名古屋の経営コンサルタント レイマック

豊田礼人ブログ「シンプルなことの繰り返し」

2011/01/12

経営相談コーナー Vol.7(老舗企業の憂鬱)

経営相談です。

【Q】.創業50年を超える老舗企業です。10年前をピークに売上が減少し続けています。直前期では創業以来始めて賞与カットをしました。社員の士気低下が心配ですが、経営を維持するためにはやむを得ませんでした。このまま売上が上がらなければ、社員を解雇しなければいけない状態になってしまいます。

【A】.社歴の長い企業は、創業当時のビジネスモデルがしっかりしてからこそ長く続いているのだと思います。ただ、質問内容からすると、そのビジネスモデルが現在では通用しなくなってきている恐れがあります。

企業経営を見るとき、僕はbmmo(ビーモ)という視点を持ちます。ビジネスモデル、マーケティング、マネジメント、オペレーションの4つ視点です。企業が置かれている環境によって4つのうち何に重点を置いて変革させるかは異なりますが、貴社のように社歴が長く衰退期に入っている恐れがある老舗企業では、まずビジネスモデルの見直しをすべきでしょう。

今まで買ってくれていた顧客が、買ってくれなくなったということが、おそらくはビジネスモデル上の大きな問題になっているはずです。

であるならば、その顧客が買いたくなるように商品を改善するか、新たに商品をラインナップするか、現在の商品を買ってくれそうな新たな顧客を設定するか、などを検討する必要があります。

「買ってくれる量が減っている」のであれば、たくさん買っていただけるように、顧客のビジネスを発展させるサポートを強化してくことも検討課題になるでしょう。

ビジネスモデルは、「誰に、何を、どのように作って(調達して)提供することでライバルと差別化し、顧客を喜ばせてリピートさせること」を仕組むことです。そのビジネスモデルが貴社の強みをベースに設計されているかどうかも重要です。まずその点を再確認してみてはいかがでしょうか。

また、僕も100年続いた企業に勤めていたので感じるのですが、老舗企業は往々にして組織が硬直化しています。つまりマネジメントの問題です。新しいことや変化を望まない組織になっている可能性があるのです。

その場合、改革しようにも抵抗勢力が生まれたり、冷めた態度を取る社員が現れたりして、マネジメントが機能しないことがあります。そういう中で改革を進めるためには、社長直轄のプロジェクトチームを若い人中心で編成する方法がとられます。

古参社員との対立が予想されますが、対立が生まれた時は、「顧客のためにどうするべきか」で判断し、社長が決定していくことが必要になります。

推測を交えながら、一般的な老舗企業の改革という視点で書きました。

参考になる点があれば嬉しく思います。

応援しています。

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