名古屋の経営コンサルタント レイマック

豊田礼人ブログ「シンプルなことの繰り返し」

2016/07/06

手っ取り早く儲かるビジネスを教えて

先日、高齢の経営者が相談にきました。50年以上会社経営をしてきて、儲かった時期もあったそうです。しかし人生も終盤に差し掛かった今、経営が上手くいかなくなって困っている、という相談です。

 

従業員はいない。自分一人だけ。大きな商売をしているわけではない。

 

毎月赤字体質になり、老後に向けて貯めていた貯金を切り崩し、底をついた。

いよいよ来月の家賃が払えなくなるところまで追い込まれ、やむなく相談にみえたのです。

 

話を聞いて、現在のビジネスを立て直すことも難しそうでした。ネットを使ったり、人を雇ったり、新しいアイデアをカタチにしたり、そういうことも年齢的にちょっとムリな感じです。

 

しかも困ったことに、相手(僕)の話を聞こうとしない。だから質問できないから核心に辿り着けない。コンサルの場面ではこれが結構ネックになってしまいます。

 

1時間の予定のミーティングなのに、自分のやってきたことを一方的に話されて、時間がどんどん無くなっていく。相談の場が、単なる演説の場になってしまう。こちらも焦る。

 

で、今日の相談はどんなことか、と割り込み気味に改めて聴くと、

 

「何か、手っ取り早く、簡単に、儲かるビジネスを教えて欲しい」と言います。

 

「そんなもの、ないですよ」と即答したくなったが、ぐっと飲み込む。

 

50年以上ビジネスをしてきた人であれば、この世にそんなうまい話はないことぐらいわかるはず。僕に言われなくとも。

 

本人も、そんなことわかっているはずだ。でも、追い込まれてそういう発想になってしまったのか。

 

あるいは、そういう発想で今まで仕事をしてきたから、最後の最後で追い込まれてしまったのか。

 

どっちだろうか。

 

身なりもきちんとしていて、話し方も丁寧で、礼儀正しい紳士。でも言葉の端々に少しずつ違和感が漂う。例えば、「商売というのは多少のハッタリは必要だ」と繰り返し言う。商売にハッタリは本当に必要なのか?

 

「ご子息に面倒をみてもらうことはできないのですか?」

 

このまま赤字事業を続けるよりも、損失が膨らまないうちに撤退したほうが良い。しかしその後の生活はどうなる?心配して聞いてみました。

 

「息子たちは助けてくれない。若い頃、厳しく接し過ぎたから、俺のことを嫌っているんだ」と力なく笑う。

 

悲しすぎる言葉。でも、それも自分が引き起こした現実。

 

「日々、誠実な仕事の積み重ね」

「大切な人を、大切にする」

 

とにかくこれだ。これしかないです。

 

これ無くして、事業の成功もないし、人生の成功もない。

 

年輪を刻んだその顔を見ながら思いました。

 

僕ができることは、流血(赤字)をすぐに止めるように促すことと、

ひたすら話を聴き、受け止めることだけ。

 

最後は笑顔で帰って行ったけれど、

どんな気持ちだったのか。

 

多少は踏ん切りがついたのか。

 

それとも時間の無駄だったと思われたのか。

 

何とか乗り切って、ハッピーエンドを迎えて欲しいと願います。

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