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豊田礼人の基本的な考え方を
書いているメルマガです

2005/09/02

第20号 競争がマーケットをつくる

豊田です。今回で20号目の発行です。毎回へたくそな文章ですが、
誠意を込めて書いています。毎回読んでくれる皆様、本当に感謝して
います! では、本日のテーマ、行きます!

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■本日のテーマ:競争がマーケットをつくる
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日本一成功している商店街のひとつが、名古屋の大須商店街です。こ
の商店街も一時は瀕死の状態でしたが、「古着」や「中古ブランド品」
と「コンピュータ」とを上手く融合させ、見事な復活を果たしました。

先ごろ、この大須商店街に電子マネーのEdy(エディ)が導入され
ました。利用できる店舗は約150店舗。全国的にも有力な大須商店
街への導入とあって、さまざまなメディアから注目されているようです。

電子マネーといえば、10年以上前からいろいろな場所で実験されて
きましたが、ほとんどが失敗に終わりました。
最も記憶に残っているのが、98年の渋谷におけるVISAの電子マ
ネー実験です。渋谷スマートカードと呼ばれたものです。

この実験では電子マネーカードの発行枚数こそ目標値をクリアしたもの
の、肝心の加盟店数が増えず、消費者の支持を得られなかったことが
大きな失敗原因といわれています。

Edyを運営するビットワレットの川合社長は、「Edyの一段の普及
には、競争相手が必要だ」と言っています。「競争相手がいれば、マー
ケットが活性化し、規模も膨らむからだ。競争相手の存在は歓迎すべき
だ」そうです。利用可能な店舗数の確保はもちろん、電子マネー自体の
認知度をあげないとダメだ、ということです。

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■ブランドのココロ:ライバルは味方?
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ブランドを成長させる時、ライバルの存在は重要です。お互いが切磋
琢磨することにより、早く、強いブランドを育成することができます。

マーケットが未成熟な時は、特にそうです。複数のブランドが塊とな
って情報発信や活動を行うことにより、単独で行うより大きなうねり
を生み出すことができることは、容易に想像できます。

例えば、人材派遣業界は、無数の業者が短期間に市場参入したことで、
「人材派遣」という未知の分野をまたたく間に世間に認知させ、マー
ケットを急拡大することができました。今やちょっとした会社であれ
ば派遣社員は必ず存在します。数年前には考えられない状況です。

レクサスが狙う高級車マーケットは、メルセデス・BMWといった輸
入車ブランドだけではなく、日産・ホンダが参入することにより、も
っと大きなうねりを生み出すことができるはずです。トヨタ陣営もそれ
をきっと心待ちにしているはずです。カモーン、ゴーン!

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■自分レベルの視点で
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商店街もかつては集積することにより、集客し、マーケットを作って
いました。しかし、ほとんどの商店街は、残念ながら衰退しています。

衰退の原因はいろいろ考えられますが、個店の没個性化は最も重大な
原因のひとつでしょう。個性の無い店が集まっただけでは、消費者を
引付けることは困難になってきたのです。大須の成功は、各店が若い
感性をエネルギーにして、店の魅力度を高めたことに起因します。そ
ういう店が集まり、競争することで、相乗効果が生まれ、街全体が活
性化したのです。

Edyの社長も、この競争の効果をよく知っているのですね。関東で
はJR系の「スイカ」と競り合うことで電子マネーマーケットを拡大
しています。
名古屋圏でも、こういったライバルの出現を待ち望んでいるようです。

自分の個性を明確にした上で、ライバルと共存する。これにより、マ
ーケットを拡大し、パイ自体を大きくする。パイが大きければ、自分
のビジネスも大きくすることができる、という論理です。

ライバルを排除するのではなく、お互いのために認め合い、磨き合う。
個人レベルでもとても参考になりますね。

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■今週の一冊 :さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 山田真哉 著
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公認会計士の著者が、身近な事例を題材にして、会計のイロハを教えて
くれる本です。最初のうちは、「何を当たり前のことを」と思いながら
読んでいましたが、読んでいくうちに、この本がベストセラーになった
理由が分かってきました。それは、「会計の専門家ではない人たちが抵抗
なく読める会計の本」というコンセプトが見事に貫かれていることです。
士業の人が書いた文章はコムズカシクなりがちですが、それだと一般の
人には理解されず、内輪ウケにとどまります。それでは部数は伸びませ
ん。このあたりのバランス感覚が、この山田氏は天才的に上手いのだと
思います。これから本を書こうと思っている人にはめちゃくちゃ参考に
なる本です。2時間で読めるのも助かります。

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■もう一言
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メルマガ執筆って結構大変だな~と痛感しています。「やればできる」
がモットーの私ですが、人に読んでもらえる文章を書くということは、
なかなか忍耐が必要です。たまにへこたれそうになりますが、これから
も頑張って続けていきます。皆さんからのコメントだけがモチベーシ
ョンの源です。何でも結構ですので、これからもドシドシメールしてく
ださい。よろしくお願いします。

では、また来週会いましょう!

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