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豊田礼人の基本的な考え方を
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2006/10/13

第78号【階段を昇らせる】

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■アウトレット・モール
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先日アウトレット・モールに行ってきました。

買い物好きの奥さんは嬉々として次から次へと獲物を捕らえ、僕の
クレジットカードとともに獲物をレジの店員に突き出していました。

僕もその勢いにあおられ、片っ端から店舗に入るのですが、なかなか
欲しいと思うモノに出会えず、そうこうするうちに日が暮れ始め、
やっとの思いで買ったのが、ナイキショップのゴルフボール。

奥さんは呆れ顔でした。買い物下手な亭主・・。

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■2ステップの大切さ
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アウトレットですから、正規店で売れ残った「ワケあり商品」がメイン
です。なんとなく古臭いデザインだったり、変なところにボタンが
ついていたり・・。サイズがLLばっかりだったりもします。
(コンパクトサイズの僕には大きすぎる!)

しかしモールは大盛況で、どの店もお客さんで溢れ返り、中には入場
制限している店もあります。ブランド品が安く買えるとあって、掘り
出しモノを探しにきている人も多そうです。

ブランド側も在庫処分ができるチャネルとして活用しているのでしょ
うが、別のメリットも、またあるようです。

アウトレットモール運営のチェルシープロパティグループCEOのレ
スリー・チャオ氏は、「アウトレットに出店するブランドにとって、
新規の客を獲得するメリットがある」と述べています。

つまり、正規店で買うのは敷居が高いと感じている消費者が、アウト
レット店でそのブランドを買い、体験することで、正規店の客へと
ステップアップしてくれる可能性を見込んでいるのです。

確かに、アウトレットモールでは、高級ブランド店でもお客さんが
わんさか入り、商品をひっくり返して吟味しているので、とても気軽
に商品を見て、買うことができます。かしこまらなくていいんですね。

アウトレットでそのブランドの良さに触れ、ブランドロイヤルティ(愛顧)
を育み、正規店の顧客になってもらうという「2ステップ」戦略をブラ
ンド側は行っているのです。

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■失敗リスクを減らしてあげる
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いきなり商品を買ってもらうのはお客にとってもリスクがあるから、
まずは無料サンプルで試用してもらい、気に入ってもらったら買って
もらう、という方法は当たり前のように行われています。

街をあるけばガムなどの試供品を配っているし、スーパーに行けば試食
や試飲がたくさん行われています。

また英会話スクールも無料体験レッスンなどを行っているし、最近は
気に入ったカーテンを1週間貸してくれ、部屋に実際につけてみてか
ら購買を判断できるサービスを行うインテリア・ショップも増えてい
ます。ウチの奥さんは気に入らなかったカーテンをつき返していまし
た。

これらも皆「2ステップ」の販売方法で、お客さんに1段ずつ階段
を上ってもらい、実際に体験してもらうことにより警戒心を解き、納
得・安心したうえで購入してもらうことを重視した方法です。

こうすることで、消費者の失敗リスクを軽減してあげて、購買につな
げようとしているのです。

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■自分レベルの視点で
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法人営業の場合はどうでしょう?

たとえば、施工が必要な機器を売っていたり、高額なOA機器を売っ
ているような会社では、なかなか「お試し」営業がしづらかったりし
ます。

しかし買う側にとっては、やはり心配です。相手が初めての業者さん
だったりすると、心配度はさらに高くなります。だからといって、
「試しに1日だけエアコンつけてみて」というお願いもできませんし
ね。

こういう場合、お客さんはどうするか。そのときお客さんは、僕たち
の対応の仕方や、しゃべり方、電話応対の適切さ、レスポンスの速度
などを注意深く観察しています。

新規で発注する際に、営業マンの誠実さに引かれたから決めた、とい
う経験はありませんか。買ってみなくちゃ分からない商品やサービス
の場合、その会社の「人」のレベルから「商品・サービス」のレベル
を推し量るお客さんが非常に多いのです。

僕も最初のコンサル契約を結んだとき、結んだ理由を「勢いがあった
から、実績はないけど決めた」とお客さんから言われました。

お客さんは、僕たちの言動を細かくチェックしています。そして、
こいつは発注するに足るべき人物かを分析しています。実は、僕たち
も普段無意識にいろんな商談相手に同じようなことを行っているんです。

その心理を理解していれば、電話の取り方一つとっても検討すること
は色々ありそうですよね。

電話での第一声で、お客さんを1ステップ昇らせることができるかも
しれないのですから。

耳をすまして、社内の声を聞いてみましょう。

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■今週の一冊 「ちょっとアホ!理論」   出路雅明 著
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これは、仕事をまじめに取り組みすぎて、業績を悪化させた経営者が
「ちょっとアホ」的に会社経営する方法に変えた途端、業績が急回復
した会社の実話です。ちょっとアホとは、たとえば店員全員がアフロ
のカツラをかぶって接客すること、などちょっと常識では考えられな
いことなどです。しかしそれはすべて「お客さんを楽しませるために
は、自分たちが楽しまなくてはダメ」というポリシーに基づいたもの
で、本人たちは大真面目なのです。一見ぶっ飛んだ理論ですが、この
本には、会社経営を真剣に行ってきた男たちの戦いの姿が描かれてい
ます。少し涙がでました。
興味のある方はこちらから↓
https://www.raymac.jp
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■編集後記
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節約ばかりしていると息がつまるので、たまには消費することも大切
です。でも節約期間が長いと買い方を忘れてしまうんですね。本当に
買うべきものか否かが判断できなくなってくるんです。そういう人が
定年したとたんに変な壷や趣味の悪い骨董品を買い集めたりするんで
すね、きっと。買い物にもスキルが必要だと感じた1日でした。

(第78号終わり)

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