。

内部の能力を高める人。

 

 

この2つのタイプの人が揃っているプロジェクトなので、

成功確率は相当高いのではないか、と秘かに期待しています。

 

 

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■O企業とQ企業

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外の機会を求めることと、

内部の能力をたかめることに関連して、

4月9日の日本経済新聞に、

一橋大学の楠木建教授のコラムが掲載されていました。

 

その中で楠木先生は、

 

企業は、

事業機会を追い求めるオポチュニティ企業(O企業)と

内部の能力を高めて価値を作り出すクオリティー企業(Q企業)

の2タイプに分かれると説いています。

 

 

新興国など経済が成長している環境ではO企業が躍進します。

このタイプの企業は、

次々と現れる新しい事業機会をとらえ、先行者優位を獲得し、

利益を伸ばしていきます。

 

 

一方で日本国内のような成熟した経済環境下では、

Q企業が成果を出しやすい。

このタイプの企業は

事業領域を絞り込み、品質を高め、

他社と差別化できるような独自の価値を創出して利益に結び付けます。

 

 

O企業は、

市場が未開拓な状態の時は追い風に乗って業績を伸ばしますが、

市場が開拓され行くにつれ、他社との違いが無くなり、

長期的視点で見ると苦しくなっていきます。

 

 

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■Q企業の成功ポイントは専業性

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ここでのポイントはこういうこと。

 

つまり、

O企業スタイルで業績を伸ばしてきたとしても、

市場が成熟していくにつれ、業績の伸びは止まる。

 

そうなる前に、

内部のスキルを磨き、差別化ポイントを作り出し、

Q企業タイプのスタイルに転換していくことが、

長期に渡って安定利益を得ていくためには必要。

 

 

さらに重要なこと。

 

それは、Q企業として成果を得るためには、

「専業性」がカギだ、ということ。

 

楠木先生いわく、

 

成熟した市場の中で競争力を発揮するためには、

特定の事業領域に特化し、

深掘りすることで、

他社が容易に模倣できない価値を生み出すことが重要だ、と。

 

 

経営資源が限られる中小企業こそ、

事業を絞り、

専業特化していきなさい。

 

 

いろいろなことに手を出して勝てるほど、この世は甘くない。

 

 

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■自分レベルの視点で

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自分レベルではどうでしょうか?

 

 

僕たちは事業が伸び悩んでくると、

何か新しいことをやらないといけない、

と考えます。

 

そして、誰も手をつけていなさそうな事業や商品を見つけ出し、

それを売ることで競争を優位に進めようとする。

 

 

しかし日本国内で、

新しい事業機会を求めるアプローチは早晩、行き詰る。

事業機会を見つけるのは大変だし、

そもそも新しい機会自体が少ない。

 

 

それよりも、

僕たちはQ(クオリティ)を高める方向性を大事にすべき。

 

 

あっと驚く新事業なんてやらなくていい。

 

 

地味でもいいから、

ジワジワと顧客価値を上げていけるような事業をやるのがいい。

 

 

そのためには自分の進みたい方向性を見失わずに、

能力を一点に結集できるような戦略を考えたい。

 

 

深掘りするために、何かを捨てる勇気。

 

 

Qを高めるために、避けられない。

僕も考えてみようと思います。

 

ぜひ、あなたも。

 

 

応援しています。

 

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